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三田学院

[2019年8月14日]

【都立中】新戦略で難関中学に併願合格

思考力・判断力・表現力を、公立中高一貫校の専売特許かのように思い込んでいる人が未だに多い。

しかし、もともとは、バリバリの学力試験を実施する、都立高校の自校作成問題校である「日比谷高校」などの専売特許だと思っていただくのが正確だ。「日比谷高校」は、都立の中高一貫校が誕生する前から存在する。

日比谷高校のホームページにある「出題の基本方針」には次のように書かれている。

「出題に当たっては、基礎的・基本的な知識及び技能の定着や、思考力、判断力、表現力などをみる とともに、体験的な学習や問題解決的な学習などの成果もみることができるようにする。」

このことは以前にも指摘したことだが、日比谷高校の入試問題と照らし合わせて検証すれば、思考力、判断力、表現力とは、学力以外の何物でもないことが分かる。

今回、改めて何を言わんとするかだが、この本来の意味での「思考力、判断力、表現力」を育成することで、学力試験を実施する難関校を攻略する新戦略を構築したいということである。

ここで誤解しないでいただきたいのは、適性検査型入試おままごと攻略法を、学力試験型入試攻略に、援用しようというものではない。どこかの大手塾が標榜しているような「適性算数」で「学力試験型算数」を攻略することなどできるはずもなく、これは、この大手塾が、全身の学習塾時代から継続して、長年に渡り、学力試験型の難関私立中学入試で、惨敗し続けていることが、証明していることであり、そのような戦略を取るつもりは毛頭ない。根本的に考え方が違う。

学力の神髄をなすのは「基礎基本や原理原則」の正確で確実な修得である。

では、学力試験型入試の受験指導を行う大手塾が、この基礎基本や原理原則の修得指導に長けているかというと、これもまたはなはだ怪しい。

このことは、大手私立中受験指導塾からの転塾生たちが、意図せず証明してくれていることである。難問が解けることがある一方で、基本問題が解けない、基本問題が分からないという、目を疑うような事が、大手私立中受験指導塾からの転塾生に、共通してみられる事象であることも、確認している。よって、大手私立中受験指導塾の指導法は、目標にも参考にもならない。

では、「思考力、判断力、表現力」を育成することで、学力試験を実施する難関校を攻略する新戦略とは何か。

詳細を書くと、真似されたり流用されたりするリスクがあるので、概要の概要のみを書くに留めるが、本当の意味での、「思考力、判断力、表現力」を磨く指導を強化するということである。部外者には意味不明だろうが、現行の「Cシリーズ」と「Bシリーズ」のさらなる改良充実版と考えていただいて大きな間違いはない。

「Cシリーズ」も「Bシリーズ」も、元々は都立中学への合格をより確実にする目的で企画したものだった。それに改良を加えて、さらに充実させて、難関私立中学の合格にも併用する。これにより、都立中と難関私立中の併願合格がより高い精度で狙えるようになることを企図している。

もちろん、他者や他社が、これを真似したり流用しようとしても、内容の詳細が分からなければ、表面上の真似や流用にしかならないだろうから、さほど心配はしていない。

すでに、現小6中学受験生の一部で実証実験中である。現小5中学受験生から、さらに対象を広げて検証を続け、現小4から本格的に導入するかどうかの判断をしたい。

メリットは以下の通りだ。

?崩れない盤石な学力を育成できる。
?入試形式によらず合格を目指せる。
?過度な学習の負担から解放される。

つまり、学力試験型にも適性検査型にも対応した、中学受験対策のことである。

学力試験型で準備をしてきた受験生が、適性検査型にも実質的に対応しようとすると負担が大きい。一方で、適性検査型で準備してきた受検生が、学力試験型にも実質的に対応しようとしても負担が大きい。往々にして、どちらかが中途半端になり、目標を達成できない。

この新戦略が、向こう数年間の受験指導における、新目標となろう。

・基礎的・基本的な「知識及び技能」の定着(注1)
「思考力、判断力、表現力」(注2)
・体験的な「学習」の成果(注3)
・問題解決的な「学習」の成果(注4)

注1)求められているのは完璧な定着である。
注2)知識及び技能のハイレベルな運用力や活用力のことである。
注3)単なる体験経験ではなく「学習」が主体である。
注4)単なる問題解決ではなく「学習」が主体である。

これこそが「真の学力」なのだから。
大切なのは「真の学力」なのだから。