[2018年5月6日]
クイズ!
Q:「普通の子は、〇〇〇に行っても、都立中に合格できない!」
〇〇〇に入る言葉を答えよ。
「普通の子」とは、「学業成績が普通の子」のこと。
「学業成績が普通の子」とは、
・女子なら、「もう少し」がなく、「よくできる」が40〜79%の子
・男子なら、「もう少し」がなく、「よくできる」が30〜69%の子
×:普通の子=「できる」が100%
平均的な公立小学校だと、「よくできる」が50%と、「できる」が50%というのが、学力的に「ちょうど真ん中」。絶対評価と相対評価を混同しないように。
もちろん、「学業成績が普通の子」にさえ満たない子は、都立中への合格など、さらに絶望的だ。
「学業成績が普通ではない子」とは、
・女子なら、「もう少し」がなく、「よくできる」が80%以上の子
・男子なら、「もう少し」がなく、「よくできる」が70%以上の子
「学業成績が普通の子」だと、○○○で、どんなに指導を受けても「適性検査の本試験レベルの問題」授業を理解できない。「適性検査類似の平易な問題」は解けることがあるかもしれないが、本試験レベルには太刀打ちできない。
□□□や△△△の助けをかりても、結果はさほど変わらない。そもそも「絶対学力」が不足しているからだ。
・「初見の問題を自力で解ける」ようでなければ、合格はない。
・「初見の問題を自力で解ける」には、『学力』が必要だ。
『学力』をつけてから、都立中の適性検査問題に挑戦すれば、「初見の問題を自力で解ける」し、解けなかった問題も、解説を見たり聞くなりすれば、次回以降に解けるようになる。
『学力』が十分でないまま、いくら都立中の適性検査問題に挑戦しても、「初見の問題を自力で解ける」頻度は低いままになるし、解けなかった問題の解説を見たり聞いたりしても、なかなか解けるようにならない。
都立中に合格したいなら、「小学校の学習内容を完璧に理解し解けるようになる」こと。そして、難関私立中学で出題されるような問題も解けるようになること。特に算数は難関私立中学の合格点を超えるようになること。次に理科と国語も超えられれば安心だ。社会は中堅私立中の問題が解ければ大丈夫だ。後は、小論文対策と記述対策で合格水準まで持っていければ合格できる。
「小学校の学習内容を完璧に理解し解けるようになる」とは、小学校のテストは毎回100点がとれるようになること。
・小学校のテストは「平均」ほぼ100点が「よくできる」
・小学校のテストは「平均」80〜94点が「できる」
・小学校のテストは「平均」80点未満だと「もう少し」
というのが目安。もちろん、テストだけで評価がつくわけではないので、小学校の説明とは一致しないかもしれない。しかし現場感覚としてはこれに近い。
実際の評価には、テストの点数だけではなく、先生の指示に従っているか、授業に参加しているか、授業の妨げになっていないか、他の生徒などへの迷惑になっていないか、積極的に挙手や発言をしているか、発言内容は適切か、ノートはしっかりとれているか、宿題や課題は毎回期日を守っているか、宿題や課題のデキは良好かなどを加味して総合評価される。しかし、「もう少し」は相当な問題がない限りつけないように、教育的な配慮がなされている。よって、平均60点や70点でも「できる」がつくこともあり得る。だからこそ「できる」に安心していてはいけない。
小学校のカラープリントテストは、内容がかなり簡単なので、小2までなら、クラスほぼ全員が100点なんてザラにある。小3や小4でも、クラスの半分以上が100点なんてザラである。小5からは毎回100点を取れる児童は、ほぼ半分を切ってくる。中学受験で成功する受験生というのは、小5でも小6でも毎回100点を取れる児童に限らる。小6だと高く見積もっても上位30%ぐらいまでだ。
都立中を含む難関私立中の場合は、小6の時点で上位10%程度に入っていないと合格は難しい。クラスで、せいぜい3番くらいまでだ。将来に、国公立大学やMARCH以上に合格できるのも、ほぼ似たような順位までだ。通知表なら「よくできる」90%(女子)から85%(男子)が目安だ。私立御三家中や都立小石川なら、これでも合格は安泰ではない。
港区隣接区のある公立小学校の小4女子の保護者が、テストは全教科ほぼ毎回90点以上ですと説明してくれたが、通知表は「できる」がほぼ100%で、「よくできる」は2個くらいしかなかった。都立中志望ということだったので、入塾はお断りするしかなかった。
ここで言いたいことは、平均90点では「できる」がついても何ら不思議ではないということだ。学力的には平均の範囲を有意に超えていないのだ。平均90点は「よくできる」訳ではないから、「よくできる」がつかないのだ。
いいですか、読み逃さないでほしい。小学校のカラープリントテストで「80点」〜「90+α点」は、中学年や高学年でも、学力的には「普通」であって、まったく「優秀」の部類には入らない。むしろ、なぜ超簡単な問題を不正解するのか、早急な原因究明が必要だ。ケアレス・ミスも、計算ミスも、ほとんどの場合は、学力不足が原因で発生する。様子を見たりせず、手遅れにならないように、すぐに適切な対策を取るべきだ。
カラープリントテストで毎回100点取れるようでないと、適性検査問題で満足な得点など期待できない。逆に、適性検査問題で的を得た解答をミスなく記述できるようになるには、カラープリントテストは毎回100点が前提となる。もちろん、カラープリントテストが毎回100点なだけでは、都立中には合格できない。
