[2017年5月16日]
今日は、国公立大学現役合格率だ。
入学難易度との高い相関関係が読み取れるのではないだろうか。浪人を含めてしまうと、予備校の指導成果なのか、卒業校の指導成果かなのか判然としなくなるので、あくまで現役にごだわってみた。私立御三家と都立中の差が小さいことに驚くであろう。
現時点で、日比谷より小石川だし、麻布より小石川だ。わずかに開成には及ばなかったが、御三家3番手の駒場東邦・私立武蔵は、もはや小石川の敵とは言えなくなりつつある。両国や桜修館のライバルだろう。入試難易度の6年前との変化を考慮すると、都立中は今後さらに躍進が見込まれる。
2017年 都内名門高校・国公立大学現役合格率ランキング(単位:%)
58 筑波大附属駒場
42 開成
39 小石川中等
37 都立国立
34 麻布
34 都立戸山
31 都立日比谷
31 駒場東邦
30 豊島岡女子 (参考表示)
29 両国高校附属
29 武蔵高校附属
28 都立西
27 私立武蔵
26 学芸大学附属
26 桜修館中等
26 大泉高校附属
26 九段中等
26 雙葉
25 芝 (参考表示)
21 白鴎高校附属
19 富士高校附属 (参考表示)
・
・
11 都立三田 (参考表示)
過去6年の入試難易度(偏差値)変化から推計すると、都立中はさらに上昇するだろう。都立武蔵と両国が日比谷と戸山を超え、桜修館が並ぶ可能性が高い。富士と白鴎も私立武蔵を超える可能性がある。芝に並ぶのは時間の問題だろう。
<6年前の偏差値>・・上記実績を出した生徒が入学した年
66 学大世田谷(国)
65
63
62 小石川中等、武蔵高校附属
61 学大竹早(国)
60 両国高校附属
59
58 学大小金井(国)
57
56
55 桜修館中等、九段中等B、冨士高校附属
54 大泉高校附属
53 白鴎高校附属
<最新の偏差値>
64 小石川中等、武蔵高校附属
63
62 両国高校附属、桜修館中等
61
60 大泉高校附属、九段中等B
59 白鴎高校附属、学大世田谷(国)
58 富士高校附属、学大竹早(国)
この切り口では、都立中は私立御三家を目指すのではなく、都立中は私立御三家を超える可能性すらある。すでに、小石川は私立御三家筆頭以外を超えている。
難関国立大学や医学部といった切り口だと、また違ったランキングになるだろう。筑駒は難関私大を含め私立大学進学者はほとんどいないし、桜蔭は医学部も多いし、開成は東大専門的なところがあるし、何を求めるかで評価は変わる。しかし東大合格者数ランキングだけが進学実績を評価する尺度ではないということだ。誰もが東大を目指すわけではないから、国公立大学現役合格率の方が人肌感覚に近いのではないか。
また、母数が大きければ、生徒数が多ければ、合格者数が多くなるのは当たり前だ。都立中は1学年定員人数が他の半分程度しかいない。こうした条件を平準化しないと比較できない。大切なのは合格率だ。これが学校の実力に一番近い。実は塾の実力も同じ基準で評価できる。合格者数の大きさは、規模を示す指標でしかない。
重要な判断基準は、「数」より「比率」でしょ!
これが分からないようじゃ、適性検査?で合格点を越えられないでしょ。その前に、算数で「よくできる」が取れないでしょ。
*学校HPより作成。現役浪人データ不足により掲載できなかった学校もあり。卒業生数が不明の場合は高校定員数で代替。あくまで参考数値とお考えください。
*国公立大学現役合格者数÷卒業生数(不明の場合は1学年定員数)、少数第1位を四捨五入。同数の場合は四捨五入前で序列。
*20%未満を除く。
*都立富士高校附属は20%未満だが、都立中高一貫の括りで参考表示。
*豊島岡女子は御三家ではないが、難関私立女子高として参考表示。
*私立芝は名門高校ではないが、港区立地の私立進学校として参考表示。
*都立三田は名門高校ではないが、港区立地の都立校として参考表示。
*桜蔭と女子学院は現役合格者数不明。浪人込で58%と32%。
*偏差値は四谷大塚。私立と国立に甘く都立に辛い印象だ。
*集計結果の引用はご遠慮ください。
小石川、九段、桜修館、両国、武蔵、大泉、富士、白鴎