[2020年8月9日]
広尾学園小石川。
かなり紛らわしい学校名だが、都立小石川中等教育学校とは、全く関係がない。
むしろ、私立広尾学園と関係がある。
広尾小石川と略されることがあるようだが、都立広尾高校とも、全く関係ない。
繰り返すが、私立広尾学園と関係がある。
広尾学園小石川の正体は、村田女子である。
広尾学園の正体も、実は、順心女子である。
渋谷学園渋谷も、かつて、渋谷女子だった。
生徒募集が思うようにできなくなり、校名変更とリニューアルを同時に実施して起死回生を図る私立女子校が多い。
村田女子は、この校名変更とリニューアルを受けて、中学募集を開始する。
本科とインターがあるのは、旧順心女子とおなじ。
医進サイエンスがないのが、旧村田女子の特徴だ。
広尾学園小石川は、まず広尾学園広尾の併願校として人気を集めそうだ。ハッキリ言えば、広尾学園の滑り止めだ。
リニューアル校を好む受験生親子の人気も集めるだろう。
将来の難易度上昇を期待する受験生親子も注目しそうだ。
さらに、これが紛らわしい校名を選んだ最大の狙いかもしれないが、広尾学園なのか、都立小石川なのか、ちがうのか、よくわからないけど、経緯や難易度を知らない人には、かなり優秀な生徒がいそうな学校名に聞こえるだろうことを喜ぶ受験生親子にも選んでもらえそうだ。
昨年度、広尾学園との業務提携を発表した際には、受験生親子にスルーされてしまったから、今回の校名変更に懸ける思いは強いであろう。
校名を村田女子のままとして、中身で勝負してもよさそうだが、それには3年や6年といった長い期間を必要とするだろうから、そこまで悠長に待てなかったのかもしれない。
校名変更や、リニューアルをした私立学校の全てが、生徒募集で成功している訳ではない。むしろ、生徒募集にハッキリとした効果が見られない私立学校の方が多い。
このネーミングは、都立小石川の教員や生徒には、便乗商法かのように受け止められているようだ。都立小石川の関係者でない方面からも、今のところあまりよろしくない評価ばかりが聞こえてきている。
村田女子は、それらを承知の上で、このネーミングとしたはずだ。
世の中が、最終的に、どのような評価を下すのか、興味深い。
もちろん、学校として、生徒や保護者の期待通りに、入学生をしっかりと育成できるのであれば、そもそも何も言うことはない。受験生と保護者が判断することだ。
期待できると確信する受験生と保護者にとっては、選択肢が広がったことになる。