[2018年10月29日]
2019年新春の都立高校入試を予想する。
?都立青山高校が難化し、都立戸山高校との難易度差が縮小する
?都立駒場高校が若干難化
?都立小山台高校が若干難化
?都立三田高校は昨年難化したが今年も高難易度継続
?都立向丘がやや難化
都立青山は募集を1学級減らし7学級となる。このため合格ラインが上昇する。この影響は、都立駒場と都立小山台と都立三田に及びそうだ。最も影響を受けそうなのが、渋谷ターミナル駅から至便な都立駒場ではないかと見ている。
都立三田は、昨年、1学級減になった影響で、倍率が上昇し厳しい闘いとなった。特に男子の難化が顕著であった。今年度もほぼ変わらず厳しい闘いを見込む。
都立竹早が1学級増となるが、都立北園などからの挑戦組が増えるだろうから、難易度への影響は軽微だろう。むしろ、1学級減の都立向丘から都立北園への動きが出れば、玉突きもありうる。
?都立広尾の高倍率が若干緩和か
募集が1学級増え6学級での募集となる。ただし高い人気が続いており、倍率が2倍を切るかどうかは不透明だ。
?私立学校の単願推薦や併願優遇で条件緩和が目立つ
昨年度は、私立高校の授業料無償化の影響で、偏差値50未満の都立高校で定員割れが続出した。
今年度は、この状況を知った受験生が都立回帰に動く。しかし、私立高校側は推薦や併願優遇の条件緩和により反撃するため、綱引きとなろう。
昼夜開校の都立定時制高校で、分割後期定員を分割前期定員に移す動きが見られる。分割後期の定員割れを防ぐ狙いがあると見られる。
?私立広尾学園が「本科20人」の募集を停止する。
停止した本科20人は、「医進・サイエンス」と「インターナショナル」の定員増へ割り振るため、高校募集全体の定員に変動はないが、「本科」募集がなくなるため、実質的な難化を見込む。
?日出が日本大学の準付属校となり、目黒日本大学中学高校となる。
今年度私立高校入試の最大の目玉である。人気化が予想される。日出の通信制課程も、目黒日本大学高校通信コースとなる。こちらも人気となりそうだ。
?通信制高校への進学率が上昇する。
もともと、すべての全日制高校に不合格になった受験生、不登校などから満足な内申が取れない受験生、高校中退者の受け皿など「セーフティー・ネット」の役割を果たしていたが、早い段階から通信制高校への入学を選択する受験生が増えつつある。
全日制に進んでも、後々に高校中退になるくらいなら、初めから通信制でいいのではないかという考え方もあるようだ。ただし、通信制高校を卒業できる人の割合は非常に低い。中学卒業後に、いきなり社会にでるのは事実上難しいので、先々中退になることを覚悟の上での選択かもしれない。
難関高校を目指す学力上位層は、早い段階から念入りな準備を行って厳しい闘いに挑む傾向が強まる一方で、中間層では授業料無償化でイッキに実質無試験で合格できる中堅以下の私立高校に流れ、下位層では無気力化がさらに深まっている。
「二極化」がさらに進化し、下層の「二極化」で、「三極化」となりつつある。
上層のみが上を目指し、中層と下層は自ら没落の道を選ぶ傾向にある。中層の多くは、下層予備軍とも考えられる。
高校入試は、まさに、格差社会の縮図のようだ。