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三田学院

[2020年7月2日]

【都立中】合格率20%は不合格率80%

合格率20%は、不合格率80%だ。

そのことを、正しく理解できているだろうか。

戦勝率20%は、敗戦率80%だとも、言い換えられる。

闘う前に、ほぼ負けだ。

そんな闘いに自ら勇んで挑戦する武将がいるだろうか。

桶狭間の戦いは、「うつけ」の信長が、無謀な行動に出て、その無謀さゆえ、あり得ないような幸運で、勝利を収めたかのように語られてきた。

しかし、近年の歴史学者の解釈では、信長は、勝算が高く見込める戦略を秘かに練り、勝算が勇勢になった瞬間を見極めて行動し、読み通りに勝利を挙げた、という解釈が有力になりつつある。

兵力は大きく劣っていても、準備を怠らず、情報をしっかり入手し、敵を扇動し、敵を調略し、敵の弱点や盲点を突き、見方を欺くことも厭わず、臨機応変に動き、時をしっかり見極め、強みを最大限に活かし、躊躇することなく、一気呵成に、勝利に向かって、突き進む。

もちろん、受検は戦(いくさ)ではない。

しかし、勝ちか負けかを競うという点では、おなじだ。

負けても死ぬわけではないからといって、負けを正当化できるわけではない。

負けは、負けだ。

その意味は、不合格者となった時に、噛みしめることになる。

戦い(闘い)に挑むなら高い勝率を目指すべきだ。

敗戦率80%の戦略を選んではいけない。
戦勝率20%の戦略を選んではいけない。

敗戦率を50%未満にして、挑むべきだ。
戦勝率を50%以上にして、挑むべきだ。

今のあなたの戦略は、はたして、正しいだろうか。

戦勝率20%に懸けるのは、正しい判断だろうか。
戦勝率20%で闘いに挑むことは、適切だろうか。

戦国時代なら、側近たちが猛反対するだろう。
それでも、あなたは、勇んで出陣をするのか。

戦場に到着する前に、家臣は逃げ出すだろう。
そうなれば、戦勝率は5%未満まで低下する。

自ら敗戦を呼び込んで、どうするのか。

大戦(おおいくさ)には、戦勝率50%以上の、戦略と戦術で、挑むべきだ。

全体の勝率が20%だからといって、それより勝率が高くなる闘い方が、どこにもナイという訳ではない。

桶狭間の新解釈が、そのことを、わかりやすく、教えてくれている。

多くの受検生は、合格がほぼ見込めないことすら知らずに、受検会場にやって来る。

そして、大手塾の思惑通りに、将来の高校受験生になることを、そこで確定させる。

合格を目指すなら、合格率の高くなる闘い方を、すべきだ。