[2017年8月2日]
今や、私立中学校を実質的にセールスする存在にまでなった大手中学受験専門塾。
こうした大手塾に睨まれると、私立学校は存続の危機に陥るので、頭があがらない。大手中学受験専門塾は私立学校に対する影響力を維持することで経営を安定化させている。私立学校の魅力をセールスすることで仕組みは成立する。私立学校の魅力を過大にセールスすればするほど、ドンドンもうかる仕組みだ。
誰もが公立中学に進み、中学受験をしなかったら、この世に存在しない商売だ。チューリップの球根一株が、住宅の値段を超えるようなところまで高くなってもかまわない程に、熱心に高値セールスをして、市場を牛耳る。少子化だから全ての私立学校が生き残れるわけではない。ところが、ほとんどが生き延びている。大手中学受験専門塾の貢献するところが大きいのではないか。
大手中学受験専門塾の手口は巧妙だ。
?大量の宿題
成績優秀者でも解ききれないくらいの宿題を出す。宿題ができないのは受験生のせい、成績が上がらないのは受験生のせい、ということにできる。
?クラス分け
大手中学受験専門塾の合格実績は、選抜クラスの受験生の成績だ。しかし、その塾に入れば難関名門私立中学に合格できるかもしれないという匂いをプンプンと漂わせ、わずかな可能性すらない受験生でも入塾させる。選抜クラスの生徒からの授業料だけでは経営は成り立たないから遠慮も躊躇もない。別クラスに隔離しておけば、選抜クラスの受験生の邪魔にならない。また、クラスが下なら合格できないのは当たり前と、受験生のせいにできる。
?受験が終わればサヨウナラ
アフターケアをしなくてすむ。ほとんどの受験生は不本意な結果に終わるシステムだから、まともにアフターケアしていたらもたない。ただし、さらに続けて授業料を搾り取れそうなら、中学受験以降もアノ手コノ手で再び誘い込む。担当や講師を違えれば、アフターサービスすることからも逃げられる。別のインチキ・サービスを売り込む。また美味しい。
それを知らずに、虫取りにつかまる虫のように、ホイホイつかまる。そんな受験生と保護者が後を絶たない。
そこで幸せになれるのは、ごく限られた人たちだということに、気がつかないのだろうか。
自分だけは「違う」と思う。
自分だけは「引っかからない」と思う。
自分だけは「引っかかっていない」と思う。
オレオレ詐欺に引っかかる老人たちと、まるで同じではないのか。
大手中学受験専門塾の手口は極めて巧妙なのだ。
ただし学習塾はみな同じだなどとは思わないでほしい。もしそのように思っているなら、けっしてコンタクトしてこないでほしい。そのような方の相手をする気はない。