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三田学院

[2019年11月29日]

【都立中】追い込めるのは学力試験型私立中入試

もう最終回を残すのみとなった模擬試験で、都立中第一志望組の成績が、想定通りの仕上がりで推移していて、本番を直前に控え、やっと少しは安堵できるようになった。

試験問題の性質上、最後の追い込みをかけることが可能な学力試験型の私立中受験とは違い、適性検査型の都立中受検は、もはやここから合格の可能性を有意に引き上げることは難しい。むしろ、都立中受検では、この時期になると、合格する受検生と合格できない受験生の違いが、より鮮明になっていくだけである。

直近の模擬試験の模試内成績順位で、第一志望校の男女総合順位が2位で男女別順位が1位だった受検生は、第二志望校では総合と男女別ともに1位だったが、模擬試験のさなか、周りの生徒が解けていないことを、空気感でハッキリと感じ取れたと報告してくれた。

もちろんカンニングなどしていない。むしろ周りの受検生がのぞき込んでくると不満を漏らしていた。そうではなく、おなじ試験問題を解いているから、筆を運ぶ音や、問題用紙をめくる音で、ライバルの状況を冷静に把握できたということだ。

小石川に合格した塾生が、本番の適性検査会場で、周りの受検生徒が解けていないことをハッキリと感じ取れ、適性?が終わった時点で勝てると思い、適性?が終わった時点で勝てたと感じ取り、適性検査?が終わった時点で合格を確信したと語ってくれたことを、昨日のように思い出す。

試験中であっても冷静かつ客観的に自己と他者を分析できた受検生は合格できる。試験後しばらくして、試験問題とどのように格闘したかを、時間を含め鮮明に覚えていることが多い。

学力試験型私立は、知識重視のAタイプ校だけでなく、記述が含まれるBタイプ校でも、まだ追い込める可能性は残る。ただし、それができるのは、目標に向かって完全にロック・オンできていて、能力にまだ余裕が残っている数少ない受験生に限られる。もちろん、追い込めるとは言っても大幅には追い込めない。いくらか可能性を引上げられる程度だ。

解法を理解し覚えることで得点できる学力試験型私立と大きく違い、解法では解きにくく工夫されている適性検査では、試行錯誤する力、負荷の大きい作業遂行力、正確なシミュレーション力、的確な洞察力が、高いレベルで必要であり、一朝一夕では身につけられない。

学力試験にせよ適性検査にせよ、受験対策の前半で絶対的に身につける必要があるは受験学力である。受験学力が不十分だと、新小6からの総仕上げが上手く行かない。基礎基本とその応用力がしっかりし身についていない受験生や受検生は、暴風雨の中で操舵不能になった船のような、破滅的状況に陥ってしまう。もはや、航海を止めて港に戻ることも、目的地へむけて進むことも、ままならなくなる。進むも地獄、下がるも地獄だ。脳裏をよぎるのは、遭難した自分の姿であろう。もはや冷静な判断力さえ維持できなくなる。

都立中を目指す受検生は、遅くとも11月末までに、偏差値や順位で、合格確実圏を確実に維持できるように準備を進めるべきだ。この時期までに、初見の過去問も一発で合格できるようになっておくべきだ。12月と1月は、より安定的に、より高得点を取れるようにして、合格をより確実にするための時間しかない。

12月と1月は、アッと言う間に過ぎ去る。

12月は、出願準備や手続だけで、アッと言う間に過ぎる。
01月は、埼玉千葉入試だけで、アッと言う間に過ぎる。

合格発表の日にいる自分に会えるのは、もうすぐだ。

最後まで全力で駆け抜けること。
ゴール直前で力を抜かないこと。

大健闘を祈る。

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