[2018年2月27日]
中学受験、高校受験、大学受験を問わず、重要なのが、算数と数学をモノにできるかどうか、ということだ。
中学受験において、成功するかどうかはのカギは、算数が握っている。
高校受験と大学受験においては、数学と英語の力で、行ける学校がほぼ決まる。
この算数と数学だが、他の教科と同じだと考えていると失敗する。勉強の仕方が根本的に違う。何が違うかというと、一回授業を受けたくらいで完璧に理解できて、どんな問題でも解けるようになる人など、ほとんどいない、という点だ。
大学受験なら、数学が本格的に得意な人でもスラスラ解けない。高校受験なら、優等生でもスラスラ解けない。中学受験なら、算数が得意なくらいではスラスラ解けない。
これを当たり前だと思って、算数と数学の攻略に取り組めるかどうかが、受験の成果を握る。
どうしたら、スラスラ解けるようになるのか。それには正しい勉強の仕方をするか否かにかかっている。
・問題を一見して分からないと、スグに諦める。スグ質問する。
・教科書、基本テキスト、問題集を一周しかしない。
・過去の学年や学期で学んだことを復習しない。
まず間違いなく、どこかの段階で、算数や数学が苦手になる。
算数・数学が得意になる『4ステップ・攻略法』をご紹介する。
ステップ1
・公式や定理は、完璧に理解し、完璧に暗記する。
・教科書に書かれていることは、隅々まで理解する。重要事項は暗記する。
ステップ2
・例題は、何度も解いて必ず正解できるようにし、最終的には暗記する。
・基本問題(基本パターン)も、何度も解いて必ず正解できるようにし、最終的には暗記する。
ステップ3
・練習問題や応用問題は、5分ほど考えても分からなければ、問題にその旨のチェックを入れて、解答解説を読みながら、理解できるところまでノートに解く。そして次の問題に進む。
・解けた問題は、その旨のチェックを入れて、次に進む。
ステップ4
・ステップ1〜3を繰り返す。
・徐々に、重点を、ステップ1から2へ、ステップ2から3へ移す。
・ステップ1〜3の繰り返しを、最低3周する。できれば5周する。それでも攻略できなければ、6周、7周と繰り返していく。
ここまでは、むやみにギブアップしない。考え抜くこと。ヤリ抜くこと。
ウチなら、授業と解説は、3回でも、5回でも、7回でも、100回でも聞けるでしょ。
簡単な単元であっても、このステップを決して崩さないこと。
学年が上がれば上がるほど、効果を発揮する。
難しくなればなるほど、効果を発揮する。
苦手であればあるほど、効果を発揮する。
なぜ、算数や数学が分からないのか?
なぜ、算数や数学が苦手になるのか?
まず、算数と数学の勉強の仕方を間違っているのが原因だ。次に、過去の学習内容をしっかり理解できていないのが原因だ。つまり、復習が足りないからだ。復習も基本的に『4ステップ・攻略法』でよい。すでに学んだ単元も、手順にのっとり効率よく復習を繰り返せ。新しい単元を攻略するより短時間で済むはずだ。復習の必要がなくなるほど完璧に仕上がったら、その単元を繰り返す頻度を下げていけばよい。
中学で数学が難しいと感じたり、苦手意識が強くなるのは、ほとんどの場合、小学算数をサボったことに原因がある。1周して終わりにしていた人に多い。1周すらしてこなかった人も多い。つまり算数や数学の勉強の仕方を間違っていることに原因がある。
高校数学も同じだ。小学校や中学校では算数と数学が得意だったのに高校でコケるのは、数学の攻略法が間違っているからだ。
これが算数と数学の攻略法だ。
算数や数学が苦手な人は、まず、ステップ1とステップ2のみを徹底的にやれ。徹底的に回せ。曖昧なところがあるなら、関連する過年度の領域も一緒にやれ。塾などで聞けば、学年を超えた学習領域の「系統図」や「系統チャート」を示してくれるはずから、その系統をたどって復習しろ。そこがスタート地点だ。
スポーツなら、準備体操と基礎トレだ。これをやらずに試合には出るな。試合になどならないし、ケガするだけだ。ワタシがコーチなら、ベンチにも入れないぞ。センスが良くてもレギュラーとして使わないぞ。
テキストや問題集を次々と新しい別のモノにしない。基本的に1冊を極める。これが重要。この点は英語も同じ。他の教科も基本は同じ。
ただし、算数と数学だけは、攻略するために必要な「ステップ数」と、繰り返す「周数」が多くなる。このことを最初に認識しておかないと、算数や数学が苦手、となってしまう。他の教科と同じだと考えてはいけない。
このため、勉強時間の多くを算数や数学に割く必要がある。算数や数学が苦手な人というのは、算数や数学の勉強時間が少なかったり、他の教科並みでしかなかったりすることが多い。勉強の仕方が間違っている。算数と数学を最優先する勉強方法を取らないと、算数や数学が得意にならないし、受験には勝てない。
算数や数学の基本テキストは、ボロボロになって買い直すくらいまで、繰り返し取り組むべし。
授業中に「青チャートを3回買い直したぞ」と毎日のように言っているのは、このことだ。
人の話は聞くべし。冗談を言っているのではない。指導しているのだぞ。
算数最優先!、数学最優先!、勉強最優先!
苦手なのではない。分からないのでもない。勉強の仕方を間違っているだけ。あるいはサボっているだけ。
質問すればデキるようになると思うのも間違い。分かるように説明してもらえばデキるようになると思うのも間違い。それは考えることから逃げているだけ。アナタが考えなければ、いつまでもデキるようにならない。
何度も何度も同じことを質問をしてくる生徒がいるが、質問したことすら忘れていることがある。質問して説明を受けてもスグに忘れる。自分でも考えていないから、自分で解けるようになろうとはしていないから、スグ忘れる。いつまでも解けない。
オリンピックのメダリストや、スポーツ・トレーナーに、どうしたら上手になれるか聞いても、聞いただけなら、アナタはメダリストにはなれない。アナタがトレーニングしなければ、アナタはメダリストになれない。コーチがあなたに代わってメダルを取ってきてくれるわけでもない。たとえ、取ってきてくれたとしても、アナタのメダルにはならない。
そもそも、苦手だとか、わからないとか言う人は、ステップ1すらデキていないことがほとんどだ。公式や定理が曖昧なのだ。これは単なる勉強不足。解けるわけがない。ステップ2もデキていないことが多い。しかも繰り返さない。早く勉強を終わらせようとしているのだろうが、中途半端に終わっているだけだ。そんなことをしていても、苦手を克服できない、分かるようになどならない、解けない。
ステップ1ができてから、ステップ2へ進むこと。ステップ2ができてからステップ3へ進むこと。最低3周すること。インチキしても算数や数学は得意にならない。
数学が得意な人ほど、繰り返しをしている「周数」が多い。本人が気がついていないまま、繰り返していることもある。自然と算数・数学が得意になって行く。
初めから算数や数学がデキる人などいない。初めから得意な人などいない。しっかりと、正しい方法で、学んだか否かの違いだ。