[2017年9月5日]
都立中高一貫の躍進の影で、地盤沈下が懸念されていた国立付属中の逆襲が始まった。
筑波大学とお茶の水大学は、昨年9月、大学間連携協定を結び、相互に研究教育活動で包括的な協力体制を敷いた。ともに高等師範学校を母体校としており、かねてより交流は深かった。
http://www.tsukuba.ac.jp/news/n201609021658.html
この中で注目されていた項目の一つが付属校について言及されたことだ。
お茶の水女子大学の室伏学長から「大学改革を含む様々な教育課題の一つに、国立大学の附属学校の存在意義があるが、両大学の持つリソースの一層の活用を含めた先導的な取組を広く発信することで、新たな附属学校教育の開発・構築とわが国の初等・中等教育の向上・発展に繋げていきたい」旨の挨拶がありました。(筑波大学ホームページより)
幼児教育から大学院教育まで全ての世代の教育をシームレスにつなぎ、両大学のそれぞれの資源・強みを活かし、協働して人材育成を図ること、さらに、附属学校教育を含めた特色ある新たな教育連携への発展を目指したものです。(お茶の水大学ホームページより)
広報文書からは読み取りにくいが、関係者からの情報によると、付属校で相互に入学者を受け入れる方向で調整が進んでいるようだ。
つまり、お茶の水大学付属校から筑波大学付属校への進学枠を設定することになるらしい。
まず、同じ文京区地区にある、筑波大学付属とお茶の水大学付属の間で、実施される可能性が高い。
お茶の水大学付属校は高校から女子高となる。もともとお茶の水大学付属中学に学ぶ男子生徒の進学に課題があった。この一部を筑波大学付属に付属校からの進学枠を使って受け入れることが始まる可能性が高い。
国立大学付属校としては入試難易度が平易であったお茶のみ女子大学付属中の男子生徒枠が、にわかに注目を浴びる可能性がある。今後、詳細の発表に注目したいが、難化の可能性がある。
この他、東京学芸大学付属各校は、一般募集の定員をのきなみ削減してきており、こちらも今後難化の可能性がある。
国立大学付属中の逆襲が始まる。乗り遅れてはいけない。