[2020年1月23日]
中学入試は、12月入試が終わり、1月入試もほぼ終わりかけている。
このタイミングで、いまさら、練習校について書くのかと思われる方もいらっしゃるかもしれない。
しかし、今だからこそ書いておく意義があると考えている。読んでいただきたいのは、小5以下の親子だからだ。小6は実質的に中学入試は終わっている。あとは儀式のごとく入試会場に向かい、合否結果を受け取るだけだ。
都内の受検生親子で、埼玉校や千葉校や地方の東京入試校が第一志望校という人は多くはないであろう。それが理由なのか、特に公立中高一貫校が第一志望という受検生親子に、埼玉や千葉で練習校受験する意義を十分に理解されていない方をお見受けする。中には、全く検討しようとしない方もいる。スルーである。別の言い方をすれば思考停止かもしれない。
ところが、1月までの練習校を上手に利用することで、本命校受検までの直前期が引き締まり、本命校の合格がより確実になる。
では、どの学校で練習したら良いのか。
この命題は、2月の東京入試の併願プランを組み上げるより難しいかもしれない。
以前は、適性検査入試を実施する超安全校をご紹介していた。しかし、練習した受検生への効果を検証し続けたところ、その学校で練習する効果がないどころか、ネガティブな効果があることが分かってきたので、もうご紹介もおススメもしないことにした。実学校名を上げると、何かと問題が起こるので、ここでは伏せる。
しゅともし偏差値が50未満の中堅校である。高校入試ではそれなりの難易度にはなるが、中学入試は実質全入だ。よって、よほどでない限り不合格にならない。特待も簡単に取れる。しかも、特待が取れただけでは都立中に合格できない。よって受験する意味がない。他の学校で練習した方が良い。
では、どの学校で練習したら良いのか。
受験生の実力や、本戦の併願パターンによって、最適な練習校の候補は違ってくる。しかし、候補はさほど多くはない。上に書いたように、ほとんどの学校は、練習校として、ふさわしくない。
都立中の難易度は、合格を狙うなら「しゅともし偏差値」で少なくとも55以上は必要である。60超えが現実的だ。確実に合格を狙うなら、65程度以上は欲しい。上位校だと70越えでも危ない。
となると、偏差値表を見てもらえば分かるように、候補はかなり限られてくる。しかも、4教科入試しか行わない学校ばかりだ。学力試験型入試といっても、新タイプよりと、旧タイプよりに分かれる。これらを、本命併願プランに合わせて調合すればよい。
入試問題や、入試日程や、入試難易度などから、いくつかの最適な練習校プランがある。
強気の受検生親子と弱気の受検生親子と中立の受検生親子がいらっしゃることも承知している。もちろん受検生のメンタル面の違いも考慮しなければならない。
練習校は不合格になるような学校を選んではいけないと考えている親子も多いかもしれない。しかし、適切な「練習校併願プラン」で臨むのであれば、本気のチェレンジ校レベルも1〜2校加えておいて良い。主力は、最適校と安全校となる。都立中を想定した最適校と安全校だから、最適校は偏差値63〜70が、安全校は偏差値55〜62が、目安となる。
練習校を不合格になっても実質的に影響がないという理由ではない。チャレンジ校も必死に食い下がるように受験することで、得られることが多いからだ。
これにより、大きく成長し、ぐっと逞しくなり、合格力が格段に上がる。
1月に最優先で取り組むべきことは、適切な練習校受験である。
2月に入って東京日程で練習校を受験しても、本番は2月3日なのだから、残り時間が少なすぎる。また、適切な練習校もほとんどない。そんな時間があるなら、本命校の過去問を解き直した方が良い。抑え校として受験するなら意味はあるだろうが、抑え校と練習校は違う。