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三田学院

[2019年7月1日]

【都立中】併願−大妻中野、その2

注目を集める大妻中野の第2弾である。

「4科入試」と「2科入試」が主力だが、「算数入試」(2月2日)と「思考力入試」(2月4日)も選べる。「帰国子女入試」や「英語入試」もある。つまり、ほぼ何でもある。思考力入試は適性検査型入試に似ているが、「適性?」は私立型の算数入試とおなじ出題傾向になる。「適性?」は600字の作文で、「適性?」が国語・理科・社会の合科型となる。、「算数入試」と「思考力入試」が選べることが、併願候補の理由の一つだ。もちろん4科や2科で受験しても良い。

2月6日までに延納手続きをすれば、2月9日午前11時まで手続きを待ってくれる。つまり、都立中の合格発表直後まで入学手続きの必要はなく、入学金を捨てることはない。これが併願候補の理由のもう一つである。「繰上候補者」になるかもしれない場合は、入学金を納めて合格を留保するか、期日切れで権利放棄するかの判断を迫られることになるが、9日11時の時点では、「繰上候補者」なのかどうか、繰り上がるかどうかが不明であろうから、正規合格でない限り、この時点で入学手続きするしかないだろう。

また、入試成績上位者には特待制度がある。授業料が全額免除される。どこまで無料になるか詳細は、個別相談などで確認されたい。教育費用を抑えたい考えのご家庭にとって、有力な併願理由の一つとなるのではないだろうか。

都内の女子校としては、頌栄女子学院に次いで、帰国子女の人数が多い。また、在学中に海外交換留学(1年)する生徒が年間40人もいる。帰国子女を中心とした選択制のグローバルリーダース・クラス1クラスを含む6クラス制である。国際教育の充実度をアピールしている。人気の理由の一つである。

校舎は新しく清潔で機能的だが、プールと食堂・カフェテリアがない。水泳部はなく、弁当持参が原則となる。しかし、配達弁当をたのむことができる他、軽食の販売もあるので、昼食を取れないかと心配する必要はない。むしろプールがないことの方が重要な判断項目かもしれない。

最新鋭の校舎は、空調完備のため、基本的に窓が開かない。そこがちょっと息苦しく、空調の行き届かない廊下や階段は、場所によっては快適ではない。インテリジェント・オフィスビルで授業を受けているような感覚である。これは、最新鋭の校舎を誇る他の私立学校にも共通して言える。

設備は最低限に抑えられ、掃除が行き届いていない校舎が多い都立学校よりは良いのかもしれない。とにかく掃除が行き届いていることは、多くの私立学校に共通している。もちろん、中には、男子校などで、私立にしては掃除が不十分な学校もある。それでも、都立中学や都立高校より、断然清潔な学校がほとんどである。

パンフレットには、JR中野駅から徒歩10分とあるが、電車を降りてから校門をくぐるまで、約20分を見ておいた方がよかろう。この駅からの徒歩距離が難点の一つである。

大妻女子大学への合格を留保して、他大学を受験できるので、安心感を感じる人も多いであろう。人気の一つの理由である。学校も積極的に利用するよう勧めている。

都立中への本気の合格を目指すなら、ここは「安全校」として、余裕で合格できるレベルまでに仕上げて入試シーズンを迎えたい。できることなら「特待合格」をいただいて、都立中の合格発表を待ちたいところだ。

特待を狙うなら、「思考力入試」だけでなく、というより「思考力入試」より、「4科入試」と「算数入試」をお勧めする。より特待を取りやすいであろう。「2科入試」は引き止めはしないがお勧めもしない。理由は複雑な合格判定方法にある。

難易度中位以下の都立中の併願校として、いかがだろうか。

「特待」が取れなかったら、気持ちをスッキリと整理して、地元公立中からやり直せばよかろう。