[2018年6月13日]
夏に広がる学力格差
これ以上に明白なことはない。
・週2日、一日2コマの受講者がいたとしよう。
1ヶ月の受講コマ数は、週4コマ×4週=16コマ、年間で192コマ。
夏期講習の受講コマ数は、1日8コマ×25日=200コマで、合計200コマ
つまり、夏期講習は約1ヵ月で、「通常授業の1年間分」の授業量となる。
「なんちゃって通塾」の小学生だと、もっと激しい差となる。
・週1日、一日1コマの受講者がいたとしよう。
1ヶ月の受講コマ数は、週1コマ×4週=4コマ、年間で48コマ。
夏期講習の受講コマ数は、フル受講で1日8コマ×25日=200コマで、合計200コマ
つまり、夏期講習は約1ヵ月で、「通常授業の4年間分」の授業量となる。
夏期講習料は、一見すると高額に思えるかもしれないが、実は最も効果的な教育支出だということが理解できるだろう。ただし、法外に高額な見積もりを提示する悪徳学習塾や、効果の期待できない学習プランを提示する営利最優先学習塾は対象から除いた方がよい。
効果やクォリティーの担保されない勉強、そんな勉強は勉強とは呼ばない。ここで言う勉強時間とは、クォリティーの担保された勉強時間のことだ。小4や中1など、受験期に入っても、効果やクォリティーの担保されない勉強をしているようでは勝ち目はない。
中学受験算数を攻略するためには、必要な絶対勉強時間というものがある。多少の個人差はあれど大きくは違わない。高校受験数学を攻略するためにも、必要な絶対勉強時間というものがある。多少の個人差はあれど大きくは違わない。どの教科も、攻略に必要な絶対勉強時間というものがある。多少の個人差はあれど大きくは違わない。
効果やクォリティーの担保された、絶対勉強時間を確保しなければ、学力は向上しない。成功する者は皆、そのことを教えられなくても悟ることができる。成功する者は皆、そのことを意識せずとも実践することができる。誰よりも早く理解し、実践できた人が、勝ち残る。
夏期講習を積極的に受講するか、「つまみ食い」程度に受講するかによって、驚異的な学習量の差がでてしまう。
成功する受験生は、適切な時期から全力で受験勉強に励む。すでに勉強姿勢の確立できている受験生が、全力で取り組んでいる間に、だらしない受験勉強しかしないと、どうなるか。この差はハッキリと入試結果に表れる。合否となって表れる。勝負は何で決まるか、わかり切っている。
努力した者が報われる世界。それが受験の世界である。
言い換えれば、
努力しない者が報われることのない世界。それが受験の世界である。
これほど平等な世界は、この世にない。
平等な世界は、実は残酷な世界でもある。
つまり容赦がない。容赦すれば平等ではなくなるからだ。アナタだけを救済すれば、不公平になる。なぜワタシは救済されないのだと不満が続出することにつながる。それでは入学者選抜は機能しなくなる。入学者選抜は、公平性が担保されなければならない。努力しない人や、努力の足らない人に、門戸が開かれることはない。
成功する者は知っている。成功した者は実感している。
知らない人は、受験の世界で成功しない。実感したことがないのなら、受験の世界の真の成功者ではない。
昨年、自他ともに認める形で成功した受験生は、夏期講習も冬期講習もフル受講であった。当初の目標を余裕をもって実現した。
一方で、わずかにフル受講に及ばなかった受験生は、受験校の選定に迷走し、当初の目標とは違った、現実的な目標を実現するにとどまった。
そして、フル受講とは大きくかけ離れた取り組となった受験生は、はた目には成功したかのように見えながらも、当初の希望とは程遠い夢を実現することしかできなかった。
夏期講習が強制されていない場合、成功するか否かは、受験生親子の思考力や判断力や決断力によって決まる。おススメ通りに受講するか、間引きするか、受講しないかで、大きく成否が分かれる。そのことを、理解できるかどうか、親子の判断力が問われる。特に親の判断力が問われる。
・学力を伸ばすことができる親子なのか
それとも、
・学力を伸ばすことができない親子なのか
