[2018年4月10日]
都立中を目指す受検生が、適性検査算数を攻略する上で取り組むのに向いている、市販の参考書というか問題集が1つだけある。比較的新しく店頭に並び始めた。初版が2017年だ。
現在作成しているオリジナル教材と以下の???や?の考え方が共通している点において強く共感できる。従来の中学受験算数学習書や問題集とは根本的に違う。つまり『思考力型算数』を完全に視野に入れている。そのためなのか、?と?と?はあえて紹介していない。都立中と難関私立中を併願する人には簡単すぎるが、都立中単願の人が受験算数・受検算数に初めて触れるにはちょうど良い。
・適性検査の「じゃんけん」は、特殊算の「つるかめ算」で簡単に解ける。
・適性検査の「規則性」は、私立中入試の「数列」で簡単に解ける。
ところが「この本」は、私立中学を目指す受験生向けに書かれている(ような装丁になっている)。適性検査とか公立中高一貫などと言う言葉は、少なくとも表紙には一言もない。内容でも1問だけ、公立中高一貫の適性検査問題と称して載っているだけだ。そこが面白い。しかも、「次の言葉を全部使って○○字以内で作問しなさい」、などという問題まである。『アクティブラーニング』まで視野に入れている。
都立中に合格したければ、4教科の学力を極限まで引き上げよ、という持論とも合致している。いずれ私立中学の受験算数と、都立中の適性検査算数は、名実ともに境目がなくなると思う。見かけに騙される人には分からないだろうが、今でも実質的には境目がない。頻出分野が少し違うだけだ。
塾なしや補習塾だけで合格しようとして失敗する人は、この視点が欠落しているように思う。都立中に関して言えば、「しゅともし」なら偏差値60以上の私立中に合格できるような学力が最低でも必要である。特に算数の学力は、私立難関中学を目指す受験生と伍して闘えるレベルが必要だ。でなければ不合格になる可能性が高い。特に最近は、ほぼ例外なく落ちるようになった。次に理科だ。適性検査?でも理科が出題される学校が多い。理科もまた合否を握っているということだ。適性作文はデキて当たり前。適性作文で致命的な失点をするようなら、都立中を目指さない方がよい。
都立中受検は算数で合格が決まる。次が理科だ。適性?はデキて当たり前。
都立中受検は社会で合格は決まらない。適性?のない桜修館でも、社会だけでは無理でしょ。
もう一つ付言しておけば、『都立中は6年制の都立高校進学校』だと思った方がよい。建前とは違いバリバリの進学校である。ライバルは日比谷高校であり、開成であり、桜蔭である。思考力・分析力・表現力とは、難関大学への合格力のことだ。リーダー育成とは難関大学合格者の育成のことだ。20年前や30年前の進学校と何ら変わらない受験勉強を、合格直後の入学前の春休みの宿題から強いられる。校長以下教員は、難関大学、特に国公立大学の進学者数で評価されるので、当然そこで学ぶ生徒もそのことを覚悟しなければならない。これに違和感を感じるようなら、都立中など目指してはならない。都立中は近未来的で理想的な教育を行っている学校ではない。勘違いすると、ただただツラい6年間を送ることになる。
「この本」、私国立中を志望する、解法を覚えて答えを出す『昔ながら』の受験生が取り組むと、逆に正体不明の違和感を感じるのではないか。解法や公式は示さず、「論理」や「書出し」や「条件整理」や」「試行錯誤」によって、つまり『本質的な算数力』のみで、答えに辿り着くことを求められる構成になっているからだ。
オリジナル教材の作成方針は以下の通り。思考力算数の指導方針でもある。
?思考力型算数や適性検査算数への対応を視野に入れた。
?新しい出題傾向に沿った。
?直感的に本質を理解できるように工夫した。
?解答例を最大5つ用意した。
?論理的思考と試行錯誤だけで解く方法を用意した。
?表を使って解く伝統的な方法も用意した。
?線分図を使って解く伝統的な方法も用意した。
?面積図を使って解く伝統的な方法も用意した。
?公式を使って解く伝統的な方法も用意した。
?本質を理解せず形式的に解答に至らないよう、中学数学の解法は頑なに排除した。
指導方針や考え方を同じくする、「この本」に従って中学受験算数を学ぶと、一般に出回っている「中学受験算数」の参考書や問題集が、不必要に分かりにくい解説していることに驚くことだろう。
