[2020年9月28日]
都立中合格者の、難関私立中学合格者による、都立中の併願合格者の割合が、急増中である。
これは、過去数年、顕著な傾向として、確認できる。
明らかに、都立中を巡る情勢には、大きな変化が読み取れる。
都立中の、令和2年度つまり前回入試では、難関私立中学合格者の都立中併願合格者がさらに増加したことが、追跡調査で明らかになった。
誤解しないでいただきたい。適性検査型入試を行う中堅中位以下のの私立中学合格者による併願合格者ではない。
もちろん、女子校では、学力試験型入試でも合格が難しい、共立女子(2月3日午後)や品川女子(2月4日)など、都立中入試の後日程で実施され、都立中の練習校とはならない私立難関校もあり、これらは難関私立中のカテゴリーに含めてもいいと思う。また、光塩女子(2月1日午前)や昭和女子大昭和(2月1日午後)は、都立中よりも前日程で入試が行われるが、難易度的には中堅中位以下の私立中学に分類するのは適切ではないだろう。
共学校では、渋幕や渋渋や栄東や開智や市川などの、難関私立中学が目立つ。
男子校では、海城や本郷や高輪などの、難関私立中学が目立つ。
女子校では、女子学院や吉祥女子など、難関私立中学が目立つ。
今年はコロナの影響で、いくつかの都立中で十分な調査ができなかったが、例年通りに、開成や桜蔭などの併願合格者も、多数いただろうと思われる。
これまで何度も申し上げてきているが、データから、都立中は難関私立中学の併願校になっていることが、はっきりと確認できる。
この情報を、どう受け止めるかは、それぞれの受検生の保護者によって、様々かもしれない。
しかし、客観的な事実として、都立中合格者で、難関私立中にも併願合格している人の比率が、かなり高くなってきていることに、目を背けるべきではないと思う。
都立中合格者と、難関私立中合格者は、まったく別の人達だという認識は、随分前から、正しくない。
都立中が残念なら地元公立中学任進学する、という受検スタイルは、もはや主流とは言い難くなっている。
都立中学への合格を目指すなら、難関私立中学にも合格できる力もつけておくことの重要性が、すでに強まっている。
ただし、単に難関私立中学を目指した受験対策では、都立中への合格は難しい。
加えて、単に都立中を目指した受検対策では、難関私立中学への合格は難しい。
大手私立中学受験塾からの都立合格「率」が芳しくないことが、その証左だ。
大手都立中専門塾からの難関私立中合格「率」が壊滅的なことが、その証左だ。
大手私立中受験塾から御三家や新御三家に合格しながらも、都立中には合格できない受験生が多い。大手中学受験指導塾による、難関私立中への受験指導だけでは、都立中への合格は難しいのだ。
一方で、大手都立中専門塾や、大手総合受験指導塾の都立中コースの指導では、難関私立中学への合格は、絶望的だ。そもそも、都立中への合格「率」も芳しくない。
都立中への合格をより確実にすること目指した難関私立中学への合格指導が、都立中への合格率を有意に引き上げられるということを、過去の都立中合格実績で証明してきた。
大手都立中受検指導専門塾とは違う都立中合格指導
大手総合受験指導塾の都立中コースとは違う都立中合格指導
大手中学受験指導塾とは違う都立中合格指導
それが、都立中学への高い合格可能性を実現できると確信している。
難関私立中学との併願者は、中学受験の全日程において、適切な併願戦略とスケジュールを組んで臨むことができるので、都立中を含めて、魅力的な複数の学校から合格を取ることが、より確実になる。
近年は、都立中上位校の大学進学実績が、難関私立中学に比べて大きく見劣りしない水準まで高まりつつあるので、難関私立中を辞退して都立中に進学する受検生が増える傾向にある。
その煽りで、「牧歌的な都立中が実質一本受検の受検生」が、どんどん劣勢になってきている。
都立中に、より確実に合格を目指す層は、難関私立中学を併願する傾向が強まっている。
難関私立中学を目指す受験生が、都立中を併願受検する傾向が強まっているとも言える。
どちらに分類されるかは、受検生親子の意識の違いによるだろう。どちらにせよ、都立中受検全般に与える影響に、大差はない。
幼いうちから「負け犬根性」を植え付けるリスクのある子育てをすることは、お勧めしていない。
蹉跌の記憶は、その人が命を全うするまで、消えないのだから。