[2018年11月6日]
都立中高一貫校のパイオニア「都立白鴎」が大改革に着手中だ。
昨年度入試で、適性検査?が追加されたが、これにとどまらない。入学後の内容が大改革になる。
?50分授業×6時間 → 45分授業×7時間
?土曜日開校 → 土曜日休校
??は、都立小石川とおなじになる。週当たりの授業回数は2時間増える。土曜日を原則すべて休校とすることで、自宅学習時間を確保しやすくなり、難関大学向けの塾や予備校へ通いやすくもなる。
ただし、年間18日実施されていた土曜授業は、年間16日の土曜講座となるので、塾や予備校に通っていない生徒も遊ばせはしない。
?チーム「難関大学」の創設
東大などの難関大学や医学部など、志望校別に受験生チームを作ることで、過去問対策などを共に協力し合いやすくなり、難関大学へ合格した先輩をチューターとする学習指導サポートが、さらに効率的になる。教員も志望校別の指導を行いやすくなる。ともすれば孤独になりがちな難関大学受験生を強力に支援する。
?スタンフォード大学研修
?TGG研修
?海外修学旅行の行き先を、台湾からシンガポールに変更
東京都の語学研修施設TGGでの国内語学研修に力を入れる。目玉はスタンフォード大学での海外研修である。語学研修だけでなく大学の授業にも参加する。
?高入生と高1で合流
すべての生徒を一括して大学受験指導する体制に変更する。これまで中入生と高入生は、あたかも別の白鴎生のような指導になっていたのを改める。どちらからでも等しく、難関大学が目指せる体制となる。
?女子トイレ大改修
女性校長ならではの視線が光る。予算不足からか、設備が古いだけでなく、掃除が行き届かないなどの課題を抱える都立中が多いが、つまらない不満を解消し、より学校生活を有意義に送れるようにする。
?〜?は、大改革である。進学実績の向上を狙い、かつ優秀な受検生の獲得を図るのが、おもな狙いであろう。
?の、中国語圏(マンダリン)から英語圏への変更には、グローバル教育を推進する白鴎の、明らかな意図がありそうだ。
?も、併設型の課題解消を目指した取り組みであり、すべての生徒の能力をしっかりと伸ばそうという意気込みを感じる。
?は、他の都立中や都立高も見習った方がよかろう。
白鴎幹部は、ウチの生徒を見てくれと自信を見せる。確かに、以前から好印象である。特に白鴎女子の印象は、都立中の女子の中ではトップレベルだ。
毎年毎年、学校ごとに年に複数回、多くの都立中を回ってみての個人的な感想だが、暗い雰囲気の都立中や、行儀が良くない生徒が多い都立中や、休み時間のおしゃべりの度が過ぎる都立中や、挨拶がしっかりとできない生徒が多い都立中もある。都立中ごとに、在校生の保護者の印象もかなり差がある。もちろん個々人による差も大きい。
これだけ差があると、見比べれば見比べるほど、迷われる受検生親子も多いだろう。
白鴎は、適性検査?の追加で男子の難易度が上昇したが、女子はもともと難易度が高いので、受検校選びで注意が必要だ。適性検査?の追加で、学力的にバランスの良い生徒が入学してくるようになったそうだ。
新しくなる白鴎は、これまで以上に、期待できそうだ。
1日に3回実施された学校説明会では、次の回の入場待ちの行列ができていた。事前予約はないので、早く行かないと満席になると思った親子が多かったのかもしれない。大改革は、受検生親子の心を、しっかりと掴んだようだ。