算数や数学は、ムダなく、最小の労力で解くのが、最も『美しい解き方』だ。そして、これこそ本来の算数や数学の姿だ。しかし、『泥臭い解き方』でも正解できてこそ、『美しい解き方』の『美しさ』が分かる。『泥臭い解き方』から『美しい解き方』までできるようになれば、算数・数学はアナタの親友になってくれる。親友は、いつもアナタを適切に助けてくれる。
さて話は戻るが、「この本」は、解き進めていくと、特殊算以外でハズしたくない分野にも、かなり似た認識をもっていることが分かる。適性検査算数に対応できる中学受験算数の参考書としては傑作だと思うが、難点は、扱われている内容が、ほぼ代数分野に限定されていることだ。思考力型幾何と思考力型確率統計が手薄だ。
これ以外におススメできるような適性検査算数の参考書や問題集はない。どういう意味かというと、ウカる人が取り組めばよりウカるようになるが、ウカりそうもない人が取り組んでもウカるようにはならない参考書や問題集ばかりだということだ。
適性検査算数の攻略法は、まだまだ開拓余地のある分野だとあらためて思う。
適性検査算数も私立中受験算数も算数であることに違いはない。ワタシが「基礎・基本」と呼ぶ「本質」においては同じなのである。しかし、この「本質」だが、中学入試に合格させることを目標としない小学校の授業では取り扱わないし、儲かることしかしないインチキ学習塾はいつものように外注するかパクるだけだろう。
全てを自作することに取り組まないから、与えられたものにしか取り組まないから、あるものにしか取り組まないから、マネることしかしないから、パクることしかしないから、「本質」にも「核心」にも迫れないのだ。
執筆中のオリジナル教材の一覧は以下の通り。
過去の入試問題を抽出した安直な解答解説集ではない。小4(一部は小3)から本格的に取組むことで、驚異的に学力を伸長させることを意図した教材である。通常の中学受験カリキュラムと併用することで、効果が期待できるように編成した。
低学力層向けの学力向上教材ではないので、学年相応の基礎学力を備えていることを前提とする。学力偏差値50、中学受験偏差値(4教科型)40を下回る場合は、一部を除き使用をお勧めしない。
通知表を換算する場合は、小3の3学期末において、「もう少し」がなく、「よくできる」が50%以上あることを対象の下限とする。ただし、この時点で、「よくできる」が、男子75%、女子85%を下回る場合は、標準通塾コマ数では学習時間不足となるため、コマ数を追加することを条件とする。
・「公立中高一貫 適性検査算数 数と計算?」(小3・小4)*低学力可。
・「公立中高一貫 適性検査算数 数と計算?」(小4・小5)
・「公立中高一貫 適性検査算数 和・差」(小4・小5)
・「公立中高一貫 適性検査算数 割合・比・グラフ」(小4・小5)
・「公立中高一貫 適性検査算数 規則性・論理・条件整理」(小4・小5)
・「公立中高一貫 適性検査算数 場合の数」(小5・小6)
・「公立中高一貫 適性検査算数 平面図形」(小5・小6)
・「公立中高一貫 適性検査算数 立体図形」(小5・小6)
・「公立中高一貫 適性検査国語 合格作文?」(小4・小5)
・「公立中高一貫 適性検査国語 合格作文?」(?修了後)
・「公立中高一貫 適性検査国語 読解と要約?」(小4・小5)
・「公立中高一貫 適性検査国語 読解と要約?」(?修了後)
・「公立中高一貫 適性検査理科 実験と観察?」(理科の小4・小5内容修了後)
・「公立中高一貫 適性検査理科 実験と観察?」(?修了後)
・「公立中高一貫 適性検査社会 資料の解析?」(社会の小4・小5内容修了後)
・「公立中高一貫 適性検査社会 資料の解析?」(?修了後)
・「公立中高一貫 適性検査対策 特別編 攻略・桜修館の作文」
・「公立中高一貫 適性検査対策 特別編 攻略・桜修館の算数」
・「公立中高一貫 適性検査対策 特別編 攻略・小石川の社会」
・「公立中高一貫 適性検査対策 特別編 攻略・小石川の算数」
・「公立中高一貫 適性検査対策 特別編 攻略・小石川の理科」
・「公立中高一貫 適性検査対策 特別編 攻略・両国の読解」
・「公立中高一貫 適性検査対策 特別編 攻略・九段?」
・「公立中高一貫 適性検査対策 特別編 攻略・九段?」
・「公立中高一貫 適性検査対策 特別編 攻略・九段?」
・「公立中高一貫 適性検査対策 特別編 両国・大泉・富士・白鴎の適性?」
