[2020年7月9日]
私立中高一貫校の巣鴨は、高校入試で、2021年2月入試から、5教科入試を導入する。
発表が急だったので、今年度の受験生は3教科も選択できるようにする。
私立高校入試では、3教科入試が主流だ。
しかし、国立大学附属の筑波大学附属駒場高校や筑波大学附属高校や東京学芸大学附属など、私立高校の開成高校などと、おなじ入試教科数になる。
また、今年度から私立難関の本郷高校が、高校募集を停止することを、昨年のうちに発表していたため、近く巣鴨も高校募集を打ち切るかもしれないと注目されていた。
これに先立ち、私立難関校では、海城、高輪、成城(新宿区)などが、すでに高校募集を停止している。
私立男子進学校で、高校募集を継続するのは、開成の他には、この巣鴨と城北くらいしか残らなくなる。
女子高校受験生だけでなく、男子高校受験生にとっても、選択肢が非常に狭くなってきている。
本郷が高校募集を打ち切った理由は、高校からの入学者が大学受験で劣勢であることが鮮明になってきたからだ。
巣鴨は、この高入生の劣勢の理由の一つとして、理科と社会が入試科目にないことを上げている。3教科入試で入学してくる高校生は、国公立大学の他教科入試に対応できずに、私立大学だけを受験する方向に流れる傾向があったそうだ。
中学入試では、理科と社会が入試科目に含まれているのに、高校入試には含まれないことを、高入生の大学受験における劣勢の要因の一つと分析しているようだ。
巣鴨は高校入試「日程」も変更する。
このことも含めて深読みすれば、開成や筑駒や都立日比谷などの受験生を取込みたいという思惑も見えてくるように思う。
高校募集を停止せずに、高校募集を5教科に変更することで、優秀な生徒を確保できるのかどうか、興味深い。
東京都内や東京通学圏では、優秀な生徒は中学受験でほとんどが抜けてしまう傾向が強まっているので、この巣鴨の戦略がどこまで成功するか注視して行きたい。