[2017年4月20日]
激戦が続く都立中。
しかし激戦度は女子が圧倒的で、実は男子の方が入りやすい。
ただし、ちょっと勉強ができるくらいでは合格できない、のは共通だ。
男子には高額な教育費(中学受験御三家塾の費用や入学後の学費)もいとわないということなのか、あるいは適性検査で小論文(作文)が課されることを男子受験生が嫌がるのか、全体としては女子ほどには白熱していない。それは白鴎と富士の男子の難易度でハッキリする。ハッキリ言って狙い目である。
ただし小石川・武蔵は例外だし、両国や桜修館もハイレベルな闘いになるから、九段Bと白鴎・富士で顕著な傾向だと理解していただいた方が正しい。
2極化傾向で難易度が選びやすくなったので、戦略的に白鴎や富士を目指すということがあっても良いのではないか。
地元の公立中学と内容を比較すれば、少なくとも中学3年間の学習環境の格差があまりにも大きい。
教育熱心で自ら調査分析できる保護者でないと実態の格差が大きいことに気がつかない人も多いだろう。ウワサや評判では実態は把握できないものだ。
地元公立中学のユル〜イ学習環境でも大丈夫、と言うのならば議論の余地はない。まあ、この日記を見ていないだろうから、あえて説明する必要もないだろう。
3年間の学習内容が劇的に違うのが、地元公立中と都立中の最大の違いであるが、むしろ一緒に学ぶ同級生たちの資質の違いの方が重要であろう。勉強から逃げる人、勉強以外のことを優先してきた人は合格できないから、同級生にはいない。よって勉強に関してだらしない人に惑わされることなく、安心して中学生活を送ることができるのだ。
<男子> <女子>
S1ランク 小石川
S2ランク 小石川 武蔵
S3ランク
S4ランク 武蔵・両国 大泉
A1ランク 大泉 両国
A2ランク 桜修館 九段B
A3ランク 桜修館
A4ランク 九段B
B1ランク 富士
B2ランク 白鷗
B3ランク
B4ランク 富士
B5ランク
B6ランク 白鷗
*合格ボーダーラインの目安です。入学者の学力平均や校内トップ層のレベルではありません。
今回は小石川・女子の難化が著しい。お茶の水女子附属レベルまで難化したのではないか。
小石川・男子も激戦ではあった。私立男子御三家の一角に食い込む難易度であったと見ている。私立男子御三家合格者にも多数の小石川不合格者が出ている。
全体としては、都立中の各学校間で難易度の二極化がより進んだ感がある。ただし、Bランクの富士や白鴎が必ずしも入りやすいわけではない。都立中トップ校と比較すれば入りやすいと言うことに過ぎない。
かつて2月3日の主役であった国立大学附属中と、現在の都立中の難易度を同じランク基準で比較すると以下のようになろう。
Sランク超:筑波大学附属駒場
Sランク上:筑波大学附属
Sランク中:お茶の水女子大学附属(女子枠)
Aランク中:東京学芸大学附属世田谷
Bランク中:東京学芸大学附属竹早
Bランク下:東京学芸大学附属小金井
Cランク上:東京大学教育学部附属(のびのび派、大学受験はAO・推薦派)
Eランク中:お茶の水女子大学附属(男子枠、見かけ倒し)
偏差値が、実態よりもインフレしている私立中と比較すると、以下のようになろう。
Sランク上:開成、桜蔭
Sランク中:渋幕、豊島岡女子
Sランク下:麻布・駒場東邦、女子学院、渋渋
Aランク中:私立武蔵、雙葉・フェリス
Aランク下:海城、鴎友・吉祥女子・洗足
Bランク中:芝・本郷、頌栄女子
Bランク下:巣鴨、品川女子・普連土・共立女子、広尾学園(一般)
CDランク:高輪、恵泉・光塩
最新校舎で設備と環境が卓越し池上彰氏を輩出した大泉、評判が真っ二つに分かれるが絶賛派が優勢の桜修館、交通の便が良く校風が私立派にもマッチする九段B。お買い得感が最大の白鴎(特に男子)、目立った売りがなく穴場の富士(特に男子)。これらが一般の都立中だ。
そして、首相や文豪を輩出し、同窓会も強力で、伝統と実績が際立つ小石川と両国、中入生と高入生のバランスが良く実力派の武蔵。これらが都立中御三家だ。
ただし小石川がトップを独走中。続いて武蔵。ちょっと離れて両国、次は桜修館かと思いきや大泉。大泉の後ろに桜修館と九段B。先頭には離されたが富士と白鴎も入賞圏。
あなたなら、どうする?
本気になってみる?
甘くはないよ!
落ちたら地元公立中でも良いというなら、受検勉強はやめときな!
その程度の覚悟では、合格できないよ!
受検勉強することで学習習慣をつけようなんて、都立中をナメてるよ。というより失礼だよ。
すでに学習習慣の出来上がった人しか受からないからね!!
しかも中学年(理想は小3冬、遅くとも小4の夏休み前)までにね。