その違いが、はっきりするのが、期間の長い、夏休みにおける行動パターンだ。
・そもそも、模擬試験や通知表の成績が優れない子は、「勉強最優先」の姿勢ができていない。
・そもそも、模擬試験や通知表の成績が優れない子の親も、「勉強最優先」の姿勢ができていない。
学業成績向上に必要な実行力が伴っていなかったことが、これまでの最大の敗因である。そして、今後も実行できないままでいるのか、今すぐ心を入れ替えて、実行する受験生親子になるか、成功する受験生親子の仲間入りをするかどうかで、最終的な成否が決まる。
もう何度もお伝えしてきたことだが、「勉強最優先」を実行できない親子は、受験や学業の世界で成功することはない。
親子そろって、受験勉強に取り組んでいる「フリ」をしても、成功はない。
親子そろって、受験勉強に取り組んでいる「つもり」になっても、成功はない。
「勉強最優先」で受験勉強に取り組み親子というのは、全力で受験勉強に取り組む親子のことだ。
・家族旅行
・家族行事
・レジャー
・習い事
・部活動
・学校行事
・スポーツ
・スマホいじり、ゲーム遊び
・友達遊び
・親子遊び
これらは「勉強最優先」とは対極にある。勉強を基準に考えたら、どれも遊びでしょ。少なくとも学力向上には直結していないでしょ。こうした行動や行為にウツツを抜かしていては、受験で成功することはない。
本当に必要なのか?
親の都合で子を振り回していないか。親の自己満足ではないか。子の遊びではないか。子の息抜きではないか。親や子のリラクゼーションではないか。あるいは、人に誘われたか。他人のマネか。
いずれにせよ、受験勉強ではない。
・まだ小4だから、・・
・まだ小5だから、・・
・まだ小6の夏だから、・・
・入試は年明けだから、・・
・まだ小学生だから、・・
・まだ中1だから、・・
・まだ中2だから、・・
・まだ部活を引退していないから、・・
・まだ半年あるから、・・
・夏休みぐらいは、ゆっくりしたいから、・・
・夏期講習はミニマムで参加して、・・
・夏期講習は最低予算で参加して、・・
・夏期講習期間も通常授業だけに参加して、・・
「・・」には「真剣に勉強しない」や「勉強を最優先しない」が入る。
失敗する親子というのは、努力をしている「つもり」でいることが多い。ところが、その努力は、成功する親子の足もとにも及ばないどころか、平均的な受験生の努力にすら及んでいないことがほとんどだ。
夏休みの最低目標時間は次の通りだ。夏期講習時間を含む。夏期講習を受講しない場合は、全ての時間が自主学習時間となる。残念なことだが、小6や中3で、自主学習時間だけで目標時間である12時間をクリアし続けた受験生に出会ったことがない。「やるやる」と言いながら結局できなかった人しか知らない。12時間とは夏休み期間中の平均勉強時間のことだ。ある1日の1度だけのことではない。土日を含め、平均12時間だ。1日に14時間勉強した日があってもよい。
小4と中1:1日05時間
小5と中2:1日07時間
小6と中3:1日12時間
これが実行できなければ勝てない。少なくとも東京都の入試では勝てない。東京都の難関校の入試では更に勝てない。都立中もそうだ。都立高校上位校もそうだ。これより少ない努力で合格できるのは、100人に1人もいないような、天才か超秀才くらいだ。並みの秀才ではムリだ。凡人ならもっとムリだ。自他ともに認める学力自慢であっても敗北するのだから。
推奨している1日当たりの受講時間は次の通りだ。不足分は自宅学習で補うこととなる。
小4と中1:1日約4時間
小5と中2:1日約6時間
小6と中3:1日約8時間
小6と中3は、宿題や課題の量が多くなるし、小テストも頻繁に実施するので、これに加えて、家庭学習時間として4時間程度が必要になる。
これが実行できれば勝てる。今春も、これを実行できた受験生が勝利した。これにわずかに及ばなかった受験生や、時間数だけで中身の伴わなかった受験生は、目標を達成できなかったか、それなりの着地点にしか着地できなかった。明らかに下方乖離した受験生は、大幅な妥協を余儀なくされた。
小4と中1:1日05時間
小5と中2:1日07時間
小6と中3:1日12時間
