[2017年7月3日]
中学受験で半数近くが私立中学などへ抜ける都心地区。
千代田区、港区、文京区、渋谷区に加え、中央区、目黒区、江東区なども、地元公立中学への進学率が低い。私国立中学への進学率は、千代田区は50%を超え、港区は45%を超えている。
学力上位層から私立中学などへ抜けていくと考えるのが妥当だから、地元公立中学は、学力下位の半数を中心に構成されていると見るのが妥当であろう。
衝撃的なニュースがあった。
小学校の「算数の習熟度別授業」で、しばしば「最下位クラス」で授業を受けていた児童が、地元公立中学の定期テストで、学年20位以内に入ったのだ。
これまでのデータ解析を裏づける情報であったことに加え、想定を超えた低学力化が進行している懸念が、再浮上したからだ。
港区には1学年のクラス数が3クラスを超える中学校はない。当該中学校の中1の生徒数も100人以下である。
保護者の世代の認識では、「学年20位」は「学力上位」のイメージだろう。学力分布が図の小学生のようになっていれば、間違った判断とは言えない。しかし、実際に分布は図の中学生のようになっている。偏差値55以上の生徒が壊滅的に少ないので、学年20位は「学力中位」とさえも言えない。
サンプル数が少ないため歪みのリスクはあるが、学年10位以内にいないと、偏差値55以上を出すのは容易でない。ある中学校では定期テストで学年1位の生徒の模擬試験偏差値は50代半ばだ。
この「学年20位」に入った生徒は、中間テストでは「学年60位以内」のゾーンであった。そうであれば想定の範囲内だ。しかし、それが期末テストでは「学年20位」以内に入った。港区地元公立中学の学力分布が、いかに下方に大きく歪んだものかが理解できるであろう。平たく言うと、学年20位も学年60位とさして変わらず、学力低位層だということだ。
別の日記でも何度も書いているが、アナタの「定期テストの学年順位がほぼ真ん中なら、せいぜい偏差値40以上程度」ということだ。けっして偏差値50ではないということだ。
都内の高校受験する生徒全体の中で、「平均以上」・「偏差値50以上」を目指すなら、港区の地元公立中学では、学年順位で15位以上を目指す必要があるということだ。クラスで5番以内だ。「偏差値55以上」なら学年10位以内が目安だ。
ただし、忘れてはいけないのは、「定期テスト」と「入試」は全くの別モノだということだ。「定期テスト」の順位が高いだけでは、一般入試で相応のレベルの高校に合格できない。まず、試験範囲が違うでしょ。出題のされ方が違うでしょ。定期テストが解けても入試御問題は解けないないなんて、よくある話でしょ。
唯一の救いは、中2、中3となって行く中で、学力を大きく伸ばす生徒が少ないくないことだ。ただし、これは指導している生徒がおもなサンプルなので、他の塾の生徒のことは知らない。