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三田学院

[2019年2月14日]

12歳の春

合格者にも、不合格者にも、春は来る。

合格発表が出そろい、中学受験生としての、あわただしい日々は過ぎた。

2月03日(日):「適性検査」
2月09日(土):「合格発表」、「繰上候補者通知書」到着
2月11日(月):「祝日」
2月12日(火):「合格者入学手続締切」(正午)、「入学手続状況公表」、「繰上」の電話連絡

ほとんどの都立中学は、この日までで実質的に入学者が確定する。

入学手続状況発表時点で、入学辞退者が10名を超えたのは、小石川と桜修館のみで、10名ちょうどが大泉のみである。残りの都立中は10名未満で、多くは数名程度である。

合格発表当日に、繰上候補者には、その順番が書かれた通知が届く。

入学辞退者の中には、合格発表のその日に辞退届を提出する人もいるので、実務的には9日から繰上連絡が開始できる。

しかし、辞退者が数名程度なら、入学手続締切後の12日午後から連絡を開始しても、ほぼその日のうちに、繰上連絡が完了してしまうであろう。

例えば、両国高校附属中。今年度の入学辞退者は5名であった。男子1名、女子4名である。繰上は男女混合で行われる。

連絡すべき予定人数は、わずかに5名である。もちろん、繰上がったのに辞退する人がいる可能性はあるが、5名程度なら、1名いるか、全くいないか、くらいである。

昨年度は、辞退者7人で、繰上がったのは8位までだったようだ。繰上連絡を受けた人の中にも、1人だけ辞退者がいたことになる。繰上を辞退した人は、8人中で1人だから、12.5%である。5人なら0.6人という期待値になる。

繰上候補者で、繰上順位が辞退者数の範囲にある人は、臨戦態勢で繰上連絡を待っているだろうから、繰上予定人数が5名程度なら、繰上連絡を開始したその日に、ほぼ連絡が行き渡ってしまう。特殊な仕事などで勤務時間中に連絡が取れない人がいたとしても、夕方か夜には連絡がつくであろう。そもそも、出願書類に、連絡がつく連絡先を記入しているはずだからである。

繰上人数が5名の場合、繰上候補5番以内の候補者に、順不同で確認を取っても、事務的な問題は起こらない。繰上候補6番以下の人に、誤って繰上連絡をしなければよいだけだ。

よって、連絡がつかない人がいても、5番以内の人に次々に連絡していけば、意外と早く繰上連絡は進むはずだ。途中で繰上を辞退する人がいれば、その人数分を連絡対象に加えればよい。

ただ、繰上人数が5名程度なら、そんな工夫はせずに、順番通りに連絡がつくまで待ちながら、順に確認を進めていく手順でも、さほど時間はかからないだろう。1人数分程度で済むとしたら、順調につながれば、1時間以内で、完了する可能性さえある。

2月16日(土):「入学予定者説明会」(両国高校附属中)

この日以前までには繰上連絡が完了していると、都立中(両国高校附属中)側は事前に見越して、この説明会日程を組んでいるのであろう。よって、繰上を待つ人は、説明会前日の夕方を過ぎたら、繰上連絡が入る可能性はなくなったと、思ってもよいだろう。

2月下旬:「入学者決定事務終了通知書」が到着 (繰上がらなかった繰上候補者のみ)

ここで、全てが、正式に終わる。

不合格者も忙しい。

2月16日(土):港区立中学「入学者説明会」(一部の中学校は別日)

なんと、両国高校附属中学の「入学予定者説明会」と同一日である。

そなたの説明会会場は、そっち。
あなたの説明会会場は、あっち。 

運命の残酷さを感じる人が、いるかもしれない。

私国立中学受験組を含め、残念組は、この頃には、残念が最終的に確定する。

この時点で、小学校卒業まで、もう残り1ヵ月しかない。

4月になれば、誰もが、いずれかの中学校の中学生となる。

12歳の春は、あわただしい。

感傷に浸れる時間は短い。
成長を愛でる時間も短い。

どの道を進むことになったとしても、心をこめて祝福してあげよう。
どんな運命をたどることになっても、心から成長を祝ってあげよう。