[2019年11月6日]
入試シーズン開幕まで、実質2ヵ月を切った。
でも、その前に、実は、公立中高一貫の闘いはスタートする。
全国の公立中高一貫校の早い学校では、今月11月に入試が行われる。
もちろん、この公立中高一貫校は、都内在住者の子弟も受検可能だ。入学も卒業も可能だ。
つまり、都内在住者の子弟であっても、公立中高一貫校を、複数校、併願受検できるということだ。
ほとんどの大手塾はなぜかこのことを案内したがらない。特に、一般入試で2校以上を受験できることを黙っている。もしかしたら、誰もが知る都内の公立中高一貫校だけを受検させて、多数の不合格者を教室で囲い込み、高校受験指導でも授業料を巻き上げようと企んでいるからかもしれない。
さて、都立の中高一貫校では、12月に入ってすぐに報告書の作成を依頼し、1月初には出願受理が締め切られるので、12月の段階で志望校を確定させなければならない。ということは、勝算が見込めないまま「特攻」をかけるような親子は例外として、都立中に合格するためには、11月の終わりか12月の初めには、どの都立中なら合格できるか、目星がついていないといけない。
この時点で、未だに塾や自宅での、制限時間を守った本番さながらの過去問演習で、合格最低点ラインを越えられない受検生の合格可能性は、厳しいと言わざるを得ない。
本番では予行練習通りに解けるとは限らない。本番独特の張りつめた空気感、慣れた自宅や塾教室とは違ってリラックスしづらい試験会場、今日この場この時間で合否が決まるという極度の緊張感がある。本番では過去問演習で取れた点数を5%から10%下回るリスクがあることも、事前に覚悟しておいた方がよい。
これは中学受験に限らない。大学入試のセンター試験でも起こることだ。ほとんどの大学受験生が、本番直後の自己採点で、事前に得点できると踏んでいた点数を有意に下回り、二次試験の出願を前に受験校の下方修正を余儀なくされる。つまり、大多数が当初の志望校には合格できなくなるということだ。
過去問演習での得点結果は「1割引」して認識しておいた方が安全だ。これは、私立中学入試でも、国立大学附属中入試でも言える。
合格者最低点や合格者平均点が公表されている私立中学を受験する場合、合格者平均点を上回ることを過去問演習の目標にするとよい。合格者最低点を目標にしていたら、惜しいところで残念な結末を迎えるリスクが高くなる。
現小5も、本番まで、まだ1年以上あるなどと思わない方がよい。むしろ、新小6の自覚を持った方がよい。
現小4も、本番まで、まだ2年以上あるなどと思わない方がよい。むしろ、新小5の自覚を持った方がよい。
稽古不足を、幕は待たない。
小6の秋、10月までには、志望校の過去問で、イッパツ合格できることを、小4や小5の今から目標としなさい。
残り期間は、本番に向けて粛々と最終調整する期間と心得なさい。
心配しなくてもよい。11月に入ったら、もうすぐそこに「本番」が迫り、アッと言う間に「合格発表待ち」の状態になるのだから、早めに仕上げても、時間を弄ぶことはない。むしろ、より確実に合格を引き寄せられる。