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三田学院

[2017年2月27日]

小石川の戦線に異変あり

都立中入試で気がついたことを書く。

?小石川・男子:辞退者減少、難易度上昇
入学辞退者が昨年より減少した。これは小石川の難易度が上昇したことが原因だと見ている。私立御三家や私立最難関に合格して人で小石川にも挑戦した人に、小石川に合格できなかった人が増えたからではないか。

?小石川・女子:辞退者増加、受験生レベル上昇(繰上げ除けば難易度上昇)
入学辞退者が増加した。これが原因なのか入学手続き状況の発表を巡るトラブルさえ発生した。辞退者激増の理由は、受験生のレベルが上昇したことによるのではないかと見ている。つまり、私立御三家や私立難関校にも合格できるような人の併願が昨年よりさらに増えたということだ。そうした人は小石川に合格できても入学辞退する。つまり、小石川を、あるいは都立中を辞退してまで行きたい学校に合格できた人が増えたということだ。

*私立御三家クラス:桜蔭、豊島岡女子、渋幕・渋渋(女子学院、雙葉は校風から併願は少ない?)
*2月1日以外にも入試を行う、豊島岡女子、渋幕・渋渋が怪しい。桜蔭合格なら当日欠席か。
*小石川が優位となりつつある併願私立難関校:鴎友学園、吉祥女子、洗足学園

女子は受験生のレベルが上昇していると見るのが妥当であろう。つまり、繰上げ追加合格ではなく、9日の発表時点で合格していたいなら、私立御三家レベルにも併願合格できる実力が必要になりつつあるということだ。

今後の動向に注目だが、男子はすでにかなり難化していて私立御三家に肉薄している。逆転傾向(私立御三家合格・小石川不合格)すら確認できる。

女子がこれに続いて私立御三家クラスに肉薄する傾向にある。いずれ私立難関校の併願先(滑り止め)としては機能しなくなり、今後は男子と同じく、難化による辞退者減少という傾向になるのではないか。

私立御三家の併願先(滑り止め)としては、むしろ東京学芸大学附属3校(世田谷、竹早、小金井)の方が適している。4教科型入試で対策しやすいし、都立中の躍進の陰で相対的に難易度が低下していて合格しやすい。ただし全員が高校に進級できるとは限らないのが難点だ。

?富士・男女:入学辞退者なし
都立中(23区内)の難化傾向が続く中で、長らく穴場の一角を占めていた。この日記でもたびたび書いたが、都立中合格を第一優先にするならお勧めの一校であった。受験生も敏感に動いたのではないか。

辞退者がいないのは、合格者に私立御三家クラスにも合格した人がいなかったのが原因と見てよいだろう。加えて、中高一貫化後の卒業生から難関大学合格者が出ていること、国立大学への合格者数が順調に伸びていることで、入学先としての不透明感が払しょくされたことも大きいだろう。

都立中の難易度ランクが知れ渡るにつれ、富士が穴場を維持できるかどうか不透明だ。都立中の中位校に難易度が接近していくのではないかと見ている。次の1−2年はまだ入りやすい状況が続くかもしれない。しかし男子に限る。女子はもはや穴場ではない。

白鷗同様に、校舎や設備の劣化具合が、難易度上昇の阻害要因の一つだ。クラブハウスのお化粧直し、北口校門からアクセスした際の水溜まりなどが解消されれば、難易度が中位校並みに近づくのではないか。それは受検生にとってありがたい話とは限らないが、校長先生や学校の手柄にはなるだろう。

白鷗は東校舎に貫禄がない。それは仕方ないとして、西校舎も運動場との間の掃除がいまいち行き届いていない。校長先生の肝煎りの女子トイレ改修も良いが、次はこの辺りが改善ポイントだ。印象がグッと良くなるだろう。

掃除と言えば両国にもお勧めしたい。特に学校公開前などは校舎内を一斉清掃したらどうだろう。階段のホコリがなくなるだけで、都立中御三家のトップの座を狙えるかもしれない。私立中学ならどこでもやってることだ。名門両国の名前だけでは、平成生まれの受検生へアピールできない。このままでは日比谷や小石川の背中が遠くなるかもしれない。芥川龍之介が淋しがってるよ。