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三田学院

[2019年4月24日]

【都立中】見かけ変わらず、中身が激変した、最新の適性検査

都立中の最新の適性検査を分析していて、大いに気になったことがある。

『見かけ変わらず、中身が激変』

一言で言うと、こうなる。

一見しただけでは何も変わっていないかのように見える。しかし、解いてみると、以前とは感触が大きく違う。解いている途中で、都立中の適性検査であるということを忘れてしまいそうになりそうな、不思議な感触さえ覚えた。

これは、一部の受検生で高得点が連発されていることとも整合的である。これまで、適性検査?や?で得点率が90%を超える例は稀であった。しかし、雲行きが大きく変わった。

今回は、合格者のプロフィールが少し変わったのではないだろうかと思う。平たく言うと、前回なら合格していた人が、今回は不合格や補欠に回ったケースがかなりあるのではないだろうか。逆も然りで、前回なら合格できなかったような人が今回は合格できているというケースも有意にあるのではないか。

これが一過性のものなのか、あるいは、この傾向が次の適性検査でも継続されるのか、注意深く見守らなければなるまい。

これまで指摘してきた方向性に近づきつつあることに、不思議な違和感すら感じている。しかし、このような方向に進むことは、作問の観点からも、採点の観点からも、進学校としての入学者選抜の観点からも、必然性があると思う。

もう何度も申し上げてきたが、次のような考えを持つ親子は、今後はさらに厳しくなるのではないだろうか。

・小学校で習う範囲を超えるような出題はない。
・私立中学入試のような知識や技能は必要ない。
・答えが一つに定まらない問題が出題される。
・記述では、何かを書けば少しは点がもらえる。

・まずは、思考力や表現力の育成である。
・まずは、体験や経験の先行実施である。

・楽しく小学校生活を送れば合格できる。
・充実した小学校生活が合格につながる。
・性格によって合格に向き不向きがある。

もはや、シーラカンスか、ガラパゴスである。

無責任な教育評論家が垂れ流す意見を、自己に都合よく取り入れると、陥りやすい見解だ。

もし、この新傾向が続くならば、都立中に限定して言えば、今まで通りの都立中受検対策「通信教育教材」や、今まで通りの都立中受検対策「塾教材」は、かなりの部分が、より一層「的外れ、不要、非効率」となる。

数年後に遅れて大幅改定になるモノがでてくるかもしれない。しかし、その頃にはまた傾向が変わっている可能性がある。よって、適性検査対策教材に頼って都立中への合格を目指すのは、これまで以上にリスクがあることになる。

次の都立中入試は、いつも以上に、警戒しなければなるまい。