パソコン版を見る

三田学院

[2018年4月23日]

小石川の英語、日比谷への英語

難関高校受験用の英語オリジナル教材を作っていて、予想外の展開が起きた。

小石川に通う中2の英語の学校授業の内容が、すでに高校レベルに達していて、執筆中の「日比谷への英語」が、小石川の前期課程の中学生に、そのままでは使えないことが分かったのだ。

高校生向けの内容を指導することが必要で、中学生向けの内容を激しく逸脱している。この小石川生、成績別で振り分けられる習熟度別授業で、ハイレベルなコース(小石川では、英語も数学も、難易度が高い方をβと呼ぶ)の授業を受けている。αコースもβコースも、原則として進度に違いはない。定期的に成績で入れ替えをするから、進度は統一しておく必要があるからだが、進度は同じでも授業内容の難易度は違う。1年次は希望制だが、2年次からは成績により振り分けられる。ただ、高難易度のβに振り分けられた生徒は、受入れ余裕があれば、難易度が緩やかなαを選ぶこともできる。

この小石川の英語授業のレベルが高い。確かに、中1で中学英語の英文法を終えていたのは確認している。しかし、中2でいきなり高校英語内容にも入るとは想定していなかった。

・日比谷への英語
・都立中の英語

それぞれ、別に作るしかない、と観念した。

・都立中の英語?(中1) →中学3年間分の英語
・都立中の英語?(中2) →高校英語初級
・都立中の英語?(中3) →高校英語中級

しかし、

・日比谷への英語?(中1)→中学3年間分の英語(前編)
・日比谷への英語?(中2)→中学3年間分の英語(後編)
・日比谷への英語?(中3)→高校英語初級と実践問題、過去問

ということだ。

つまり、高校1・2年生に指導している英語を、中学生向けに作り直すということになるということだ。なかなか、おもしろそうだ。ただし、急がなくてはならない。

小石川の中2と、公立中学の中2と中3、夏以降には公立中学の中1も含めて、それぞれの反応を見ながら作成を進めていく。中3には学年トップとクラストップ、中2には英検2級に小学生で合格し準1級に挑戦中、中1には学年トップ候補(入学者代表だが定期テスト未経験)が含まれるので、幅広く反応を見ることができ、順調に進むと予想している。

もともと、中学英語も、高校英語も、学力上位者なら、それぞれ1年間分ほどの学習時間しか必要ない。つまり中高6年間分は、2年で一旦学び終えることができる。しかし数学ではそうはいかない。学力上位者でも、中学数学は2年、高校数学は数?までなら2年半が必要だ。中高6年間分は4年半かかる。灘や開成でも4年かけている。

ちなみに、小石川は、中2にして、英単語と英熟語で「センター試験レベル」の教材を渡され学習する。これも高校英語レベルだ。この次は、「国公立2次試験レベル」の英単語・熟語になるのだろう。

都立中への合格を目指す受検生は、合格後の勉強のことも覚悟しておいた方がよい。都立中への受検勉強でアップアップなようでは、都立中への入学後に、日々の学習が本格的に立ち行かなくなる。

このハイレベルな都立中の授業に、余裕をもってついていけるような人が、確実に都立中に合格できるということだ。

入学後の授業についていく自信がない人は、都立中を目指さない方がよい。都立中は、凡人が「中学生らしい生活」を送れる学校ではない。

世間一般の人がイメージする「充実した中学生活」とは、まったく違う意味での「充実した中学生活」が待っている。

都立中の授業レベルに比べれば、小学校の学習内容など超簡単なはずだ。その簡単な学習内容の評価にさえ、「よくできる」を並べることができない人は、都立中に合格することは難しい。もし仮に都立中に合格できたとしても、「苦しい中学校生活」を送ることになるのは必至だ。成績上位者の層というか壁は厚いため、蟻地獄のような学校生活となろう。

都立中へ入学する覚悟は、本当にできているのか?

都立中へ入学する覚悟ができているなら、都立中合格のための勉強など、けっして苦しくないはずだ。都立中に合格した後の勉強の方が、よっぽど大変なのだから。

覚悟がないか、中途半端な覚悟しかないなら、都立中受検は、もう一度、考え直した方がよい。

また、どうせ高校受験をすることになるのなら、小学生の時から、しっかりと、高校受験を前提にした準備を進めた方がよい。

高校受験は「適性検査」ではない。都立高校も私立高校も「学力試験」だ。そして、都立中入試以上に「報告書」が運命を決める。

高校受験は失敗できない。都立中受検に失敗した時の地元公立中学のような、セフティー・ネットはない。その過酷さを知った上で、しっかりと都立中受検についても考えるべきだ。特に、不合格の場合に地元公立中学へ進むという判断なら、よりしっかりと考えるべきだ。