[2018年3月19日]
都立中はもちろん、難関私立中に入学すると、学ぶ数学は「体系数学」となる。
この「体系数学」、地元公立中で使用する検定教科書の弱点を研究し尽くしたうえで、効率的に中学数学を学べるように改良した、検定外教科書である。
都立中も公立学校だから、副教材として使用するという建前となっているが、実際には「体系数学」だけで授業を進め、検定教科書は使わない。
ある都立中では、中学算数は中2までで終わる。中3からは高校数学に進む。もともと中学数学を2年間のカリキュラムに再編成している「体系数学」が扱いやすい。
ただし弊害もある。一部高校数学の内容が含まれるということだ。高校受験を目指す受験生には、原則として必要のない分野だ。
大学受験で、地元公立中学に進んだ人が、都立中へ進んだ人と互角に闘うには、数学は中2までに終わらせて、中3で中学レベルの数学を完璧なレベルに磨き上げておきたい。こうしておけば、高校入学後に高校数学をロケット・スタートさせても、つまづかずについて行けるし、高3の夏には、中高一貫生に何とか追いつける。
公立中学生が、中学数学3年間分を、2年間で学び終える方法はある。しかし、この方法は、新中1までに開始しないと苦しくなる。
同じく、公立中学生が、中学英語3年間分を、2年以内で学び終える方法もある。こちらは新中1で開始する必要は必ずしもないが、逆に、もっと早い小4や新小5スタートの方が有利であり、こちらをお勧めする。教科化する小学英語をチンタラやってはいけない。一気に中学英語まで学び終える覚悟で始めるのがよい。ただし、条件がある。小学国語を同時に完璧になるように平行して進めること。国語力(母国語)が弱いと英語(外国語)も停滞するようになるからだ。意外な落とし穴がここにある。
中学に入ったら、公立中学の指導内容の弱点である、国語の知識と国文法をしっかりやっておけ。そうすれば、高校で本格化する、古典文法でも苦戦しなくて済む。その前に、自校作成都立高などの難関高校受験も楽になる。とにかく高校で進学校へ進むと勉強時間が足らないと感じるようになる。それを回避できる。
中学英語を新小5で本格的に始めることができれば、早ければ中1で中3まで終わる。英語は先取りしても、なんら支障はない。むしろ、能力に余裕があるなら、立ち止まらずにドンドン先取りした方がよい。中3のうちに、高校終了レベルまで進んでも良い。高校生活や大学受験が楽になる。なにしろ、高校数学に勉強時間をさけるようになるメリットが大きい。大学受験で数学から逃げなくて済む。つまり、文系受験生でも国立大学が狙える。私立文系大学に逃げなくて済む。これが大きい。
中学受験の塾代を節約できたつもりでも、高校受験の塾代を節約できたつもりでも、大学受験で浪人したり、私立大学へ進むと、節約できたはずの金額が吹っ飛ぶどころか、逸失利益を含むと大きな損失になる。
ケチが損をするとはこのことだ。
ということで、都立中並みのスピードで数学と英語を学び、なおかつ、高校受験で難関高校への合格を目指したい人は、遅くとも新中1から本気で始めるがよい。小学生のうちから始めると尚よい。
教育費を最小限に抑えたいなら、高校受験の道を選択し、遅くとも新小5から計画的に準備を開始することだ。都立中受検を選択するより、はるかに確実で、安上がりだ。
この観点からは、都立中受検は回り道でしかない。しかも、公立一貫コースや都立中専門塾に通ったあげく、都立中に不合格になり、地元公立中学に進むことになれば、高校受験の対策で、続く大学受験の準備で、大きな遅れを取ることになる。
都立中受験専門塾や、巷の都立中受験専門コースなどは、都立中に合格した後の学習や、不合格になった場合の高校受験や、将来の大学受験のことを、実は真剣に考えて指導などしていない。だから学力を引き上げることより、適性検査問題の解答の仕方ばかり指導することになる。儲かればいいので、儲けにならないことはしない。都立中に不合格になったら、また高校受験指導でむしり取ればよいという作戦だ。よって、将来の大学受験のことや、不合格になった場合のことも視野に入れた中学受験指導とは、根本的に違ってくる。
都立中に不合格になり、地元公立中学に進むことになったら、ワタシの指導に従って高校受験を目指しなさい。すべての遅れを帳消しにしてあげる。
中学受験をしないなら、小5から、ワタシの指導に従って高校受験を目指しなさい。どこよりも満足できる結果となるはずだ。
だだし、一つだけ条件がある。勉強最優先を親子共に実践すること。
これは『絶対条件』である。
それとも、高校受験でも失敗したい?