[2017年8月3日]
なぜ「募集基準」なのか?
誤解されないように、なぜ『募集基準』と『募集締切時期』を設けるのかを説明しておく。
・公立中学校での成績がクラスで真ん中程度なのに、難関進学校に行きたい。
・公立小学校での成績がクラスで真ん中程度なのに、難関である都立中に進みたい。
こんな保護者や生徒が、実はたくさんいるのだ。
公立学校で「成績がクラスで真ん中」くらい、というのはどんな成績かというと次のような目安になる。
・中学校:「4」が半分程度以上、残りが「3」。
・小学校:「よくできる」が半分程度以上、残りが「できる」。
ところが、自分やわが子に甘い保護者にとって、これは「かなり良い成績」に見えるらしい。
・小石川に行きたい!
・九段に行きたい!
・日比谷に行きたい!
・戸山か新宿に行きたい!
などと平気で口にする。
しかし、これは学力偏差値で50に届かなくても不思議ではない水準なのだ。偏差値水準を15以上改善しないと、入試偏差値65以上の都立進学高校のボトムや、入試偏差値55〜60(しゅともし相当)以上の中堅私立中学校や都立中・国立中学のボトムに合格するのは難しい。
偏差値10UP
その難しさを理解できない保護者や生徒も多い。テストの成績を10点上げるのと似たようなモノだと根本的に勘違いしている人がいる。
偏差値40の人が50になるということ、偏差値50の人が60になるということ、それは同学年の約34%の人を追い抜くことを意味する。つまり同学年の3分の1を追い抜くということだ。どれくらい難しいかイメージできるだろうか。
偏差値20UPは当たり前?
偏差値40の人が、偏差値60になるということは、同学年の約68%の人を追い抜くことを意味する。つまり同学年の3分の2を追い抜くことだ。かなり驚異的なことだ。
「偏差値20UPは当たり前」などと謳っている学習塾は疑ってかかった方が良い。偏差値20UPを達成できる人は限られている。誰にでもできることではない。偏差値10以上UPであっても、並々ならぬ努力が必要である。しかし指導に従ってもらえれば、かなりの人を実現に導くことができる。
今年の中3受験生は、4月から7月の3ヵ月で、偏差値が平均7向上した。中2の秋から在籍している生徒は10以上向上した。好調な滑り出しに、本人たち以上に指導者が喜んでしまった。7月にスタッフ日記が一時中断したのは、この嬉しさのあまりスタッフ日記を書くことを半月に渡り失念してしまったからだ。
「授業料を払って、ただ椅子に座っているだけ」で達成できることではない。学習塾はエステではない。慰安行為を施すだけで学力が向上するなどと思わないことだ。
軽々に「○○に行きたい」などと公言しない方が賢明だ。言うのは勝手かもしれないが、その可能性がないのに言うのは、判断力を疑われてもしかたない。
そして、○○に行きたいなら、○○に合格したいなら、受験勉強をを開始する時点で、最低でも備わっていてしかるべき学力というものがある。
これこそが『募集基準』だ。
さらに、明日が入試だというのに受験勉強を開始しても間に合わないことは誰の目にも明らかなように、合格に必要な実力は一朝一夕では身につかない。そもそも合格に必要な学力をつけるには、絶対的な勉強量というものが存在する。そこから逆算すれば本格的な受験勉強開始のデッドラインを割り出すことができる。
これこそが『募集締切時期』だ。
優秀な生徒を集めて進学実績を上げたいのではない。学力が低い人を排除しているのでもない。ボタンを掛け違えたような指導をしたくないだけだ。
どう頑張っても、今からでは都立中に合格できない生徒を、あるいは、今からでは合格可能性が入試倍率から逆算した平均合格率を超えない生徒を「都公立中受検本科コース」などに受け入れるということは、ただ授業料が欲しいだけの詐欺的な生徒募集に該当しないだろうか。
結果が見込めないのに指導を続けることは、患者に効果を期待できない治療を行うのと同じではないか。それは過剰診療に該当するのではないか。過剰診療は違法に診療費を受け取ることになるから、犯罪行為ではないか。
そのような犯罪まがいの生徒募集をしないために『募集基準』と『募集締切時期』を設けているのだ。
悪徳学習塾の詐欺的生徒募集ではない、ということを表明し、実践しているだけだ。
しかし、悪徳学習塾の詐欺的生徒募集の手口が、なんと強力なことか。
そして、悪徳学習塾の詐欺的生徒募集の手口に引っかかる人が、なんと多いことか。
さらに、悪徳学習塾に毒された生徒や保護者が漂流している姿を見かけることが、なんと哀れなことか。
けっして、悪徳学習塾の手口に毒されてしまってから、ここの門を叩かないで欲しい。
毒が回ってしまった保護者や生徒が、ここでの指導に従って成績を伸ばすことは見込めないからからだ。
売りにしている指導スタイルとは全く違う、毒のまわったような指導を要求してくる保護者もいて、指導者にとっても、在籍生徒にとっても、耐えがたいほどに迷惑なのだ。