[2018年1月12日]
千代田区立となっている九段中等教育学校で、抜本的な改革が検討されているようだ。まだ文書では配布されていないようだが、すでに口頭では在校生と保護者に説明があった模様だ。
?部活動の活動時間を午後4時30分まで、活動日数を週2日までとし、休日活動は試合以外は禁止。
?富士見校舎を返上し九段校舎のみとする。
?制服のままでの立ち寄り緩和。
Q:この改革案から、あなたが考えること書きなさい。
大胆予想を試みる。
A:九段は抜本的な進学実績の改善を目指した改革を推進しようとしていると思われる。その理由は、?の部活動の制限から見て取れる。教員の過酷な勤務状況の改善との説明がなされたようだが、財政予算の潤沢な千代田区なら、教員ではない部活指導員の追加配置などにより、教員の負担を減らすことも可能であったはずだ。
部活動の終了時刻を午後5時前にすれば、膨大な課題に取り組む時間を余裕をもって確保できる。また、活動日を週2日に制限すれば、部活のない日は更に早く帰宅できるようになり、さらに十分な学習時間を確保できる。
続いて?だ。学校からの帰宅途中に制服のまま立ち寄ることが制限されていると、最も影響を受けるのが塾や予備校への通塾だ。九段の立地から、予備校などへの通塾をしようとすると、学校帰りに立ち寄るのが最も便利だ。自宅まで一旦帰ってから通うとなると時間的なロスと体力的なロスを覚悟しなければならない。また大型書店に立ち寄って参考書などを購入することも容易になり、休日まで待つ必要がない。
??により、大学実績が良好な難関の私立中高一貫校に近い体制にすることができる。難関の私立中高一貫校では、入学直後から難関大学を目指した予備校に通うのが一般的だ。
?は非常に想像をかき立てられる事案だ。富士見校舎は旧千代田区立富士見小学校の施設を、旧都立九段高校が千代田区立九段中等教育学校になる際に引き継いだものだ。これを放棄すると、旧都立九段高校の施設だけが残ることになる。
つまり、都立高校ならびに都立中等教育学校の設置基準を再び満たすことになるのだ。そうなると、千代田区立九段中等の『都立移管』の可能性が浮上してくる。
今更、なぜまた、『都立移管』なのかと思われるかもしれないが、考えられる理由を箇条書きにする。
・全ての入試問題を自校作成することに疲弊している。
・千代田区の小学生数が増えず、区分Aが制度疲労を起こしている。
・教員の疲弊が知られるようになり教員公募が行き詰ってきている。
『都立移管』で起こる変化を予想してみよう。
・区分A(千代田区民枠)は即刻廃止または数年間での段階的廃止。
・進学校としての指導体制をさらに強化。
これは九段の逆襲を意味する。
都立中御三家の位置は、「小石川、武蔵、両国」に譲っているが、九段の過去の長い歴史から見れば、「小石川、両国、九段」こそ、都立中御三家にふさわしいと考えたとしても何ら不思議ではない。この点に関しては、過去の「都立名門校はどこか?」も参照いただきたい。
01位:日比谷(旧一中)
02位:戸山(旧四中)
03位:小石川(旧五中)
04位:両国(旧三中)
05位:筑波大附属(旧東京高等師範附属)
06位:新宿(旧六中)
07位:小山台(旧八中)
08位:麻布(私立)
09位:九段(旧第一東京市立)
10位:開成(私立)
DNAは受け継がれるということか。
日比谷と小石川の大復活をはた目にして、九段としては現状に居心地が悪いのではないか。
断言するには十分な根拠に乏しいので、「信じるか信じないかはアナタ次第」というレベルの予想であることを付言しておく。