・「公立中高一貫 適性検査対策 特別編 記述の奥義」
・「中学入試 やさしい特殊算 レベル0」(小3・小4)*低学力可。
・「中学入試 やさしい特殊算 レベル?」(小4・小5)*低学力可。
・「中学入試 やさしい特殊算 レベル?」(小5)
・「中学入試 やさしい特殊算 レベル?」(小5)
・「中学入試 やさしい特殊算 和と差」(小4・小5)
・「中学入試 やさしい特殊算 割合と比」(小4・小5)
・「中学入試 やさしい特殊算 速さ」(小4・小5)
・「中学入試 やさしい特殊算 規則性と推論推理」(小4・小5)
・「中学入試 計算の達人」(小3・小4・小5)*低学力可。
・「中学入試 少数・分数の達人」(小4・小5)*低学力可。
・「中学入試 割合の達人」(小4・小5)*低学力可。
・「中学入試 速さの達人」(小4・小5)
・「中学入試 図形の達人」(小4・小5)
・「中学入試 確率の達人」(小5)
・「中学入試 国文法の達人」(小4・小5)*低学力可。
・「中学入試 漢字と語彙の達人」(小4・小5)*低学力可。
以下、高校受験用オリジナル教材のリスト。
・「高校入試 日比谷への道 英語編」(中学3内容修了後)・・文法、作文、読解の分冊となる予定
・「高校入試 日比谷への道 数学編」(中学3内容修了後)・・代数、幾何、確率統計で分冊となる予定
・「高校入試 両国・白鴎・富士への道 グループ作成問題の攻略 英語編」(中学3内容修了後)
・「高校入試 両国・白鴎・富士への道 グループ作成問題の攻略 数学編」(中学3内容修了後)
・「高校入試 小山台・駒場・三田への道 偏差値65への挑戦 英語編」(中学3内容修了後)
・「高校入試 小山台・駒場・三田への道 偏差値65への挑戦 数学編」(中学3内容修了後)
・「高校入試 文京・目黒・上野への道 偏差値60への挑戦 英語編」(中学3内容修了後)
・「高校入試 文京・目黒・上野への道 偏差値60への挑戦 数学編」(中学3内容修了後)
・「高校入試 雪谷・広尾・田園調布への道 偏差値55への挑戦 英語編」(中学3内容修了後)
・「高校入試 雪谷・広尾・田園調布への道 偏差値55への挑戦 数学編」(中学3内容修了後)
以下、保護者向けのリスト。
・「都立中学入試 成功する親・失敗する親」・・保護者向け取扱説明書
・「私立中学入試 成功する親・失敗する親」・・保護者向け取扱説明書
・「高校入試 成功する親・失敗する親」・・保護者向け取扱説明書
*小4(小5)とは、当塾の中学受験用の小4(小5)カリキュラムを意味し、小学校の小4(小5)内容のことではない。
*中3内容修了後とは、当塾の中3までのカリキュラム修了後を意味する。
このオリジナル教材は、原則として、少人数の演習授業の教材として使用する。演習授業ではこの教材費込の講習料を頂戴する。ただし、毎回の演習授業時間内に学習が完了する分量のみを配布するので、シーリーズの1冊分が配布されるとは限らないことを、事前にご承知願いたい。
演習授業は不定期で開講する。授業内容により、小4と小5の混成、小5と小6の混成などで実施する。内容や日時などは、「塾生」と「事前に登録いただいた外部生」にのみ電子メールで案内する。
登録料は無料だが、登録は講習日とは別に事前に親子で行っていただく。講習料は「事前の銀行振込」に限定させていただき、「2開講日前の午前中まで」に確認できた方のみ受講できることとする。
講習に支障が出ることを防止するため、2開講日前までに「着金」が確認できない状況での受講はお断りする。金融機関に確認の上で、締切を過ぎての「着金」とならないよう注意いただきたい。締切を過ぎて「着金」した分は、次回の講習料に充当させていただく。差額で不足が生じる場合は、差額が締切日までに「着金」しないと、次回も受講できないのでご注意願いたい。
また、「教室の店頭」で有償配布も行う予定である。その場合、ノウハウ流出防止のため、身元や使用目的が確認できる方に限定することとし、通販などによる不特定多数への有償配布は行わない。不正複写防止のため、複写防止用紙を使用する。よって、複写防止用紙代を加味した価格となる。
有償配布開始となったシリーズは、順次このWebSiteにてご案内する。資料請求には対応しないので、ご遠慮願いたい。
*4月9日付の日記が長くなってしまったため、分割・加筆・修正して掲載した。