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三田学院

[2018年9月27日]

【都立高】小学生の高校受験

高校受験の準備は小学生から計画的に始めるべきだと、以前に書いた。

私立中学受験率の高い都心地区では、小学生の受験勉強というと、中学受験しか思い浮かばない人が多いかもしれない。

しかし、日本全国を見渡せば、高校受験が圧倒的な比率を占める。首都圏でも都心へのアクセスが良好でない地域などでは、高校受験が圧倒的に主流である。都心地区であっても、高校受験をする層は約半数に及ぶ。

よって、小学生の受験勉強の本流は、高校受験の勉強なのである。

近年、公立中高一貫校の開校で、それまで中学受験をしなかった層まで中学受験市場になだれ込んだが、都立中の平均応募者倍率が6倍であることを鑑みると、その多くが「都立中単願」だとした場合、都立中受検生の6分の5、つまり都立中受検生は、その80%程度を上限として、高校受験に回る可能性があることになる。

高校受験の実態が「純然たる学力試験」であることを踏まえれば、都立中「単願」受検生もまた、小学生段階において、高校受験の可能性を強く意識した、教科の知識や技能を基礎とする、学力試験型の受験準備をすべきだということになる。

ここでも誤解のないようにお願いしたい。「知識や技能を基礎とした学力試験の準備」とは、大手私立中学受験専門塾へ通うことではない。

高校受験で進学校を目指す小学生であっても、いや、高校受験で進学校を目指す小学生だからこそ、大手私立中学受験専門塾はムダとなる。

そもそも、大手私立中学受験専門塾に通うことは、御三家レベルに合格できないような、ほとんどの私立中学受験生にとってもムダである。必要以上に難しい授業、過剰な量の宿題、尋常ではない拘束時間は、高額な授業料を正当化し、高額な授業料が故に過剰な期待を膨らませて正気を失った親を黙らせるための「厚い衣をまとった天ぷら」だからである。一口くらいなら美味しいが、食べ続けると吐き気を催し、食べ過ぎれば健康にも良くない。食事だけでなく勉強も、心や体の健康を害するようであってはならない。

さて、日比谷高校の「出題の基本方針」を確認しておこう。

『出題に当たっては、基礎的・基本的な知識及び技能の定着や、思考力、判断力、表現力をみるとともに、体験的な学習や問題解決的な学習などの成果もみることができるようにする』とある。

思考力、判断力、表現力としながらも、入試問題は純然たる「学力試験」である。市販の過去問題集で確認いただける。

思考力、判断力、表現力という言葉は、公立中高一貫校の適性検査や、新しくなるとされる大学入試の「専売特許」ではないことがわかる。

思考力、判断力、表現力とは、現在の高校入試においても試されている力であり、知識や技能を活用する「高度な学力」のことである。

高校受験の準備は中学生になってからで十分間に合うと思っている人がいるかもしれない。どこかの高校に進学できさえすればよいというのなら、間違いとは言えないだろう。

しかし、高校受験生の親子と接してきて、どこでもいいから高校に合格できればよいという人は、ほぼ皆無に近い。誰しも、少しでも評判や評価の良好な高校へ進みたいと思っている。具体的には進学校だ。世間で評価されるような大学へ進もうとするなら、ここが実質的な下限となる。それでも大学進学で夢が叶う保証はない。多くは夢破れ、いわゆる二流大学や三流大学へ進むことになる。

高校受験によって、本気で進学校を目指す人たち、つまり大学受験を意識して勉強する人たちは、だらしない小学生生活を送ったりはしない。

そうしたライバルたちと競い合いながら、確実に進学校の合格を手に入れるためには、どうしたらよいか。もう説明するまでもないであろう。

高校受験で進学校を目指すのに、中学に入ってから本格的に始めても、ハンディのあるゲームをひっくり返すような、苦しい闘いとなるのである。

苦しまず、悩まず、打ちひしがれず、活き活きと、充実した小学校生活と中学校生活を送りながら、より確実に進学校合格を実現するためには、どうしたらいいのだろう。

充実した小学校生活とは、勉強から逃げたり、受験から逃げたり、だらしなく娯楽や快楽や息抜きや遊びを追い求めたりするような生活ではないはずだ。

充実した小学校生活を送るために、必要なコトは何か。

そのために、やってはいけないコトは何か。

ココまで読んでくれた方なら、イメージできたであろう。

具体的な方策は、本気で知りたい人、つまり実行する意思のある人にだけ、お伝えしようと思う。

本気で実行する意思のない親子には、お伝えしても意味がないから。