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三田学院

[2018年3月2日]

【学習教室】衝撃の事実

塾探しの季節となった。

この時期、小3や小4の体験が増える。

これまで、学習教室に通っていたという児童も多い。

学習教室では、ひと学年上の学習内容に進んでいるという児童が多い。というか、ほとんどだ。数学年先に進んでいるという児童もたくさんいる。

「〇も〇教室では、小4内容がそろそろ終わるところです」

と、保護者も期待を膨らませながら体験授業に臨んでくる。

ところが、とんでもないことが起こる。

在籍学年(小3)の基礎的な問題が解けない。しかも、学習教室が強みとしている「計算問題」が解けない。

「わり算のヤリ方がわからない・・。」と、『1桁の、あまりのない、わり算問題』(小3内容)を前に立ち尽くす。手が動かない。どうしていいのかわからない。

「『わる』ということは、どういうことだったかな?」
「・・・。」

児童の表情がゆがむ。保護者に助けを求める視線を送る。保護者は動揺を隠せない。空気が固まる。

いったい、どんな学習をしてきたのか?
いったい、どんな指導を受けてきたのか?
いったい、なぜ、上の学年の内容に進むことができたのか?
いったい、なぜ、今までその実態を把握できなかったのか?

もう新4年生だ。大手中学受験塾なら、本格的な受験指導を開始する時期だ。ウチでも新4年生から、中学受験や高校受験に対応する指導内容になる。

言葉がない。想定を超えていた。あまりにもひどい。

しかも、学習教室には、幾何分野(図形)が、ない。
しかも、学習教室には、確率・統計分野が、大学受験レベルにならないと、ない。

私立中入試なら、図形、場合の数は、勝敗を分ける分野だ。

都立中入試でも、図形、場合の数は、勝敗を分ける分野だ。

都立高入試でも、場合の数は大問1または大問2の頻出問題。大問4と大問5は、ともに図形だ。

いったい、何に役立つ『学習教室』なのか?

自宅で保護者がプリント指導でもした方が、よっぽど、いいのではないか。あるいは、何もしない方がよいのではないか。

とりあえず、算数の検定教科書を、スミからスミまで音読しなさい。何度も何度も音読しなさい。そして、教科書の例題と宿題ドリルを何度も何度も解きなさい。常に満点が取れるようになるまで解きなさい。そして、小1や小2の教科書も音読を繰り返しなさい。小1や小2の宿題ドリルも何度も何度も解きなさい。その必要がなくなるまでやりなさい。

それだけでよい。学習教室(計算教室)に行くよりもよい。

少なくとも、取り返しがつかなくなるリスクがない。

ほとんどの人は、これで十分。

小3までは、先取も必要ない。むしろ、しない方がよい。

もし、低学年から、しっかり知能開発したいのなら、思考力型算数と、思考力型国語をしなさい。算数の本質を理解することができ、語彙力や読解力、そして抽象的な思考の基礎を育むことができる。

ただし、教材や指導書は本屋に売っていないし、巷の大手学習教室にはノウハウすらない、教材すらない。ノウハウのある学習塾を探すしかない。しかし、学習教室のような授業料では採算がとれないどころか、実質赤字になるので、ノウハウがあっても募集や指導をしていない塾もある。

ウチも、そのクチ。

大手の学習教室が、「低品質・低価格」のサービスを売るから、そこに顧客が群がるから、そのセグメントには行きたくないのだ。低品質・低価格がスタンダードになると、その市場では高品質サービスは駆逐される。だから、いつまでも低品質のままになる。低品質であることに、みんなが気がつき、誰もがそのサービスを買わなくなるまで、その状態が続く。

もう一つ、積極的に募集していないセグメントがある。「低学力・無気力層」だ。低学力層向けのノウハウはどこよりも充実しているが、このセグメントも「低品質・低価格」の人気が根強い。低学力層の保護者と教育不熱心な保護者は、あるいは低学力層の教育不熱心な保護者と言った方がいいかもしれないが、低価格志向が強い。

こうした顧客層に低価格型サービスを提供しようとしても、学力向上ノウハウを十分に活かせない。学力は高くなくても、教育に懸ける期待が高い保護者と本気で学力を向上させたい児童生徒との組合せであれば、ノウハウが活かせる。しかも、驚異的な成果をあげることができる。

採算の取れる授業料を、みんなが納得の上で支払ってくれるなら、やってもいいかな、ってこと。

だって、採算がとれないということは、他の生徒からいただいた授業料で補填することになるでしょ。

・食事の代金の一部を、他の客に支払ってもらいながら食べる?
・見ず知らずの客の食事代金まで支払う勘定に平気でいられる?

本来、ありえないでしょ。

やっちゃ、いけないでしょ。

消費者心理を逆手にとって、「低品質・高価格」で儲けている大手塾もあるようだけど。

儲かるからドンドン店を増やす。さらに品質が下がる。料金や価格とは程遠いサービスとなっていく。

どこまで行くのか。バブル崩壊のような最終章を迎えるのか。