小学校のテストで「平均」80点未満は、かなり危機的な学力水準だ。小学校のやさしい授業すら、かなりいい加減にしか理解できていない。中学受験どころではない。競争のある中学校には合格できないし、高校受験でも、「実質無試験」で合格できるような、低偏差値の底辺高校にしか進めない可能性が高い。
「小学校の学習内容を完璧に理解し解けるようになる」力がつけば、自ずと「学業成績が普通でない子」の仲間に入ることができる。
・女子なら、「もう少し」がなく、「よくできる」が80%以上
・男子なら、「もう少し」がなく、「よくできる」が70%以上
確実に合格を目指すなら、この「学業成績が普通でない子」でも安心できない。都立中合格を目指しながら「難関私立にも合格できそうな子」になること。そうすれば、以下のような子になるはずだ。
・女子なら、「もう少し」がなく、「よくできる」が90%以上
・男子なら、「もう少し」がなく、「よくできる」が85%以上
しかし、これでも合格率は100%にはならない。合格率20%以上なら、なんとか期待できるという程度だ。「よくできる100%」に限りなく近い成績を小4になるまでに実現し、その後も維持した上で、油断なくしっかり受検準備をしなければ、確実な合格などない。
それでは、解答。
○○〇に入る言葉は、「大手塾」。
△△△に入る言葉は、「保護者」。
□□□に入る言葉は、「家庭教師」。
大手塾は、その『宣伝力』や『営業力』で、「学業成績が普通でない子」を多く集められるので、そうした子の絶対数の多さから、自然と合格実績も積み上げることができるのだ。
しかし、「普通の子供は『大手塾』に行っても、都立中に合格できない」。
『大手塾』から都立中に合格する子は、もともと優秀な子だけ。『大手塾』は、普通の子を合格させるつもりなどない。普通の子を合格させられなくても、合格実績を見せびらかせば、カモはいくらでも入塾してくるから、合格させる必要がない。
大手塾の合格者は、大手塾に行ったから合格できたのではない。もともと優秀だったから合格できたのだ。
普通の子は、都立中に合格したいのなら、『大手塾』に行ってはならない。普通の子が大手塾に行っても、都立中に合格できないのだから。
逆に、普通の子が、都立中に不合格になりたいなら、『大手塾』に行きなさい。確実に不合格になれる。
都立中に合格したいなら、都立中に不合格になった親子と同じことをしてはならない。
やってはいけないことは「成績が普通なのに、大手塾に行く」ということ。授業料をドブに捨てるだけになる。ただ単に学習習慣をつけるだけなら、大手塾に高額な授業料を払う必要もない。
都立中に合格できなかったのに「払ったお金はムダ遣いではなかった」と、自己暗示が必要になる。しかも、高校受験の役にも立たない。高校受験で合格実績を稼いでくれるのは、ギリギリ不合格になった、ほんの一部の生徒と、中学生になってから入塾してきた優秀な生徒だけ。都立中合格から程遠かった普通の子は、高校受験でもカモにされるだけだ。
「都立中合格の方程式」を知りたいなら、合格した人ではなく、不合格になった人から学ぶのが手っ取り早い。「都立中に不合格になる方程式」なら、嫌というほど学べる。都立中に合格したければ、「都立中に不合格になる方程式」に陥らないようにすればよいのだ。それならタダで学べて、わかり易い。しかも不合格者はたくさんいる。
「都立中合格の方程式」をタダで懇切丁寧に教える暇人などいないんじゃないかな。都立中に合格した人は、これから受検するアナタ親子のことより、わが子の「難関大学合格の方程式」に興味があるのだから。「都立中合格の方程式」を探すアナタと同じようにね。
しかも、都立中に合格する人というのは、最終的には自力で「合格の方程式」を見つけ出して実行できる人だということも、身をもって体験して分かっているから、教えてあげる必要などないと思っているんじゃないかな。余計なことをして、失礼にならないようにとね。もっと精緻な「方程式」を実行した人や実行できる人もいるかもしれないし。
そもそも、合格できない人に「都立中合格の方程式」を伝授しても、その人が合格できるようにならないということも、分かっていると思う。これも余計なことをすることになるでしょ。
そんなことを心配するより、まずは、都立中に合格できる学力をつけてあげることに執心したらどうかな。「合格の方程式」は、学力が備わった後でないと、役に立たないし、ムダになるから。
基本に立ち返って、学力をしっかり伸ばすことに専念するのが合格への近道だし王道である。基礎トレーニングができていない状態で高度な技に挑戦しても失敗するだけ。代えってケガをする危険性すらある。
いつのまにか、学力をしっかり伸ばすことに全力で取り組む塾が、巷からほとんど消えてしまった。代わりに、保育園のような大手個別指導塾や、デキる子以外をカモにする大手進学塾が大盛況だ。
表の理由は、保護者や受験生がそうした塾を選ぶからだ。裏の理由は、高度なマーケティング手法や社会心理学的手法を駆使する営利企業が学習塾業界を席巻してしまい、受験生と保護者がそうした塾を選択するように、巧妙に誘導しているからだ。
受検生である『子』の「思考力や判断力」が試される前に、受検生の『親』の「思考力や判断力」が試されているということだ。