[2018年11月30日]
適性検査?の作文(小論文)について、ある大手都立中専門塾では、「卵料理」の名前を頭文字にして、語呂合わせに沿って作成すると合格できると指導されてきたようだが、近年、これが通用しなくなってきている。
都立中受検生の適性検査?対応能力が、ここにきて格段に上昇してきていることが背景にある。
ほとんどの小学生は、訓練を積まないと、合格点に達するような適性作文は書けない。しかし、まだ表現力がつたない小学生に指導するのは容易ではない。そこで「卵料理」が発案されたのだと思うが、適性検査入試が始まって10年以上が経過した今となっては、「卵料理」レベルの適性作文なら、都立中受検生は、ほぼ誰でも書けるようになってしまったのである。
そうなると、適性検査?で、合格を勝ち取るためには、さらに高度な作文が書けることが必要になる。つまり「卵料理」のような、安ホテルのバイキング料理やお子様ランチ風一品料理ではなく、「本格的なコース料理」が作れるように、一流シェフ並みに腕を磨くことが必要になったのである。
ノウハウを含む領域なので、抽象的な表現しかできないが、イギリスやフランスなどの典型的なコース料理のサーブのされ方を連想していただければよい。答案採点者は、安心して食べ進めることができ、しっかり味わって、あと味よろしく、満足して食事を終えることができる。当然に、高評価が与えられる。
大学入試の小論文の解答パターンが参考になる。それを、400字から600字程度のコンパクトなお皿の上に、しっかりと調理した上で、美しく盛りつけできなければならない。
都立中の適性検査?の指導もまた、新たなステージへと入ったのである。