誰もが容易に達成できる勉強量ではない。だからこそ、勝利できる。勝利する受験生は、これくらいやっている。しっかり受験勉強している受験生ほど、「やってない、やってない」と言いながら、やっている。実行力のある受験生と言うのは、他の受験生親子を騙すつもりは毛頭なくても、何のメリットもないし、冷やかされるだけだから、ライバルに勉強時間を過小申告する。
・やってない、やってない。
馬鹿正直に信じるのは愚者である。敗北への道が待っているだけだ。
小4と中1:1日05時間
小5と中2:1日07時間
小6と中3:1日12時間
凡人が、いきなり実行しようとしても挫折するだけだ。地道な下準備が必要である。受験学年になってからでは遅い。今すぐにでも、成功する人に近づき、できれば上回ること。これが成功の秘訣である。
中学受験なら、小4早期で、勉強最優先の生活を実現し、軌道に乗せられなければ、その後は迷走することになる。
・勉強しろと言ってもやらない
・すぐに気が散る
・机についても手元は遊びだす
・勉強から逃げることばかり考える
・勉強を終わらせる口実ばかり考える
・勉強しているフリをする
・姿は勉強していても、実は勉強していない
・勉強に内容や質が伴っていない
・非効率な勉強をする
・言い訳する
・デキない理由を探す
・諦める
ということになる。
・中学受験は、小4で決まる。
小4までに「勉強最優先」の姿勢が出来ていなければ、中学受験で大成功することはない。小5の伸び悩み、小6の失速が待っているだけだ。
・中学受験は、小4で決まる。
小4早期で「勉強最優先」の姿勢が確立している子が成功する。自ら進んで勉強できる。勉強に意味や価値を見出せる。勉強を生きる力に変えられる。勉強により夢を実現できる。
小4の夏をナメてはいけない。ここで成功すれば後が楽になる。
では、小5や小6の夏はどうか。小4で「勉強最優先」が確立できていなくても、小5や小6で目標学習量を達成できなければ、さらに事態は悪化する。たとえ小5や小6であっても、「勉強最優先」の姿勢の確立を目指し続けるしかない。苦しくても、必要な勉強量を実行するしかない。実行するうちに、少しずつ実行力は養われる。我慢して実行するしかない。そして目標実現に少しでも近づくしかない。
・実は、高校受験も、小4でほぼ決まる。
中学入学時には、埋めることができないほどに、学力差が開いている。中学入学後から高校受験を意識して準備を始めても、大逆転するのは難しい。小5までに学業で頭角を現せない子が、高校受験で大成功することは、まずない。小5までに頭角を現せなかった多くは、その後に努力しても、しかるべき学力位置に着地するしかなくなる。しかし、諦めたら、さらに悪い状況になる。完全に諦めたら、奈落の底まで落ちる。
・高校受験は、小5で決まる。
小5の学力的な立ち位置で、将来に進める高校の難易度のレンジの上限が決まるということだ。もちろん、高校受験に向けた準備は、その後も、当然に必要である。
しかし、小5で「できる100%」の子が、日比谷高校に合格することなどありえない。小5で「もう少し」があるような子が、高校受験で進学校に進むこともありえない。完全に100%ありえないとは言い切れないが、ほぼ100%ありえない。数理統計学的な誤差の範囲でしかありえない。何事にも「外れ値」はある。しかし、外れ値があるからといって、仮説が棄却されるわけではない。
・高校受験は、小5で上限が決まる。しかし、下限は決まらない。
小4や小5までに築き上げても、その後に、しかるべき努力をしなければ、いくらでも落ちる。だから、下限は決まらない。ほとんどの場合、絶対的勉強量の不足で落ちる。絶対的勉強量の不足は、甘い考えや、独りよがりな考えで起こる。指導者や先人の知恵を蔑ろにすることで起こる。
都立や、国立や、私立のトップ校を、「到達可能なレンジの上限」に捉えるためには、小5と小6の学年末の「あゆみ」で、次のような比率が目安になろう。小4まで遊びに近かった小学校の学習内容も、小5からは本格的になる。それまでは楽に「よくできる」がとれていた多くの子も、だんだんと取れなくなる。「あゆみ」での本格的な選抜は、小4の準備期間を経て、小5から始まる。都立中の多くの報告書対象学年が、小5と小6となっているのには、深い意味があるのだ。
