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三田学院

[2018年2月2日]

【中学受験】フェイク

都立中入試の本番を控えた受検生宅の電話が鳴った。しかも、2件続けて電話が入った。

相手:「e〇〇ですが、都立中を受検されますか。」
母親:「はい・・。」
相手:「合格発表が出た頃に、またお電話しますので、結果を教えてください。」

相手:「z〇進学教室です。まだ都内公立中高一貫の受検に興味をお持ちですか。」
母親:「はい、受検します・・。」
相手:「後日またお電話しますので、結果を教えてください。」

受検生とは塾生のことだ。ここに通うようになる前に資料請求をした塾からの電話であった。

「どうしたら、いいのでしょうか。」

と相談を受けたために把握できた事実だ。しかも、数日前の話だ。昔話ではない。

昨年も塾生のもとに同様の電話があった。それは合格発表後であった。

相手:「〇〇〇進学会ですが、合格されましたか。」

「そっくり模試」で、たまたま一緒になった同級生宅にも問い合わせがあったらしい。その同級生の姉が受検したときにも電話があったらしい。その同級生とその姉は、ともに別の私立中学受験塾の塾生であった。

こうして、合格実績は「偽造」される。
合格実績は「ねつ造」される。
合格実績は「フェイク」される。

合格実績はなぜ「フェイク」されるのか。
「フェイク」された合格実績は何に使われるのか。

そうだったのかっ!

いまさら気がついても遅い。中学受検が終わろうとしている今になって気がついても遅い。気がついたのが遅すぎるから、思考停止するしかない。意図的に無視するしかない。そうしなければ、己の浅はかさをどうすることもできない。

フェイク・ニュース・・海の向こうの話ではない。
オレオレ詐欺・・自分は大丈夫などと思ってはいけない。

■フェイク、fake、動詞(他)・名詞
・でっち上げる
・偽造する(動)、偽造品、ニセ物(名)
・欠点を隠す
・見てくれをよくする
・手を加える

目指したのは「思考力・判断力・表現力」ではなかったのか。

アナタの判断力は本物だったか。
親子で本物の判断力を磨くつもりではなかったのか。

不安な気持ちに負けてはいけない。心のスキを見せてもいけない。粗品やプレゼントの誘惑に負けてもいけない。合格した喜びでワキが甘くなってもいけない。そこに彼らはつけこんでくる。

合格したアナタの子の名前が見知らぬ教室に張り出され、合格させてくれたわけではない塾の合格者数にカウントされるだけだ。

またしても、アナタは利用されるのだ。
そして、意図せず、フェイクの共犯者となる。

せめて最後くらいは、しかりと判断力を発揮して、毅然とした態度で対応したいものだ。

「お答えできません。失礼します。」

ガチャン!

これが正しい。