[2018年1月11日]
【都立中】か【都立高(進学校)】かでは都立中をお勧めした。
そこでは書ききれなかったことを補足しておく。
諸事情から【都立高(進学校)】を目指さざるを得ないご家庭もあろう。諸事情については家庭によりさまざまだろうから、ここでは触れない。
【都立高(進学校)】を目指す場合の準備については、別の日の日記にも書いたので参照いただきたいが、改めてお伝えしておく。
都立高(進学校)もレベルやタイプによって事情が少し違ってくる。
?自校作成校
日比谷や戸山などが該当する。最も入試難易度の高い進学校だ。共通問題とは根本的に出題傾向が異なる。受験生の多くは共通問題だとほぼ満点を取ってしまうので選抜にならない。そこで難易度の高い入試問題を自校作成して選抜する。この自校作成問題は、将来難関国公立大学の入試を突破できる素地のある受験生を選抜するのに適した問題となっている。自ずと並大抵の努力では攻略できない。
数学と英語は、遅くとも中2の3学期までに終了していないと勝負にならない。理科や社会も中2のうちに終わりたい。英語は中2の半ばで終了できるような受験生がライバルとなる。中3初めから自校作成問題への対応力を磨かなければ合格に届かない。仮に合格できても入学後に落ちこぼれるリスクが高い。
?グループ作成校
両国や武蔵が該当する。自校作成ほどは難易度が高くないが、共通問題ほど易しくないので注意が必要だ。そもそも都立中高一貫の高入枠である。都立中入試で独自問題を作成しているので、高校入試で独自問題を作成すると負担が大きい。そこで都立中高一貫で高校募集を行っている高校がグループとなって問題を作成して選抜に利用する。中入生のレベルが高いので、中入生と一緒に指導できる受験生を選抜しなければならない。自ずと難易度が高くなる。
自校作成と同様に、中2までで数学と英語を修了していると有利だ。グループ作成問題への対策をとる時間的余裕が必要だから、学校と同じ進度でしか進めない受験生は諦めた方がよい。また、学校授業を大幅に先取できる受験生でないとレベル的に攻略が難しいことも同じだ。理科と社会も中3の1学期中に終えたい。
?共通問題校
小山台や駒場が該当する。学力優秀な受験生にとって共通問題の攻略は難しくないが、高得点での闘いになるので、ナメてかかると敗北する。できれば中3の夏休み前までに受験5教科を一通り修了しておきたい。遅くとも夏期講習で全て終えたい。定期テストで受験勉強を中断せざるをえないような受験生では太刀打ちできない。定期テスト対策も含め、ドンドン先取りできないと勝てない。どれだけ早く入試範囲を一通り終えられるかで、どのレベルの共通問題校に挑戦できるか分かれる。
???も中2や中3の1学期で入試範囲を一旦終えて終わりではない。何度も何度も繰り返して完成度を上げていかなければならない。基本テキストは最低でも3周が必要だ。5周から7周は回して完璧にしたい。受験校向けの対策も最低3周必要だ。そして、過去問を含めた直前対策も余裕をもって開始し、入試1ヵ月前には完璧に仕上げておきたい。直前の1ヶ月は、心と体の最終調整期間として取っておこう。難関校を目指すなら、直前まで食べ残しがあるようでは勝ち目はない。
勘がよい人ならもうお気づきだろう。【都立高(進学校)】を攻略するなら、中学に入学してからでは、まったくもって遅いということだ。手遅れと言ってもいい。
【都立高(進学校)】を目指す受験生にとって、高校受験は小学校中学年から始まる。それは、小3からしっかり対策をすれば間に合うというものではない。このことは、「【都立中】か【都立高】か」でも書いたが、小3までは基礎基本をしっかり固めて、公立小学校なら、小4からクラストップレベルの学力ポジションをキープできるようでなければならない。さもないと、中学2年までに義務教育課程すべての学習内容を仕上げられない。これができないと、入試までに難関校受験対策を完了できない。
中2までに確実に中3までを終えるには、英語は小5早期に開始したい。英会話ではない。英語だ。数学は小6で中学段階に入りたい。これを可能にするには、幼児期からしっかり知育をしておかないと難しい。
ここでも、勘がよい人ならもうお気づきだろう。【都立高(進学校)】に合格するには、【都立中】にも合格できるようなレベルでなければならないといことだ。
つまり、【都立中】に失敗したら【都立高(進学校)】に挑戦というのは実現が難しいということだ。もちろん、【都立高(進学校)】のレベルにもよる。
小石川に失敗したから、日比谷への合格を目指す。
まず実現しない。
日比谷への合格を目指すなら、小6で小石川に合格できないようでは難しい。せめて小石川に合格できそうでなければ難しい。
都立高校も進学校は完全復活したから、10年や20年前のようにはいかない。都立中も中入生の大学進学実績が出そろった今となっては、難関校として定着したから、都立中高一貫化初年度のようにはいかない。
【都立中】を目指すにも、【都立高(進学校)】を目指すにも、開成中高や豊島岡中高を目指すくらいの覚悟と準備が必要だ。
小学校の学習内容にちょこっとプラスした程度で【都立中】に合格はない。部活や定期テストに追われているようじゃ【都立高(進学校)】への合格はない。
【都立中】や【都立高(進学校)】を目指すなら、どちらも胎教から始めよ。どちらも小4からは全力で受験勉強に取り組め。最後まで続けられれば、合格が見えてくるはずだ。