[2018年3月5日]
分析が好きな人向けにオマケです。
自分に都合のいいデータばかりに注目して、自分の都合のいい判断にならないようにしたいものだ。
大手中学受験塾で都立中受験指導に実績が大きい2塾の今年度実績を転記する。塾発表数字である。都立中も定員が一定ではないため、すべて160人定員に換算して比較してみる。カッコ内が換算数値だ。
日能研
小石川 23(23)
武蔵 11(15)
九段 6(12)
桜修館 10(10)
両国 7(9)
富士 6(8)
大泉 4(5)
白鴎 4(5)
早稲アカ
小石川 33(33)
白鴎 12(14)
武蔵 9(12)
大泉 9(12)
富士 9(12)
桜修館 11(11)
九段 5(10)
両国 6(8)
小計
小石川 56(56)
武蔵 20(27)
九段 11(22)
桜修館 21(21)
富士 15(20)
白鴎 16(19)
大泉 14(19)
両国 13(17)
*120人定員と80人定員は160人換算した。
*白鴎は一般枠134人を160人換算した。
小石川56が断トツであることは予想どおりであろう。続いて武蔵27、その次が九段22となる。しかし、九段以下はほとんど差がない。
つまり、難関私立中との併願が多いのは小石川と武蔵となる。難易度との相関でもフィット感がある。
SAPIXは、偏差値表に小石川と桜修館しか載せていないように、この2校以外にほとんど興味がない。これは、私立の6年一貫校を目指した指導をしているから、高校からの入学枠がある都立中や、区民枠がある九段を受験生に薦めにくいのだ。あまり詳しく書くと一部にの方に礼を欠くことになりかねないので割愛するが、よくよく考えてみていただければわかるはずだ。だから都立中の全体像をつかもうとする際にはSAPIXは使えない。
しかも、このSAPIX、成績優秀者には小石川、そうでない人には桜修館を薦める。よって、偏差値表でこの2校の差が異常なほど大きくなる。
ところで、両国と大泉は、難易度が高くても、私立難関との併願が高くないのには理由がある。誰にでも気がつく理由だから書くまでもないが、都心からやや離れ通学の便が良くなく、かつ私立中受験熱のあまり高くないエリアに立地しているからだ。そもそも私立中を併願する気がない人が多い。
両国も大泉も都立高校としては名門である。そこが中学募集を始めたから、受けてみようかという受験生が多いということだ。都立高校が中学募集しなければ、両国高校や大泉高校を受験したであろう受験生が、中学受験に動いたのであって、始めから私立中との併願は眼中にない人が多い。つまり是が非でも中学受験で成功することを目指した受験生が併願するような学校では、そもそもない。
3年後に両国高校や大泉高校に合格するであろう受験生が、3年早く入学したというのが実態に近い。
次に小石川の併願であるが、前にも書いたが、この数値はかなり怪しい。
学校側発表つまり広報部発表の数値では、概数で示すと以下のようになる。
・大手塾出身 50%
・個人塾出身 50%
さらに分解すると、
・大手私立中受験専門塾出身 25%
・大手公立中高一貫コース出身 25%
・個人塾出身 50%
つまり、繰上合格を含む約200人の小石川合格者のうち、SAPIX、日能研、四谷大塚、早稲アカなどで、合計で50人程度でなければつじつまが合わない。
もっと言うと、ENA、栄光ゼミナール、早稲田進学会、大原予備校の合格者の合計が、同じく50人程度を大きく超えるのも、おかしい。
とにかく、大手塾の公表する合格者数は信用できない。よって、大手進学塾の公表データをたよって分析してみても、実態を正確にはつかめない。
こんな調子だから、小石川以外の合格者数も信用できない。塾の公表する合格者数は信用できない。信用できないデータを使って分析しても、信用できる解析結果など得られるはずもない。
誰にでも簡単に入手できる数値に、振り回されないようにした方がよい。
そんなことでは、AIに負けるよ。
難易度なんて変動相場だから、合格後、入学後、卒業後に、一喜一憂しても、もむなしいだけ。都立中学も都立高校も、長期的には官製相場だから、もし心配なら、これらの学校を選んでおけば安心でしょ。
都立高校なら、日比谷と戸山。
都立中学なら、小石川と両国。
