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三田学院

[2018年1月13日]

【都立中と都立高】思考力・判断力・表現力とは何か?

都立中などの公立中高一貫では、入学者選抜において「適性検査」が課され、私立中学入試や都立高校入試では、「学力検査」が課せられる。呼称としてはその通りだ。

しかし、都立中の「適性検査」では『思考力・判断力・表現力』といった『適性』が試されるが、私立中学入試や高校入試のような『学力』は試されない、と思っている人がいる。

・小6の1年間の対策だけで合格できる
・パパママ塾で十分に合格できる
・合格になるか不合格になるかがつかみづらい
・準備や対策に費用をかけても効果がない

などという考え方や見方につながっていく。

Q:その考え方や、その見方は、はたして正しいのだろうか?

まず、小石川中等の「出題の基本方針」を確認しておこう。

平成29年度 東京都立小石川中等教育学校の適性検査問題の出題の基本方針等

1 出題の基本方針
(1) 豊かな感性、主体性や創造性など、リーダーに求められる資質・能力をみる。
(2) 思考力や判断力、表現力等、小学校での教育で身に付けた総合的な力をみる。

これは違和感がないのではないだろうか?

次に、日比谷高校の「出題の基本方針」を見てみよう。

平成 29 年度東京都立高等学校入者選抜学力検査
進学指導重点校グループ作成問題 東京都立日比谷高校


出題の基本方針

3 出題に当たっては、・・(中略)・・思考力、判断力、表現力などをみるとともに、体験的な学習や問題解決的な学習などの成果をみることができようにする。

これも違和感はないだろうか?

日比谷高校は「適性検査」ではなく「学力検査」を行っている。ところが、小石川の出題方針とうり二つの出題方針である。他の都立中も思考力、判断力、表現力の文言が入っており、都立中全般と、日比谷高校などの進学指導重点校は、同じような出題方針を掲げていることが確認できる。

つまり、「適性検査」=「学力検査」だということが、これでお分かりだろう。

・「独特の問題」だから合格できないのではない
・「倍率が高い」から合格できないのではない
・「相性」が悪いから合格できないのではない
・「ご縁」がないから合格できないのではない

・「学力」がないから合格できないのだ
・「学力」がないから不合格になるのだ

「思考力、判断力、表現力」=「学力」なのだ。

Q:都立中に合格するにはどうしたらよいか?=都立中に不合格にならないためにはどうしたらよいか?

A:私立中入試と、何ら変わりない準備と対策をすべきだ。
A:高校入試や大学入試と、何ら変わりない準備と対策をすべきだ。

もちろん、志望校の出題傾向に沿った準備と対策が必要だ。

「学力」があれば合格できる!
「学力」があれば不合格にならない!

「しっかり準備」をすれば合格できる!
「しっかり準備」をすれば不合格にならない!

都立中に合格したければ、まずは「学力」を磨くべきだ。
都立中に落ちたくなければ、高い「学力」をつけるべきだ。

公立小学校なら、小4になるまでに、クラストップの学力をつけ、学年トップを目指せ。そして維持せよ

男女別でよい。

これができるなら、遅れずにしっかり受検対策をしろ。
受検校を間違えなければ、確実に合格できる。

これができないなら、早い段階で受検に慎重になれ。
受検校を間違えなくても、確実な合格はない。不合格になる可能性が高い。

落ちた受検生の保護者から情報を取れ。ただし「新しく」て「正確」で「客観的」な情報に限る。

不合格者と共通点が多ければ多いほど不合格確実だ

受かった受検生の保護者から情報は取るな。合格者の保護者は謙遜するから、つまり賢者は控えめに語るから、賢者は相手を気遣って語るから、そうした体験談を聞くと安心してしまい、失敗する。

受かる受検生の保護者は、他の受検生の保護者と情報交換したりしない。受検することすら人には話さない。信頼できる塾のスタッフや報告書を作成してもらう担任などにしか話さない。必要な情報は自力で入手し自分で判断できる。ママ友情報は必要ない。むしろ有害だと分かっている。

合格の仕方を分かっているのだ。

合格への道を知っているのだ。