[2020年8月13日]
来春の中学入試の1月戦は、早稲田佐賀と茗渓学園が、例年にはなかったような、熱い闘いになりそうだ。
背景には、大学附属校人気と海外大学進学人気がある。
早稲田佐賀は、早稲田、早稲田実業、早稲田高等学院を目指す受験生にとっての、併願校としての地位を固めることになり、最難関校入りすることになるだろう。
早稲田大学の附属校や系属校としての認知が広く行きわたり、これまでは割安感が強かったが、裁定が働いて難易度が上昇し、割安感はほぼ消滅する見込みだ。
茗渓学園は、何度もご紹介してきたが、やっと海外大学への進学実績が幅広く認知されるようになった。これまで、おなじような入学難易度の学校に比べて、圧倒的に高い海外大学への進学実績を誇っていた。
茗渓学園も、難易度が上昇することにより、割安感がほぼ消滅するだろう。都内であれば、成城(新宿区)や高輪(港区)などの難易度に近づくだろうと予想する。難関校としての地位を固める年度となりそうだ。
早稲田佐賀と茗渓学園は、昨年までの難易度をイメージしたままだと、合格が難しくなるだろう。
令和2年度入試における、「大宮開成の悲劇」や「昭和女子大学昭和の悲劇」や「巣鴨や世田谷の悲劇」が、令和3年度の入試では、これらの学校で繰り返されるかもしれない。
令和2年度入試では、御三家や最難関校はさておき、難関校や中堅校に対する大手塾の進学指導が、さしてあてにならないことが露呈した。
こんなことになるなんて何も知らされていなかった、という悲劇の受験生親子が、巷にあふれた。
週刊東洋経済や週刊ダイヤモンドや受験情報誌でなどで特集が組まれ、受験生の保護者の注目を集めることになった学校の一部で、リスクが大きくなる傾向がある。
あなたが入手できた情報で、だれもが入手可能な情報は、多くの受験生の保護者も入手していると思っておくべきだろう。あなただけが抜け駆けすることはできないのだ。
今年は新型感染症の影響で、最新の模擬試験の偏差値表も例年のようにはあてにならない。
学校説明会がオンラインになり、各学校の受験生の動向もつかみにくい。
受験生の保護者が、どんなキーワードに注目しているか、慎重に見極める必要がある。
あなたのご子息に合った学校だと判断しても、入学できなければ、絵にかいた餅になる。
WEB出願の浸透で、出願締切の直前まで受験生が動くので、直前にならないと入試本番がどうなるかは掴めない。
あなたの注目校は、みんなの注目校かもしれない。
難関校と中堅校は、受験生のボリュームゾーンなので、特に注意して選択する必要がある。
あなたの非注目校が、みんなの非注目校となる可能性も、高い。
新しい情報だけでなく、時系列に情報をしっかり入手して、受験校を適切に選択するべきだろう。
それが、「幸せな受験」へとつながる、と思う。
人々の注目は、しばしばオーバーシュートする。
過去にオランダで起きた「球根バブル」のように。
本質を見抜ける親子にこそ、「幸せな受験結果」が届くのだ。