[2017年9月25日]
わざわざ、お題にするまでもないかもしれないが、古き良き女子教育が評価されなくなってきているようだ。
四谷大塚の偏差値で難易度を見てみると、ある有名女子校の壊滅的な人気下落が鮮明になる。4年でこれほどの大幅な下落は崩壊と言われても仕方ないだろう。
2013年:46(2月1日午前) → 2017年:38(2月1日午前)
*コースを細分化しており実態は偏差値31という見方もある。底辺校と言うより、もはや「底割れ」だ。
在校生も卒業生も、その保護者も大騒ぎである。しかし、伝統的なお嬢様教育を期待して入学した層の一部には、それほど騒いでいない人もいる。
国際教育とかグローバル教育とか、時代の流れにしっかり対応できている女子校は、かろうじで難易度を維持できているが、そうでない女子校は総じてかなり厳しい。
矢継ぎ早に改革を打ち出している学校が目立つが、教育を担うスタッフの大幅な強化なしに、見栄えだけよくしても、実態は大きく変わらない。改革が成功するのは、いつもごく僅かだ。
置き土産に制服が刷新されるくらいだ。
教育改革と制服の変更を宣伝している学校は要注意だ。崩壊の危機に瀕していることを自ら暴露しているようなものだ。
教育改革をするとしながら、広報や宣伝スタッフだけ強化している学校もある。私立学校の多くは教員の半数が「非正規雇用」という実情も、あまり知られていない。もちろん、正規雇用なら大丈夫という話でもない。
目指すべきは教育スタッフというか教員の教育力のアップだ。成功しているフィンランドでは、小学校教員は教育学部の修士課程修了者が主力だ。
崩壊途上にあるのはお嬢様学校だけではない。名門共学校、名門男子校にも厳しい状況に直面している学校がある。あまり書くと批判しているように取られるといけないので、これくらいにしておくが、伝えたかったのは実態だ。
保護者というか消費者の中には、上手な宣伝文句に惑わされる人が多いので注意喚起しておきたい。
惑わされるというか、騙されるというか、そういうことに巻き込まれるのは、心にスキや甘えがあるからではないか。あるいは分析力や判断力がない。
私立学校を目指す保護者に多い。しかし、私立学校の教育崩壊という近年の社会現象が、広く一般的に認知されていないことも原因だ。
その証拠に、政治家は私立学校の授業料無償化に熱心だ。それを喜ぶ有権者というか保護者も実はかなり多い。
授業料を無償化したら学力が向上すると思っているのだろうか。
逆でしょ。勉強しなくても大丈夫だと思うだけでしょ。
学力低下をまねくだけでしょ。
そんな財源があるなら、教育関係者の教育力向上に使った方が良い。
さもないと、近い将来、先進国から脱落するよ。
今の生活水準を維持するのがますます難しくなるよ。
平和だって危ないかも知れないよ。わかる?