[2017年11月22日]
嬉しいニュースが飛び込んできた。
都立中を目指す小5が、適性検査型模擬試験のデビュー戦で、高偏差値をたたき出したのだ。
今春、小石川に合格した塾生と比べても遜色ない。1回受験しただけの偏差値で判断するのは適切ではないが、期待できる成績だ。
順位もすごい。受験者総数約2,000人中で、20位以内に余裕で入った。残念ながら10傑は逃した。
追跡調査を基に判断すれば、都立中の合格率は「ほぼ100%」だ。合格率が100%になるのは、両国も、桜修館も偏差値70以上からだ。小石川も毎回偏差値70以上ならほぼ合格できる。
ただし、小5対象の模擬試験であるということを考慮すれば、油断は禁物だ。本試験に比べれば問題がまだまだかなり易しいし、ライバルである小5受験生の仕上がりもまだまだ不十分だからだ。
残り約1年、このまましっかり励めば、合格を手中に収めることができるだろう。
この他に小4には、ずいぶんと前に紹介したが、私立型模擬試験での教科別順位で、全国上位10位以内に輝いたことがある都立受検予定の塾生が2名いるので、今回の小5の1名と、この小4の2名の今後成長が楽しみだ。小6を除けば、都立中受検コース生はこの3人だけだ。少数精鋭とはこのことか。
しかし、1学年2名程度の都立中受検生で、毎年連続して都立中へ合格させるのは、正直なところ楽ではない。指導内容には自信があるから、都立中を目指す人は、もっと門を叩いてもらってかまわない。
実は、昨年アップデートがほぼ完了し、教材として編集中である自信作の「適性作文」に加えて、今後は「適性分数」と「適性割合」をアップデートすべく準備中だ。これにより適性?・?の「適性算数」の一部と「資料の読み取り問題」の攻略法をさらに進化させる計画だ。
適性算数の対策は、私立中入試の特殊算を含むハイレベル算数を改編すれば、ほぼ対応できることが分かってきている。頻出領域が大幅に違うだけだ。裏返せば、ハイレベルな算数に対応できない受検生は、そもそも都立中合格が難しい。
さて、私見で信用できる適性検査型模擬試験のランキングを書いておこう。
◎1位:公中検模試
採点が本試験に比べやや甘い感があるが、受験生総数が全国ナンバー1というのが魅力だ。偏差値の変動が少なく、常に正確に受験生の実力が測定できていると言える。追跡調査の精度が高く、合否予想に使える。小4から受験できるメリットも大きい。時系列で成績把握できる。年間実施回数も多い。
〇2位:一貫模試
神奈川県の公立中高一貫に強い印象があるが、都立中にも使える。受験生が多く偏差値が安定している。小5から受験できる。年間実施回数も多い。実施会場が公中検模試と重複しない回などに、公中検模試の補完として使いやすい。
〇暫定3位:しゅともし
私立中受験で老舗の模擬試験会社だ。昨年までは11月に小6を1回のみしか開催していなかったので、正直使えなかったが、今年から小6を3回実施するようになったのでランクインさせた。追跡調査が充実してきたら「暫定3位」ではなく、正式な「3位」としたい。小5や小4がないのでメインとはできない。
△:ある中堅塾主催の模擬試験
小石川と白鴎のそっくり模試として有名だ。小6は受験生総数が200人以上になることが多いので、模試として使えなくはない。ただし偏差値がでない。成績優秀者の順位のみ40〜50人程度開示される。順位変動が激しいという難点がある。問題の難易度や傾向にバラツキが大きい。日曜講座や土曜講座の集客手段となっている面が否めない。事実、講座生が成績優秀者に名を連ねることが多い。講座生でない都立中受験生が「道場やぶり」として参加する価値はある。他塾に通う私立中第一志望者が土日に受験しに来ることもあるようだ。他塾の生徒であるにもかかわらず、模擬試験を受験した人を、自塾の合格者として合格実績に合算していないか、不審な点がある。
△:ある中堅塾主催の模擬試験
そっくり模試として有名だ。受験報告会で、毎年のように「小石川に惨敗した」と繰り返し報告していると聞く。九段Aと東大附属が専門とした方が潔いのではないか。九段の千代田区民枠、東大付属に強いので、そこが志望校なら利用価値はある。ちなみに、低偏差値私立中学向けの受検指導も行っている。
×:ある大手塾主催の模擬試験
完全な特定塾主催の模擬試験だ。塾内模試と考えた方が良い。模擬試験としては受験生の偏りが大きくお勧めできない。集客目的でも運営されている。母体塾の合格率が芳しくないことを踏まえれば、メインとはできない。低学力層の受験が多いからだと思うが、偏差値がやたらと高く出るようだ。また、偏差値が激しく変動するという情報があり、問題のクオリティが安定していない懸念がある。模試受験者に都立中の合否の追跡調査の電話が入るなど不審な点も多い。
都立中への合格がほぼ見込めない人が受けるにはちょうどいいだろう。都立中不合格者の大量製造装置のような塾だ。塾仲間のほとんどが不合格になるから、自尊心を損なわずに済む可能性が高い。ただし、いつまでも危機感を持つことができないまま、小学高学年と中学3年間を送ることになり、そのまま高校受験でも成功しないリスクが高い。