男子:「よくできる」が約85%以上(「できる」が5個以内)、「もう少し」はなし。
女子:「よくできる」が約90%以上(「できる」が3個以内)、「もう少し」はなし。
「あゆみ」の成績は、入学した地元公立中学にも重要情報として伝達される。小5と小6の「あゆみ」の成績は、中1の1学期末の「通知表」の成績に実質的に引き継がれる。中1の1学期の「通知表」の成績が、中3の2学期に確定する、高校受験の「報告書」の成績に約80%の割合で引き継がれる。だから、小5と小6の「あゆみ」の成績で高校受験も実質的に決まる。つまり、高校受験は小5で決まる。
小学校で忘れモノをしてきた子が、急に中1で忘れ物がなくなることはない。小学校の学習内容の理解が十分でなかった子が、急に中1で理解できるようになることはない。小学校で授業態度が良くなかった子が、急に中学校で良くなることもない。
アナタの子の成長とおなじように、ライバルも成長する。だからアナタが子の成長しても、他の子も成長しているから、それだけで立ち位置が急に良くなることはない。小学校で成績が良かった子は、中学校でも良い成績がとれる。逆に、小学校の成績が良くなかった子が、突然に中学で良い成績がとれるようになることもない。
なったとすれば、ほとんどが勘違いだ。小学校の時の成績上位層がこぞって私立中学などへ抜けて、地元公立中学では、繰上で成績順位が上がる。それは成績が上がったのではない。相対的学力が向上したのでもない。そんなことは評価をつける中学教員が、百も承知している。小学校の「あゆみ」で、すべてバレる。
ほとんどの高校受験生の親子は、この実態をひっくり返せない。予定調和的に不本意な最終目的地に向かうことになる。しかし、ワタシの指導に従えば、これをひっくり返せる。ただし、指導に沿って準備を進めることが絶対条件である。ワタシの指導に従わないなら、他の塾に通っているのと大差がなくなる。つまり、塾に通わないのと大差がなくなる。
さて、この「よくできる」比率は、合格を保障できる水準ではなく、合格の可能性が有意に認められるようになる水準だ。間違えないように。下の数字をクリアしていても、しっかり準備をしなければバンバン落ちる。よって、クリアしていても安心してはいけない。この「よくできる」比率で、最低でも見込めるラインは、「平均4」だ。「平均4」なら確実に取れるであろう。もちろん「ほぼオール5」でもおかしくはないが、そういう子は、小学校では「よくできる100%」が妥当だ。いずれにせよ、中学入学後も「5」だらけになるように、継続して努力し続けることが必要だ。
男子:「よくできる」が約85%以上(「できる」が5個以内)、「もう少し」はなし。
女子:「よくできる」が約90%以上(「できる」が3個以内)、「もう少し」はなし。
都立高校進学校への合格の目安は、都立中の合格の可能性が有意となる目安によく似ている。最悪の組合せでも、女子なら「2」が1個以内、男子なら「2」が2個以内になる。「できる」が教科をまたいでバラければ「オール3」も十分にありうる。都立中入試で、この水準未満からの逆転合格を狙うには、ライバルを遥かに上回る本検査での得点力が必要となる。
それでもまだ、だらしない夏をおくるつもりなのか?
それでもまだ、だらしない夏にするつもりなのか?
・夏こそ、全力で勉学に取り組め
・夏休みこそ、全力で勉学に取り組め
・夏こそ、限界まで勉学に励め
・夏休みこそ、限界まで勉学に励め
・夏こそ、手を抜いてはいけない
・夏休みこそ、微塵も手を抜いてはいけない
さもなくば、深い落胆と、深い悲しみと、深い後悔が、待ち構えている。
アナタの、その不甲斐ない今の姿は、過去のアナタの行いが原因だ。
もう、これ以上、失敗は繰り返すな。
失敗を繰り返していると、失敗することがアナタの人生かのようになって行く。
夏に広がる学力格差
肝に銘じてこの夏に臨むがよい。そして、正しい努力をしなさい。
努力しない者が報われることはない