[2019年4月2日]
春になると週刊誌などが大学合格実績を掲載する。
東京大学や京都大学、一橋大学や東京工業大学、国公立大学医学部医学科などの、「高校別合格者数ランキング」が注目されることが多いように感じられる。
いまだに合格者数は変動が続いているし、公表に踏み切っていない高校もあるようだが、一旦ここでレビューしてみることにする。
■東京大学
開成>筑波大学附属駒場>麻布>聖光学院>灘>渋谷学園幕張>桜蔭
これは違和感を感じない人が多いのではないだろうか。
■医学部医学科
巣鴨>豊島岡女子>渋谷学園幕張>灘>駒場東邦>桜蔭
これはどうだろうか。開成や麻布の名前はない。
開成や麻布は東京大学進学により強く、巣鴨や豊島岡女子は医学部医学科進学により強いと、言えるかもしれない。また、灘、渋谷学園幕張、桜蔭は、どちらにも強いと言えるかもしれない。
医学部医学科とは、私立大学の医学部医学科を含んでいるが、数十年前は裏口入学などで評判の悪かった私立大学の医学部医学科も、多くは難易度が上昇し、比較的入学難易度が低い大学でも、国立大学の一般学部並みか、それ以上にまで難化してきている。
私立大学の医学部医学科の授業料が低下してきていることも、人気や難化の原因かもしれない。
トップエンドの学力層の進む先として、最難関国立大学(一般学部)か、医学部医学科か、という2つの選択肢に、大きく分かれてきているのかもしれない。
そうなると、東京大学などの合格者数で、実力を評価するという基準では、高校の実力を正確に評価できていない可能性がある。
ある人にとっては、筑波大学附属駒場、開成、麻布が全国トップ3の高校であり、
ある人にとっては、巣鴨、豊島岡女子、渋谷学園幕張が全国トップ3の高校であり、
ある人にとっては、北野、洛南、堀川が全国トップ3の高校であるかもしれない。
今は医師不足が深刻であるが、2030年ころから緩和に向かうという予測もあるので、いつまで医学部医学科人気が続くは不透明である。歯学部に関しては、20年ほど前から歯科医師が過剰となり、人気も難易度も大幅に低下したままとなっている。
大学進学率は、全国平均で約50%になり、東京都は約70%になった。
もはや、大学卒という学歴だけでは、何も保証されない。
これからの子どもたちや若者たちは、何を目指して勉学に励んでいくのであろうか。
盲目的な価値観に従っていては未来はない。
大切なのは、常に真実に正しく向き合う勇気と姿勢ではないだろうか。