[2020年10月2日]
茨城県の公立中高一貫校が熱い。
令和2年度以降、新たに10校が開校し、すでに開講していた3校と合わせて、13校体制になる。
東京都の都公立中高一貫校は、九段をふくめて11校である。東京都の総人口は、約1,300万人だ。
茨城県の県立中高一貫校は、開校予定をふくめて、13校である。茨城県の総人口は、約300万人だ。
茨城県の公立中高一貫校の数が、いかに多いかに、気がつくだろう。
茨城県の公立中高一貫校は、令和元年まで、並木中等、水戸第一、古河中等の3校のみであった。
令和2年度以降に、新たに、以下の10校の公立中高一貫校が開校する。
令和2年度:太田第一、鉾田第一、鹿島、竜ヶ崎第一、下館第一
令和3年度:水戸第一、土浦第一 、勝田中等
令和4年度:下妻第一、水海道第一
*連携型公立中高一貫校を除く。
令和2年度開校の5校は、すでに新1年生を迎え入れている。
令和3年度の予想偏差値は以下の通りだ。かなり分布が広い。
72:小石川
71:−
70:土浦一
69:水戸一
68:−
67:−
66:九段B
65:−
64:並木
63:−
・・・
(大幅に省略)
・・・
57:−
56:竜ケ崎一
55:日立一、勝田(ひたちなか)
54:−
53:−
52:−
51:−
50:古河
49:−
48:下館一
47:鹿島、鉾田一
46:−
45:太田一
令和2年度に入学者選抜が行われた8校の受検倍率は以下の通りだ。東京都内の公立中高一貫校と比べると、かなり低倍率だ。都立中並みの難易度となる並木であっても倍率は3倍台だ。
並木:3.78倍
日立:3.10
古河:2.33
竜崎:4.90
鉾田:2.33
鹿島:2.73
下館:2.55
太田:0.95
適性検査問題は、「これぞ公立中高一貫校の適性検査だ」と言えるくらい、学校教科書(検定教科書)を重視した出題となっている。
これなら、小5から受検勉強を始めても、間に合う人が多いだろう。
都立中の適性検査問題とは趣が全然違う。教科書に載っている知識は、どの教科でも、直接的に問われる。社会では、歴史も出題される。理科はほぼ学力試験問題に近い。作文は、100字から120字で出題されることが多い。
学力試験型の、高校入試のミニ版といった形式をイメージしてもらえれば、かなり近い。
見かけは、適性検査っぽい体裁に、なっている。
よって、茨城県立公立中高一貫校の適性検査問題を攻略するのに、都立中のような高難易度の独特な適性検査対策は必要ない。
むしろ、中堅や中位の私立中学が実施する学力試験型を想定し、教科書範囲を超える部分を省略したような対策でよい。
これに、報告書の提出と、面接が、課される。
入学者選抜の概要は以下の通りだ。
(1) 実施期日:令和3年1月9日(土)
(2) 実施会場:志願先の県立中学校又は県立中等教育学校
(3) 実施方法及び内容
ア 適性検査?(45分間)
イ 適性検査?(45分間)
ウ 面接(1グループ20 分間程度)
鹿児島県立楠隼中学校と全く同じだ。公立中高一貫校の標準パターンだ。
並木中等など一部を除けば、都立中よりも合格がしやすい。都立中の合格には手が届かないが、公立中高一貫校への入学を熱望する受検生親子にとって、有力な選択肢であると言える。
並木の最新の大学合格実績の概要をご案内する。
卒業生総数152名で、国公立大学合格者総数は103名
うち、
東京大学合格者数:10名
東北大学合格者数: 9名
筑波大学合格者数:18名
茨城大学合格者数: 5名
医学部医学科合格者数:17名
うち、
国公立大学医学部医学科合格者数:8名
*防衛医科大学医学科合格者の1名を含む。
コロナ後の、新しい生活様式で、都市型の災害リスク危険度が低く、豊かな自然に囲まれて、安全でゆとりのある暮らしを実現できる郊外生活に、注目が集まっている。
つくばエクスプレスやJR常磐線(JR快速線、地下鉄直通線)は、ともに北千住駅を経由して、秋葉原駅方面や、東京駅・品川駅方面や、大手町駅・霞が関駅方面につながっていて、保護者の通勤にも便利だ。
東京からの受検生親子にとって、保護者の東京や千葉や神奈川や埼玉などへの通勤も、ご子弟の茨城県立公立中高一貫校への通学も、ともに便利な、並木(偏差値64)、土浦一(70)、竜ケ崎一(56)、水海道一(令和4年度より募集開始)が、もっとも現実的な選択肢となりそうだ。
保護者の通勤が、埼玉方面なら、古河(50)も、選択肢に入ってくるかもしれない。
土浦一(70)や、並木(64)は、都立中と比べて遜色のない大学実績を誇っているので、「チャレンジ校」や「最適校」として受検できそうだ。
竜ケ崎一(56)や、古河(50)や、水海道一(−)は、都立中と比べて、難易度的に平易となりそうだから、「最適校」や「安全校」として受検できそうだ。
都立中を目指す受検生にとっても、茨城県立の公立中高一貫校は、魅力ある選択肢ではないだろうか。
都立中と違って、かなり幅広い難易度から、受検校を選択できるところに、魅力がある。
実は、東京都内に在住のままでも、1月に茨城県立公立中高一貫校を受検することができ、入学資格を得る方法がある。
受検資格も入学資格も得られるなら、都立中の併願先を、公立中高一貫校からも選べる。男子なら、これに鹿児島県立楠隼などを組合わせれば、公立中高一貫校を3校も、併願受検できることになる。
実は、男子なら最大4校、女子なら最大3校、公立中高一貫校を、併願受検できる。もちろん、入試日程も重ならない。
これは、受検1年前から千代田区内に居住実態がないと受検できず、受検日は都立中とおなじ日となる「九段(A区分)」とは、大きく違う。
他の都立中も、東京都以外の在住者の受検は、受検資格審査や入学資格審査が厳しく、受検できるのは、ほぼ都内在住者に限られる。
東京都在住者が、事前に茨城県内に転居すると、逆に、都立中の受検資格を失いかねない。
この、都内在住者など、茨城県内在住者以外の受検生の、茨城県立公立中高一貫校への受検資格や入学資格に関しては、諸事情に配慮して、塾内限りとさせていただく。
まあ、情報収集能力がある人なら、容易に見つけ出せそうな、秘策というか、妙案だ。
あくまでも、合法的に、正々堂々と、併願が、可能だ。
お咎めを受ける心配など必要なしに、併願が、可能だ。
茨城県の教育委員会も、茨城県の公立中高一貫校も、公文書などをくまなく拝読した限りでは、東京から優秀な受検生が併願してくれることを、本心では、歓迎しているのではないだろうかと思う。
「公立中高一貫校は、一発勝負で、倍率が高くて難しい」などと、親子でそろって自分や他人を騙すことなく、正々堂々と挑んで、威風堂々と公立中高一貫校へと進んでいただきたい。