受験で大事なのは大学受験だから、途中の経路にこだわりすぎも、よくない。子にとってよい学校なら、この他にもある。
親の都合で受験校を決めるのはやめときなさい。
親の見栄やプライドで受験校を決めることもやめときなさい。
子に合った学校を選びなさい。
子の人生を決めかねない選択だから。
子の人生は、その子の人生なのだから。
そうすれば、入学した学校が、わが子にとって1番の学校になるでしょ。
そして、入学しなかった学校のことなんか、どうでもよくなるでしょ。
どこに入学したって、その後も頑張ればいいんですよ。
どこに入学したって、その後に頑張らなければ意味ないでしょ。
都立中のスゴイところは、小規模塾が圧倒的なシェアを持っていること。ただ大手も手を出してくることがあるので気をつけようということ。学校発表の数字の方が圧倒的に信用できるでしょ。それで商売する意図はないから。
ウチなんか、教室から毎年1人か2人しか受検しないのに、受検生がいない年もあるのに、日夜研究にいそしんでいる。割りが合わないかもしれないけど、その子にとって1番の学校かもしれないからね。やめといた方が採算が向上することはわかっているけど、たった一人でも、二人でも手塩にかけて育てるから、同じなんだね。感謝の「か」の字もない保護者も多いけど、かわいい生徒のためだからとね。せめて、保護者がその前提を覆さない限り。つまり、保護者が指導に従わないことがない限り。
都立中受検指導は、いつやめてもいい。高校受験の指導や、私立中学受験の指導だけで、十分やっていける。大学受験の指導もできるしね。ちなみにウチは高校生も多く、年々割合が増えている。ただ、都立中受検の指導法の開発がほぼ完成したので、スグにやめるつもりはない。あと数年は間違いなく続ける。でも、生徒が来ないなら、このコースは開店休業でもかまわない。その分、指導が楽になるし、なにしろ採算性が向上するから。他の分野で実績を出せばよい。これぞ、本当の『アメーバ戦略』だと思う。
前にも書いたが、都立中の受検市場は異常なほど小さい。定員が、都全体で1,500人程度、23区で1,000人程度しかない。これは私立中学受験市場の5%にも、高校受験市場の3%にも満たない。本来、単独で採算の取れる市場ではない。だから、この市場で儲けている塾があるということ自体が、いかがわしい。幻想を見せられているだけだ。催眠商法モドキに引っかかっているのだ。結果が出ないか、追加サービスを売りつけられるか、されるだけだろう。
話しは戻るが、要は、都立中だろうが、都立高だろうが、中堅校だろうが、難関校だろうが、ワタシの指導法に乗っかれるかどうかで、命運が決まるということ。乗っかれば合格できる。乗っからなければ合格はない。単純なお話し。
乗っからずに合格しようとする人が、なぜか必ずいるけど、ほぼ例外なく失敗する。乗っかれずに失敗する人もいる。本人は乗っかているつもりだと主張する人がいるけど、ワタシは乗っかっていないと必ず事前に「注意喚起」するから、忘れないように。
受講進度が遅い、課題の提出が遅れる、欠席が多い、気持ちが逃げるなどは、わかり易い兆候でしょ。「注意喚起」される前に、自覚症状があるでしょ。仏の顔も三度までじゃないけれど、ワタシが諦めたら、もう終わりでしょ。保護者が足を引っ張ってるケースがほとんどなんだけど、どうして、そんなことするんだろうね。
頑張る親子は絶対に見捨てないけどね。
乗っかろうとして頑張って、最後まで乗っかれなかった人というのは、悲しいね。スタートや決断が遅れた人に多いね。あるいは、スタート地点が低すぎた人に多いね。でも、これらも自覚症状あるよね。
自覚症状のある人は、「退塾勧告」を受ける前に、「自主退塾」されることをお勧めする。
指導に従わない人を、指導し続けることはできない。当たり前すぎるでしょ。
ところで、今年は高校受験で事前予想以上の成果が出せた。個人情報に配慮してあまり書けなかったが、「オール5」とは程遠い受験生を、しかも複数名を、難関校に合格させることができた。いくつかの地元中学では波紋を呼んでいるようだけど、内申点の大幅なハンディを完全にひっくり返して見せたからね。爽快だね。とにかく、爽快だね。
6月頃に都立中を含めて追跡調査データが揃うので、また客観的に分析してUPする。
公表できる範囲内で。