[2018年11月22日]
都立中を実質単願で受検することのデメリットは大きい。
子に、過度な制約条件下での競争を強いることになる。親の経済的な理由は、子の責任ではない。それにもかかわらず、過酷な制約条件下で、子に合格を迫ることは、本当に親の愛情なのかと、疑問に思わずにもいられない。
今回は、適性検査?と適性検査?の対策のために、私立中学入試の記述式で答える問題で力をつけることを提案する。
都立中対策だけでなく、難関私立中対策にもなるので、一石二鳥だ。
どこかの、都立中専門塾や教育評論家が喧伝するように、適性検査こそ好ましい入学試験問題で、私立中学の学力試験は好ましくない入学試験問題かのように断じるのは、かなり偏向した見方ではないかと思う。ほとんどの場合、単なる思い込みではないだろうか。あるいは、洗脳されているだけかもしれない。いや、営利目的かもしれない。
私立中学の難関校などで出題される入学試験問題を分析してみると、見かけや呼び方は違っても、多くは、実質的に問われていることや、必要な学力に、大きな違いはないことが分かる。
私立中学入試の、理科や社会の記述問題には、模範的な良問も多い。都立中の適性検査問題と、実際の中身は違わない問題も多い。
どちらも分け隔てなく取り組んでみると、私立中の記述問題か、都立中の適性検査問題かを問わず、理科分野や社会分野において、「本質的な理解」が試されていることが多いことが分かる。
国語にも言える。適性検査?の共同作成問題における、小問?と同?で出題されることが多い「要約」は、私立中学の学力試験で出題される国語の問題と見分けがつかない程に近い。
しかも、共同作成問題では、この「要約」に40点(40%)の配点がなされている。ここで得点できないと、いくら作文(60%)が得意でも、かなり厳しい闘いになる可能性がある。
算数についても、これまで何度も指摘してきたが、解答を始める前に長い文章を読まないといけないか否かの違いはあるが、結局のところ算数の力がなければ、どちらも解けないことが分かる。私立中学の入試でも、途中式や論述が採点対象になる問題は多い。短答式であっても、本質的な理解がなければ解けない問題がほとんどだ。難易度の高い私立中学の問題ほど、詰め込み学習では太刀打ちできない。
中学受験をするかしないか、親子でじっくりと話し合い、検討するのは良い。
しかし、都立中を受けたいと言えば応援するが、私立中を受けたいと言ったら難色を示すというのは、どうだろうか。それは親のエゴではないか。親が自己愛を満たすために、子に都立中の受検を迫ってはいないだろうか。
都立中か私立中かではなく、中学受験か高校受験かなら、まだ分かる。子の成長状況などによっては、高校受験を選択した方がよい場合もある。
親の経済的な事情が理由の場合、合格できる「かもしれない」という程度の見込みなら、はじめから高校受験を選択した方が禍根が残らない。
自分に都合が良い情報だけを受け入れ、自分に都合の悪い情報を拒絶する行為は、必要な情報の入手を放棄していることに等しい。それでは正しい判断はできないであろう。
拒絶するのではなく、実際に触れてみて、しっかり吟味してからから取捨選択をするのが、適切な姿勢ではないだろうか。
私立中学の記述問題にも取り組んでみよう。
悪徳学習塾や悪徳教育評論家のウソやダマシに、気づくことができる。
それよりも、都立中への合格可能性を、より高めることができるという、大きなメリットがある。