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三田学院

[2020年6月30日]

【高校受験】コロナの影響(小学生編)

高校受験する小学生が、コロナ最大の犠牲者となる。

高校受験へのコロナの影響は、中学生に限ったことではない。むしろ、現在まだ小学生の、将来の高校受験生にこそ、甚大な影響がふりかかる。

そもそも、高校受験は中学生になってから考えればよいというのは、全くの間違いである。

中1になる頃には、進める高校のレベルはほぼ決まってしまうのが実情である。

これが、コロナの影響で、鮮明になるばかりか、状況は悪化し、競争が激化し、将来、あこがれの高校への道が、さらに厳しくなると見込まれる。

そもそも、小学生の頃に、勉強を二の次にして、習い事という名の暇つぶしや、体験という名の娯楽や、健康のためという名のスポーツ遊びなどにかまけていれば、小学生のうちに構築しておくべき、学力の土台造りが怪しくなる。その土台の上に築かなければならない高度な学力は、もっと怪しくなってしまう。

大地震が起きても、自分には影響ない。
大津波が起きても、自分だけは大丈夫。
将来起こるかもしれないが、今は平気。

と、

根拠のない楽観が、己を危機に追い込む。

中学生になって、定期テストや模擬試験で、過去の甘さに気がついても、もう失ってしまった過去は取り返せない。

すでに開いてしまった「差」は大きく、地道に努力を続けたライバルたちは、引き続き努力を続け、さらに努力を積み上げるから、「差」は縮まるるどころか、さらに開いてしまう。

しかし、おなじ過ちが、毎年繰り返されている。

今回のコロナで、この状況はさらに厳しくなる。

学校臨時休校で、学習習慣の「差」が、明るみになった。
学校臨時休校で、小学生の「学力差」が、鮮明になった。

家でしっかり勉強できない小学生は、何も有効な対策を講じなければ、そのまま中学生になり、そのまま高校受験をし、そのまま成人になり、そのまま社会人になり、そのまま老い、そのまま人生を終える。

首都圏では、中学入試で多くの成績優秀層が、私立や国公立中学校に抜けるので、地元公立中学に進む成優秀者層の比率は高くない。

港区や、千代田区や、文京区や、中央区や、江東区などは、中学受験で私立中学などへ抜ける割合は、ほぼ5割を超える。成績優秀層ほど抜ける。地元公立中学に進む人たちの平均値は、世の中の平均値ではなくなる。地元公立中学の学力平均は、世の中の平均値より、大きく下方乖離する。地元公立中学に残る学力優秀層は、ごくわずかでしかない。

このため、中学入試が現実的でない地域の地元公立中学と比べて、首都圏の地元公立中学内で成績上位に食い込むことは、さほど難しいことではない。むしろ、成績上位でないと、全学力平均よりもかなり下の学力、ということになる。

実力がない者が、棚ぼた式に、都合のよい自己肯定感や自己有能感を手に入れるのに、ちょうどよいかもしれない。しかし、それは高校受験に直面した時に、偽りだったとバレる。

偽物の自己肯定感や自己有能感をつかまされたことに気がつく。ところが、偽物だったと思いたくない。偽物をつかまされた自分が悪いのではなく、偽物をつかませた者が悪いのだと思いたい。しかし、誰がつかませたのだろうか。いつもの悪徳学習塾だろうか。実は、犯人はあなた自身なのかもしれない。

狂った歯車は、もう正常には戻らない。

偽成績優秀者を、コロナがさらに窮地に追い込む。このコロナの影響で、中学受験で抜けるはずだった成績優秀者の一部が、中学受験を断念し、高校受験に廻る可能性があるからだ。

本物の成績優秀者は違う。いくら励んでも追いつけない。小学生の内にコース何周分も引き離されていたのだから。何が何だかわからないくらい「差」が激しい。

これは、中学受験を早々に回避して、高校受験に焦点をあてていた層を直撃する。

しかも、コロナ禍が過ぎ去った後に、直撃する。

その時には、高校受験へのコロナ対策は終了していて、救済措置はない。

コロナだからといって、高校受験から中学受験に切替える層はごく少数であろうが、中学受験から高校受験に切替える層は、小5、小4と学年が下がるほど増える。

コロナは地球上の全世界を襲っているから、その影響は甚大になる。コロナの感染者や死者は、日本国内とは桁違いに多い。リーマンショックを超える世界不況となるかもしれない。

そうなれば、日本国内のコロナによる社会的なダメージも、短期間には収束しない。高校受験は年を追うごとに厳しくなり、しばらく厳しい状況が続くだろう。影響が甚大になるのは、現在の小学生高学年だけではなくなるリスクも高い。現小3以下にも影響が及ぶ危険性がある。現未就学児にも及ぶかもしれない。

コロナ禍で、様子見を決め込んで、それが最適な戦略だと勘違いしている親子を、コロナ大災害が直撃する。

まともな都立には進めない。
まともな私立にも進めない。

中間層だと思っていた親子が、いとも簡単に、底辺高校まで突き落とされる。

格差の底辺を自ら選ぶことになる。

底辺まで落ちると這い上がれない。

底辺ではないと己に言い聞かせて、生きて行くしかなくなる。

しかし世間は厳しい。

あなたの椅子はない。

忘れてはいけない。卒業高校から履歴書の学歴欄に記載が求めらることを。卒業証明書を求められることもあるから、一生、卒業高校からは逃げられないということを。

中学受験を回避して高校受験に廻った成績優秀者層が多くなればなるほど、高校受験では上から下への玉突きが激しくなる。

入試というものは、成績が優秀者から順に、みんなが望むような「素敵な席」を獲得して行く「椅子取りゲーム」だ。

これは、中学入試でも、高校入試でも、大学入試でも、大原則だ。

コロナの影響で、高校受験における「椅子取りゲーム」がさらに激化する。

高校受験は、楽な椅子取りゲームなどと思っていたら、痛い目に合う。

コロナの影響で、さらに激しく、痛い目に合う。

中学受験しない小学生ほど、甚大な影響がある。

コロナを理由に、様子見や、先送りをするのは、危険だ。

コロナだからこそ、しっかりと準備を進めるべきなのだ。

高校受験を甘く見たものは、高校受験で泣くことになる。

これも大原則だ。

甘いかどうかを、何度も高校受験をしない親子が、正確に判断するのは容易ではない。

学業成績が芳しくない人ほど、自己評価が甘いことも、忘れてはならない。

これから高校受験生となる小学生から、コロナの最大の被害者が生まれる。

正しい逃げ方をした一部の者だけが、生き残り。
正しくない逃げ方をした者は、みな犠牲となる。

自然の摂理である。

東京では、近い将来に、高校受験することになる小学生こそ、コロナ最大の犠牲者となるのだ。

この犠牲者候補の中には、都立中学に不合格になり、地元公立中学に進学する、膨大な人数の中学受検生も、当然に含まれる。