[2018年4月23日]
A:読書をすると読解力がつく。
正しいでしょうか?
B:読書をよくする人は読解力が高い。
C:読解力が高い人は読書をよくする。
正しいでしょうか?
Aと、BやCは、主張が明確に違う。
Aの文章は、2つの要素である「読書」と「読解力」に「因果関係」があると主張している。この文章では「読書」が『原因』で、「読解力」が『結果』だ。
BとCの文章は、2つの要素である「読書」と「読解力」の間に「相関関係」があると主張している。
読書をしても読解力はつかない。その証拠に、読書はよくするのだが、小学校のカラープリントテストの国語読解問題で得点できない、という相談が後を絶たない。
・いくら読書をしても、それだけでは読解力はつかない。
・読解力は、読解の仕方を学ばなければつかない。
読書は読解力のある人が行えば、より総合的な国語力を高めることができる。読解力がない人がいくら読書をしても、国語力を引き上げる効果は薄い。
・読書しなさいと言っても読書しないのは、読解力がないことが原因だ。
読解力の前提条件は、漢字力、語彙力、文法力(特に、正しい「係り受け」)、国語の教養、一般教養、国語における論理的な思考力、国語における論理的な表現力である。
前提条件が整っていない人が、いきなり読解力をつけようとしても、特に、読解力をつけようとして読書しても、また、読解力をつけようとして読解問題集を解いても、効果は薄い。
話しは長くなったが、BとCは正しく、Aは正しくない。
読書をしても、読解力はつかない。
無駄な努力をして、志望校合格を逃さないように。
国語読解問題の正解の仕方は、信頼できる塾で教えてもらいなさい。これが早道だ。学習指導要領下の国語授業では取り扱っていないし、書店にあるような国語読解のノウハウ本は、小学生には意味不明なモノがほとんどだ。
残念なことに、塾向け読解教材であっても、読解の仕方をわかり易く解説したものがない。それは、国語が得意な人はすぐに答えを見つけだせるので、「国語が苦手な人でも答えを見つけられる方法」を示せないからだ。