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三田学院

[2018年9月21日]

【都立中】中入生の悲劇

ひと雨ごとに、秋が深まってゆく。
いつのまにか、夏の余韻が遠ざかってゆく。
月日は無常に流れ、あなたを待ってはくれない。

早いもので9月も下旬である。
年が明けるまでに、もう3ヵ月少々しか残っていない。

新年1月には、埼玉・千葉・茨城で中学入試が始まり、新年2月の都内中学入試へと続く。
新年1月には、私立高校と都立高校の推薦入試が行われ、2月の一般入試へと続く。

今月、親しい塾関係者らとの会合があった。
そこで、ある併設型都立中高一貫校の、高校1年生が話題になった。
その生徒は、中学入学後、巡回型で有名な大手個別指導塾に通っていた。介護型個別指導塾の1つだ。
しかし、成績は改善せず、悪化が続き、限界に達した。
高校生になって、後がなくなり、友人が指導する塾に転塾してきた。

英語がひどく苦手だ。

指導する友人が嘆いて言った。
高校(母体校)に、高校受験で合格できない程の、明らかに低い英語の学力水準だ、と。

生徒本人にも自覚がある。

高校から合流してきた「高入生」に、英語の学力で遠く及ばない。
前から薄々気がついてはいたが、「高入生」と机を並べることになって、はっきりした。

その生徒の英語力は、進学校の生徒としては壊滅的らしい。

高校受験指導も行う友人が表情を歪めながら語った。
キホンのキから指導し直さなければならない状況だ、と。
しかも、高校生に、中学英語からだ、と。

中入生の悲劇。

データ解析による推計より、深刻かもしれない。