[2017年9月8日]
有名な教育雑誌を拝読して驚愕した。ただ、うすうす感じていたことではある。
ある私立中御三家の学校は、発達障害をもつ生徒の割合が10%を超えている、というものだ。
書店で販売されているので、まだ読まれていない方で、興味のある方はご覧いただきたい。
公立小学校における発達障害をもつ児童の割合は平均すると3%程度という報告がある。ということは、この御三家中ではかなり「濃縮」されたことになる。
これをご覧になった私立中受験生とその保護者は、どのように感じられるのだろうか。
授業に参加できない生徒がいて落ち着いて勉強できないという理由で、公立中学を避け、私立中学受験を選択した場合、その期待は裏切られるのかもしれない。
そもそも、私立中学は、出願時点で報告書の提出が義務づけられていない。また合否判定にも含まれない。となると、発達障害をもつ児童であっても、そのこと自体は、合否には関係ないということになる。
ここが、報告書の提出が義務づけられ合否判定に使われる都立中や国立中とは根本的に違うことになる。
この記事を書かれたのは、有名な教育研究所の方だ。ガセネタではないだろう。
多くの公立中学では、発達障害ではない生徒の生活指導だけでも手いっぱいで、発達障害をもつ生徒の対応は、十分にできていない状態だ。
しかし、私立進学校でも、発達障害をもつ生徒への専門的な体制があるとは思えない。こちらは進学指導で手いっぱいなのではないか。余力があれば、進学実績向上に優先的に資源を振り向けたいことだろう。しかし報告書まで合否判定に入れたら、今の合格者の速報体制は崩れてしまう。
あなたなら、どんな進路判断をされるだろうか。
地元公立中、私立中、国立中、都立中、単に進学実績、入学難易度、入試形態、教育内容だけでは判断できない要素が、たくさんあるようだ。