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三田学院

[2020年6月24日]

【高校受験】コロナの影響(受験対策編)

外出自粛は、自宅学習の自粛を要請するものではなかった。
臨時休校は、受験勉強の休止を要請するものではなかった。

それなのに、自宅学習まで自粛してしまった人がいる。
それなのに、受験勉強まで休止してしまった人がいる。

そうした受験生が、失ったモノは、大きい。

しかも、今年の夏季休業は短い。
しかも、今年の夏期講習は短い。

さらに、今年の冬期休業も短い。
さらに、今年の冬期講習も短い。

学校休業期間の長期化で、夏休みや冬休みが、実質的にこの期間に移動したのだということを、正しく理解できなかった人がいる。正しく理解したがらなかった人もいる。

3月、4月、5月と6月前半は、学校授業も学校行事も部活動も、ほぼなかった。

本気で難関高校への合格を目指す受験生なら、この間に、例年の夏休み2回分の受験勉強時間を達成したはずだ。

失われた受験勉強時間数は、最大で、1,500時間以上、の計算になる。

運動系部活動に所属していた高校受験生も、中2の2月末で実質的に早々と引退に追い込まれたから、運動系部活動に所属していた高校受験生の本格的な受験勉強参入時期が、例年の中3の6月中旬から中2の3月初旬へと、3ヶ月以上も早まった。

今年度入試が、例年と大きく違うのは、この点だ。実は中3まで部活動を熱心に取り組む予定でいた学力優秀層が、今年度は圧倒的に有利になった。部活動より受験勉強を優先してきた学力優秀層は、今年は逆にアドバンテージがない。むしろ劣勢を強いられることになった。

しかし、部活の引退時期が実質的に早まった意味を、いまだに、正しく理解できていない人もいる。

ここで大きく遅れをとった受験生は、大幅な短縮になる今年の夏休みと冬休みだけでは、もはや、取り返すことは、不可能だ。

6月が終われば、仮内申決定まで、残り5ヶ月だ。
6月が終われば、受験校決定まで、残り5ヶ月だ。

しかも、1学期の期末テストと、2学期の中間テストと、2学期の期末テストは、内申を獲得する上で、これまで以上に真剣に取り組まなければならない。

結果として、受験勉強そのものに使える時間が、その分だけ減ることになる。つまり、実質的に受験勉強に専念できる時間は、思いのほかに、少ないことになる。

これはコロナがなくても同じだが、人生一度きりの高校受験を迎える受験生が、事前に正しく認知するのは容易でない。その重みを実感するのは、実はこれからだ。こんなはずじゃなかったという思いが、焦りと不安と不満へとつながっていく。ここでも、多くが振るい落とされていく。高校受験というものは、実は中学3年の3学期に突然やって来るものではないことを、この時期になって、やっと、正確に知ることになる。

悪いのはアナタではないかもしれない。
しかし、他のだれかが悪いのではない。
高校受験は、だれにも平等に、厳しい。

12月上旬には、出願先を決めなければならない。

新年1月早々には、私立推薦入試で進学先が決まる。
新年1月半ばには、都立高校の推薦入試が行われる。

多くの高校受験生は、1月中に入学先が実質に確定する。
港区では、約7割の受験生が、1月で高校受験を終える。

そもそも、高校受験まで、中3の4月からは、12ヶ月もなかった。いまさら知らなかったは通用しない。

しかも、本気の受験生は、学校再開後も、毎日トコトン頑張るから、遅れた受験生が、差を詰めるのは、容易ではない。

もし、臨時休校期間中に、毎日しっかり受験勉強できなかったのなら、学校再開後からは、例年を超える勉強量が必要になる。それには常識的な限界を超えるような勉強量となる。

これは、今年の中3高校受験生だけに、言えることではない。
これは、中2高校受験生にも、中1高校受験生にも、言える。

*中学受験への影響は、いつか別途ご説明したい。中学受験も大きな影響を受ける。しかし、高校受験とは影響の受け方が大きく違う。