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三田学院

[2018年4月4日]

【中学受験】やさしい特殊算

やさしい特殊算の初稿ができあがった。

中学受験を目指す小学生が、初めて特殊算を学ぶ際の、オリジナル教材だ。解法と公式を含め、全28ページと取り組みやすい分量に仕上げた。問題数(例題数)は12問。問題よりも解答解説の比率が大きい。

しかし、今後は「類題」の追加などにより、さらに項数を増やすかもしれない。例題ごとに類題を1問2問と追加した場合、1問追加するごとに、解答解説と合わせ2ページずつ増えるので、合計ページ数は2倍、3倍となっていくことになる。また、問題の種類ごとに、簡潔な「基本説明」や「考え方」を、問題文の前に追加してもよいかと思っている。

作成に当たり注力した点を書く。

?思考力型算数や適性検査算数への対応を視野に入れた。
?狭く古い特殊算に捕らわれず、新しい出題傾向に沿った。
?直感的に本質を理解できるように工夫した。
?解答例を最大5つ用意した。
?論理的思考と試行錯誤だけで解く方法を用意した。
?表を使って解く伝統的な方法も用意した。
?線分図を使って解く伝統的な方法も用意した。
?面積図を使って解く伝統的な方法も用意した。
?特殊算公式を使って解く伝統的な方法も用意した。
?本質を理解せず形式的に解答に至らないよう、中学数学の解法は頑なに排除した。

当初予定していたのは次の2レベルであった。

・「やさしい特殊算」(3−5年生向)
・「うかる特殊算」(4−6年生向)

しかし、初稿作成途中で方針を変更し、以下のような編成を目指すことにする。「やさしい特殊算」という呼称は変更するかもしれない。

・「やさしい特殊算 レベル0(ゼロ)」(3−4年生向)
・「やさしい特殊算 レベル?」(4−5年生向)
・「やさしい特殊算 レベル?」(5−6年生向)
・「やさしい特殊算 レベル?」(本試験対策向)

今回初稿が完成したものを「やさしい特殊算 レベル?」とする予定だ。

次に、さらに易しく、わからないとは絶対に言わせない、入門バージョンとして、「やさしい特殊算 レベル0」を用意することにした。論理的思考の楽しさや考えることの喜びを味わえる教材を目指す。

「やさしい特殊算 レベル0〜?」では、私立中学の特殊算をカバーするだけでなく、思考力型算数をカバーできるものとする。さらに、適性検査算数に対応できる力も育成できるものとする。ただし特殊算以外の私国立中頻出分野は別途作成する。

しかし、「やさしい特殊算 レベル0〜?」が完成した後は、次に適性検査算数に取り組む。

・「適性検査・合格算数」(4−6年生向)

あるいは、

・「都立中・合格算数」(4−6年生向)

これもレベルをいくつかに分けるかもしれない。特殊算と重複する分野はもちろん、適性検査算数の固有の頻出分野もカバーする。

・規則性と数列
・平面図形の規則性
・立体図形の規則性
・割合とグラフ
・比と比例
・単位量当たりの大きさ
・資料解析
・確率統計
・条件整理
・推論推理

現場指導において実証実験しながら改良を加えていく。完成後は、希望者に有料配布する他、外部販売することも予定している。部数の関係で市販教材よりは高い価格設定とならざるを得ないが、どの教材よりも臨場感たっぷりで、かつ満足度の高いものとなる見込みだ。

ところで、あっちこっちの入試過去問を解いたり、参照したりしていて、改めて思った。

中学受験算数と適性検査算数の出題範囲がほぼオーバーラップしている、と。

つまり、都立中は、「小学校で習う算数」を理解できているだけでは、合格できない、と。

なぜ、塾なしで、都立中合格を目指すのか。→まず合格しない。
なぜ、小学校内容すら完璧でないのに、都立中合格を目指すのか。→まず合格しない。
なぜ、机に向かわせるためだけに、都立中受検を利用するのか。→私立中対策が向いている。
なぜ、高校受験で役に立たない適性検査問題に取り組ませるのか。→私立中対策が向いている。

ヒトは、正しいと思って、誤った判断をする。そして繰り返す。

まず、保護者のアナタが、適性検査を解けるようになりなさい。
かつ、保護者のアナタが、都立中に合格できるようになりなさい。

そうすれば、何が正しい判断か、分かるはず。
そうすれば、何をしたら良いか、分かるはず。

そうすれば、きっとアナタの子は合格できる。