[2020年2月19日]
極寒の季節はいつしか過ぎ去り、まだ肌寒いながらも、春の陽射しを感じることができる頃となった。
年が明け、中学受験の埼玉入試が解禁となった1月早々から、多くの受験生親子のように、極度の緊張を迫られる日々が続いたことが、まるで別世界の出来事のことだったかのように感じられる。
今年の中学入試で幸運だったことは、公立中高一貫校を受検した塾生と、国立大学附属中学校を受験した塾生、その全員が、公立中高一貫校や国立大学附属中学校に合格できたということだ。
私立中学入試でも輝かしい成果が上がった。すべての塾生が、最難関あるいは最難関に迫るレベルの難易度の私立中学校から、合格の報を受け取ることができた。
複数の合格を受け取って、家族会議や親子会議で、迷いに迷ったというお知らせをいただいている。
入学辞退した学校の教頭先生や校長先生から、引き止めの連絡が入った塾生も複数いる。
もう一つ嬉しいことがある。
中学入試を終えた塾生は、遠方の中学に入学する塾生を除き、引き続き通塾を継続してくれることだ。
指導に対する信頼の証しであることを願う。
不合格になった人が残ったのではない。
合格した人が、残ってくれたのである。
不合格を承知で、小学生を入塾させているのではないことが、お分かりいただけるであろう。
不合格を承知で募集し、総額で高額な授業料を提示するような塾を、なぜ高評価するのだろうか。
しかし、合格した人の実質全員が残ってくれたことで、新年度生の募集計画を大幅に見直さなければならなくなった。
入試シーズン突入前も、ほぼ空席がなかった。AO入試で早々に大学進学を決めた高校生が寿退塾された席しか空いていなかった。その分も、通塾コマ数を増やした塾生でほぼ消えてしまっていた。
体験授業をご希望される新入塾希望者のご案内が、例年になく順調に進まないのはこのためだ。わかり易く言えば、体験授業に使える席と、お試し通塾に使える席が、極めて限られているという状況だ。
パズルのような日程調整をしながら、できるだけ早くご案内できるようにしたいと、日々努めている。
繰り返しになるが、公立中高一貫校を受検した塾生と、国立大学附属中学校を受験した塾生、その全員が、公立中高一貫校や国立大学附属中学校に合格できたことは、なにより嬉しい。
全員合格である。
30人受けて3人合格ではない。それは27人不合格を意味する。
40人受けて4人合格ではない。それは36人不合格を意味する。
20人受けて0人合格ではない。それは全員が不合格を意味する。
それでも大盛況の大手塾があるらしい。
そうした塾とは、一緒にしないでほしい。
そうした塾と一緒に検討しないでほしい。
大手に毒された人からの質問に、異星人から質問されているかのような違和感を感じることがある。
カリキュラムや教材が、決め手なのではない。
下手な剣士に、いくら上等な太刀を持たせても、勝てはしない。
優れた剣士なら、粗末な太刀でも、素晴らしい立ち合いをする。
上等な太刀を手に入れることが、目的なのか。
優れた剣士になることが、目的ではないのか。