[2017年2月8日]
2017年2月に実施された都立中の適性検査問題を分析していて、改めて確認できたことがある。
合格するために必要な力は、次のようなモノだということだ。
?数理科学的思考力
?社会科学的分析力
?自然科学的判断力
?論理学的読解力
?研究論文的論説力
小学生に求める力としては、かなりのハイレベルだ。もしかしたら実質無試験入学した大学生でも合格できないかもしれない。
平均的な小学生では全く太刀打ちできないだろうし、平均的な中学生でもかなり怪しいレベルの難易度だ。
0点になる人が出てもおかしくないし、30%以下しか得点できない受検生が、かなりの割合を占めているのではないだろうか。
検査?・?・?の素点平均で、50%以上の得点ができる受検生は、定員の3倍もいないのではないかと疑いたくなる。
つまり、実質倍率は3倍以下で、それを超える受検生は、受検する前から不合格になることが運命づけられているのではないか、ということだ。
平均的な小学生が受検すると間違いなく撃沈される。「よくできる」がほとんどの上位層の小学生であっても、ごく一部の受検生しか合格できない。小学校の成績表では評価できないような学力を持ち合わせていないと合格は難しいということだ。
しかも、都立中御三家の筆頭格である「小石川」は、もはや「公立中高一貫」というくくりでは勿論、「都立中」というくくりでも表現できないくらいの難関になりつつある。男子で比べると、「小石川」と「都立中最下位クラス」とは偏差値で10ポイント以上の差がある。「都立中最下位」でも私立中堅上位くらいの難易度はあるから、どの「都立中」も合格は容易ではない。
小石川の適性?は容易には攻略できない。差し替え問題となる適性?の大問2も、正確な計算力がないと時間切れで退場モノだ。
あえて言うなら、適性?がもっとも得点しやすい。共同問題だからだ。他のいくつかの都立中と同じ問題だ。適性?で80%以上取れれば、グッと合格を引き寄せることができる。その上で、適性?・?で60%取れれば、まず合格候補者だろう。
私立中入試と根本的に違うのは、私立中は複数受検できることと、幅広い難易度から選べることだ。都立中は一発勝負だ。しかも高くて狭い難易度からしか選べない。
倍率が低下傾向であるとはいえ、今年も大量の不合格者が出る。
彼らは、どんな気持ちで、どこへ行き、どのように立ち上がってくるのだろうか。
合格した人も、できなかった人も、これで終わりではない。
大学受験でまた会おう。