[2020年1月17日]
首都圏の中学入試は、序盤戦がほぼ終了し、まもなく中盤戦に突入する。
埼玉校入試では、栄東中学と開智中学の合格が取れ、幸先が良いスタートが切れた。
それぞれの合格者は別々の受験生である。平たく言えば、栄東と開智を併願した塾生はいなかったということだ。この二校の併願を勧めなかったのには理由がある。それは、厳しい闘いで合格を勝ち取るための鉄則でもある。
2月の東京決戦とは違い、1月戦は正月明け早々から1月末近くまで、約1ヶ月間ダラダラと続くから、前半戦で1〜2校を、中後半戦で1〜2校を、少し日を空けて受験するのが最適であろう。
これは、4教科型の私国立型受験生に限定される併願パターンではない。適性検査型の都公立中高一貫受験生も、この受験スケジュールで臨むことをお勧めする。
ほとんどの学校がWEB出願になったので、機動的に動けるようになったことも幸いしている。心がけたいのは、あまり欲張って難易度の高い学校の合格を追いかけないことだ。それよりも、2月の本命校の出題傾向や難易度に近い学校で合格を取っておきたい。
ただし、適性検査型入試を行う埼玉千葉校で、都公立中高一貫校並みの難易度の学校がほとんどない。これは適性検査型入試を行う東京神奈川校にも言えることで、都公立中高一貫校が本命の受験生は、そのことを前提に併願戦略を組むしかない。
毎年、最新の最適併願パターンをご提案しているが、そのパターンを取り入れられるかは、受験生親子のご判断に委ねられる。しかし、本命校合格へより近づくことだけを考えてご提案しているということはご理解いただければと思う。
先入観や固定観念などの虜にならないことをお勧めする。また、営利目的の雑誌や教育評論家や大手塾はもちろん、無責任でバイアスだらけのママパパ友や世間の意見に振り回されないようお勧めする。最適な戦略は、それぞれの受験生親子、それぞれに違う。
兎にも角にも、日程的に貴重な東京入試日程に入ってから、初めて適性検査型入試校をお試し受験するようなことは、お勧めしない。そんなことをするくらいなら、そうした学校の過去問を、事前に、本番さながらの時間や時間帯で、演習すれば済むことだ。入試料も必要ない。
むしろ、1月の早い時期に、本命校とおなじような難易度の中学に、本気の勝負で合格しておくことに意味がある。
それはさておき、まずは塾生の健闘を心より讃えたい。
合格おめでとう!
これまで取り組んできた指導が、偏差値70前後(しゅともし)に通用するということを、改めて確認できたことは大きい。
失敗から学ぶことは多いが、成功から学ぶことも多いと感じる。
ここで学んだことを、今年度の中盤戦以降の入試に活かすことはもちろん、来年度以降の受験指導にも活かしていきたい。
都内の受験生にとって、これからが本当の正念場となる。
成功に慢心せず、心を引き締めて、中盤戦にそして最終決戦の東京入試に、臨んでもらいたい。