[2018年8月31日]
都立高校の入試は、2年前に、静かに、マークシート方式に移行した。
国語:漢字の読み書きを除き、小問1つ以外は、すべてマークシート式である。
英語:小問1つ以外は、すべてマークシート式である。
数学:作図1問と証明2問以外は、短答式かマークシート式である。
社会:小問2つを除き、すべてマークシート式である。
理科:小問1つを除き、すべてマークシート式である。
大学入試改革や公立中高一貫入試に注目が集まる中、すべての入試が記述型や論述型へと変容するかのように思われている人がいるかもしれないが、実態は違う。
一般的なイメージとは逆行するかのように、都立高校入試は、現行の「センター試験」や、かつての「共通一次試験」のような形態へと変更となった。それでも、入学者選抜は問題なく円滑に遂行されている。
ウソでしょと思われるなら、最新の都立高校入試の過去問題集を見てもらえばよい。真実を確認できる。
何度も繰り返し述べているように、大切なのは「真の学力」である。解法を習っていないから解けない、答え方を教わっていないから解けない、そんな学力のことではない。考え抜く力のことである。もちろん知識や技能も必要になる。知識や技能は、思考力や表現力の前提だからである。しかし、本物の思考力や表現力は、解法や答え方とは本質的に異なる。
入試問題の形態が、変わっても、変わらなくても、突然に「学力観」や「学力基準」が天地逆転するようなことはない。つまり、どんな時代であっても、「普遍的な学力」がなければ、話にならないのだ。
悪徳教育評論家の盛りに盛った話や、悪徳学習塾のセールストークに、踊らされてはいけないし、騙されてもいけない。
いつの時代も、手垢のついた普遍的な知恵に従うのが、正しい選択となる。よくできた話は、ほぼ詐欺だと思った方が賢明だ。
中学入試に失敗し、高校入試に失敗し、挙句に大学入試にも失敗するような愚行を犯さないことを祈る。
真の学力こそが、すべてを癒してくれる。
真の学力こそが、生きる力である。
真理は、時代が変わっても、歪むことはない。